- 2021-12-12
- 経済の話
こんにちは、中西です。
最近は日曜日と水曜日の週2回、経済ネタをお届けしています。
前回の水曜日のメルマガでお話ししたのは、与党の自民党内で、
悪の組織VS正義の組織
と言えるほどのわかりやすい構図で、「財政認識に対する戦争」が繰り広げている話をしました。具体的には、
財政健全化推進本部 VS 財政政策検討本部
の戦いです。
一般的には善悪二元論のレッテルを貼るのは思考停止した危険な行為とも言えるのですが、この件に関しては「正義と悪」と決めつけて構いません。私の全信用をかけて断言できます。
(詳細については水曜日の記事「悪の組織vs正義の組織。ついに「財政認識の戦争」が始まった!」を)
この両者の戦いが、「今後の日本の運命を左右する」と言っても大げさではない状況になってきました。
このそれぞれの組織の初会合が、なぜかともに12月7日と言う全く同じ日に開かれたのですが、
その内容が明らかになってきたので、今回はその内容と私が思ったことをお話します。
「正義の組織」ともいえる財政政策検討本部の本部長である西田昌司議員が、その初会合の内容を動画で話されていました。
まず最初に緊縮派の筆頭として慶応大学の土居丈朗教授に15分話してもらい、
次の15分では、積極財政派で第一生命経済研究所の主席エコノミスト永濱利廣氏が15分話しをされたそうです。
(ちなみに土居丈朗教授は、私が以前から名指しで国賊認定している教授になります)
その後、参加している政治家たちに質疑応答を受けつける、と言う流れだったようです。
興味深かったのは、あれだけ財政破綻論を長年にわたり煽ってきた土居丈朗が、この会合では
「自国通貨建て国債を発行する日本が財政破綻する事はありえない」
と言う事実をついに認めたことです。
信じられない話ですが、さすがに否定できないことを悟ったのでしょう。これまで散々自分が話してきた事は嘘だったことを認めたことになります。
しかもつい先日、財務省のトップ矢野財務次官が「このままでは日本が財政破綻する!」という嘘の論文を文芸春秋に投稿して、超大炎上したばかり。
つまり財務省の飼い犬でありながら、飼い主様の主張を苦し紛れについに完全否定したと言うことになります。
ところが当然、この連中は謝罪などしません。
日本の財政破綻は、もはや絶対に事実としてあり得ませんので「認めざるを得ない」と言う状況だったのでしょうが、
土居丈朗はその代わりに、またとんでもない詭弁を吐いてきました。どういう詭弁かと言うと
「でも、いつか問題が起こるかもしれないから、プライマリーバランスの黒字化は目指さないといけない」
…と言ったようです(゚o゚;;
ぶっとびすぎてますが、もはや自分が支離滅裂なことを言っていることにすら気づいていないのかもしれません。いずれにしろ土居は経済学者を今すぐやめるべきです。(慶応大学はいつまでこんなバカ教授を雇い続ける気なのでしょうか。諭吉さんも草葉の陰で泣いてるでしょう。)
日本の財政破綻がありえないことを認めたのなら、「プライマリーバランスの黒字化」(政府の収支の黒字化)を目指す意味など全くありません。経済学者でそれが分からないとは、逆に凄いです。
繰り返しますが、日本は国債をどれだけ発行しても財政破綻しないわけですから、黒字である必要など全くなく、
「どんどん政府は赤字になれば良い」
からです。
政府の赤字=政府がお金を出す=国民の黒字=国民が豊かになる
ですから、国民が経済的に困窮している今のデフレのような状況は、政府がお金を出す財政出動を大規模に行い、政府が赤字になるべき時なのです。
そして政府の赤字がどれだけ積み重なったところで、何一つ問題は発生しません。何一つ、です。
しかし、土居丈朗は日本が財政破綻しないことをついに認めたにも関わらず、「政府が黒字にならなければならない」などと言っている。
理由は簡単で、そこはやはり財務省の完全な飼い犬だからです。
財務省は彼に特別なポストを提供していますので(財政制度等審議会の委員や、東京財団政策研究所の研究者など)、
財務省にとって得になる嘘の情報を長年にわたり撒き散らしてきましたし、こうやってどれだけ自説が論破されても、財務省にとって得になる「プライマリーバランスの黒字化」を、重要なことだといまだに嘘をつく。
こうして我々日本国民は、この連中に25年も騙され続けて貧困化してしまったわけです。
個人的にちょっと面白かったのは、この会合で土居丈朗が黒ひげ危機一髪を例に出し、
「日本は財政破綻しないけど、黒ひげ危機一髪と同じように、いつ破綻するかはわからない」
などと言っていたことです。(゚Д゚;)
黒ひげ危機一髪は、剣をさして行ったらいずれ必ず黒ひげが飛び出すので、実質「100%破綻する」と言っているのと変わらないのですが、
彼は黒ひげ危機一髪のように、日本の財政破綻も
「どこにさせば飛び出すかはわからないけれども、いずれ必ず飛び出す(破綻する)」
と言っているのです。信じられない話です。
しかもこの例を出した際、会合に参加していた政治家の方々が、
「一体、どのようなプロセスで黒ひげは飛び出すのですか?」
と質問されたのですが(当然の質問です)、彼はまともに説明することが出来ませんでした。
当たり前です。起こりもしないことを起こると言っているのですから、具体的にそのプロセスを説明することなどできません。
この会合に参加していた青山繁晴氏も、この黒ひげの話のおかしさをブログに書いていました。
余談ですが、少し前に私がある元知事でメディアでもよく取り上げられる人物と軽くバトルをしたことがあったのですが、
(ある積極財政派の女性作家に対して、上から目線で完全に間違ったことを言い、その女性を晒し者にしていたので、いくらなんでもやり方が汚いし間違ってるし酷すぎると思い、その間違いを間接的に第三者として指摘したら、向こうから突っかかってきた)
その時に、彼は「赤字で破綻する」としきりに言うので、
「『政府が赤字で破綻するまでのプロセス』を具体的に説明してもらえますか?」
と丁重にお願いしたところ、それまで全てこちらの質問に(間違いだらけとはいえ)彼なりの回答をしてきたのに、この「絶対に逃げてはいけない、このやり取りにおける最重要の質問」にだけは完全スルーした上で、
「実例があります。財産税・新円切換・預金封鎖です。内容は自分で調べてください」
と言ってきました。
なぜ私がその3つを知らない前提なのか意味不明でしたが、いずれにしろこの時点で、
「彼が完全に認識間違いを犯している
(or意図的に嘘をついている)」
ことを立証できる言質が取れたので、そのやりとりを終わらせました。
彼はその後、先日の選挙で政治家に当選したのですが(そこの選挙区の人はどうかしてます)、
そもそも「赤字で破綻する」と現実として絶対ありえない嘘をつき、国民に不安を煽って、日本人の貧困化に大貢献しておきながら、もっとも重要な部分である、
「その破綻するまでの具体的なプロセス」
を一切説明できないで逃げた、のですから話になりません。
「起こりもしない嘘を垂れ流してきた」と自ら認めたに等しいですから。
(読者の皆様ももし財政破綻論者と議論になったら、この「破綻するまでの具体的なプロセス」を聞くようにしてください。彼らは「絶対に」まともに答えられませんから。)
このやりとりの詳細については改めてブログで記事にまとめる予定ですが、
彼が財政破綻のプロセスを答えられない代わりに「赤字破綻の実例」(笑)として挙げてきた「財産税」と言うのは、
そもそも「政府が赤字で破綻した実例」などではなく、むしろ
「政府が黒字を目指して(終戦直後の1946年に財産税という税金を課し、莫大な税収を貧困の国民から徴収した)結果、国民が大赤字となり(「政府の黒字=民間の赤字、政府の赤字=民間の黒字」が絶対法則ですから当たり前)、日本史上最悪に財産を無くして貧困化し、国民の生活が大破綻してしまった実例」
なのです。
(余談の余談ですが、この愚かすぎる財産税で1946年に史上最悪に国民が貧困化した時の物語が「火垂るの墓」です。つまり幼い節子ちゃんを餓死させた本当の犯人は、「赤字で破綻する」と間違った認識で国民に財産税を課した愚かな政治家・大蔵官僚だったのです。この元知事は、75年も経って絶対に繰り返してはいけない同じ過ちをまた繰り返そうとしているのです。これを政治家として「愚か者の極み」と言わずして、なんと言えばいいのでしょうか)
一般人がこれをわからなくても仕方ありませんが、彼は元知事(ある女性関係の不祥事が発覚して変な辞め方をした)で、現在も現役の政治家であるにもかかわらず、こんな基本的なことすら理解できていないと。
つまり散々上から目線で積極財政派を攻撃し、正しい発言をしている女性を数万人の晒し者にする卑劣な行為をしていたにもかかわらず、
実は彼こそが全く何もわかっていない本物のバカ人間だったことが、この回答でハッキリしてしまったわけです。
(なおこの人物が同じく実例として挙げている「預金封鎖」もあり得ませんが、ひろゆきさんをはじめ、投資家や経営者にこの「預金封鎖のリスク」を心配する人が昔から非常に多いです。それがありえないという話もまた後日解説予定)
こうやって財政破綻論者たちは、最近どんどん墓穴を掘ってきています。
しかし彼らは絶対に謝罪する事はありません。池上彰も、今年3月にMMTをようやく理解し、自分の間違いに気づいてからはずっとダンマリです。
日本が財政破綻しないことはしぶじぶ認める場合も、上記の土居丈朗のように、全く意味不明なロジックで、
とにかく「財政破綻は起こりうること」「いずれ大変なことが起こる」と思い込ませようとしてくるのです。
これを例えるなら、大地震が起こって、建物の崩壊・火災・食糧不足・土砂災害などで、目の前で助けを求めている人が大勢いるのに、
「いや、そうは言っても、まもなく宇宙人が地球に襲来して、日本国民を襲ってくる可能性も絶対ないとは言い切れない。
まもなく氷河期になったり、まもなく太陽フレアが大爆発を起こして日本が沈没したり、まもなく月が地球に落ちてきたり、まもなく隕石が衝突する可能性も、絶対ないとは言い切れない!」
…などと言って、ごくごくごくごくごく小のリスク(orありえない事態)を、まるで今まさに起こるかのように不安を煽り、いま目の前で助けを求めている国民を救おうとしないで見捨てる政治家や学者がいたら、
そういう政治家や学者に対し、国民はどのように感じるでしょうか。
土居丈朗やその元知事など、政治家や学者で財政破綻論を煽ってきた人間たちは、まさにこの非常事態に、そういうことを言っているのです。完全に人として狂ってますな。
勉強ばかりして権力だけ手に入れた結果、低所得で貧困になる苦労も商売の苦労も全く知らず、弱者に対する想像力も無いせいで、今日本中に助けを求めている人が大勢いることをまるで理解できないのか、
嘘をついてでも自分の今の地位・名誉・金を維持する方が国民の命よりも重要なのか、
自説のロジックの正しさを(全然正しくないのですが)頭の悪い信者にドヤ顔で披露することが、国民の命よりも重要になっているのか、
そのいずれかでしかありえないと、私は思います。
いずれにしろ、控えめに言っても「究極の愚か者」だと個人的には思いますなm(_ _)m
ここまで見事に財政破綻論自体が完全に「破綻」しているにもかかわらず、
先日の矢野財務次官(財務省のトップ)が雑誌に投稿した「財政破綻論」のウソ記事のように、
今後は財務省が死に物狂いで財政破綻論を始めとする嘘のプロパガンダを流してくる事は、ほぼ確実です。
具体的には消費税を今の10%から、12%〜15%位にアップする議論や、コロナ増税の議論もやり始めるでしょう。当然マスコミもそれに同調する記事を出しまくるでしょう。このあたりはもうマスト。どれも一切やる必要がない増税ですが、必ずその方向に話が進んで行くでしょう。
また飼い犬の学者連中や破綻論者は、現在の「偽物のインフレ」を持ち上げて、「これでデフレは終わった」的なあからさまな嘘をついて、また再び国民を騙してくる可能性も高いです。
特に今のインフレについてはデフレ脱却とは何の関係もない(エネルギー資源の上昇によるコストアップ型の)インフレですが、例によってまた一般国民の無知を利用して、
このインフレをもって「デフレから脱却した!」などとプラスの事のように宣伝してくるのではないかと危惧しています。これまでの経緯を見れば普通にあり得ますので。
今のインフレがなぜ「偽物のインフレ」かと言うのは、次の水曜日にでも解説します(他にネタがなければ笑)。
とにかく悪事が徐々に一般国民にもばれてきた財務省や、論破されまくって死に体になってきた財政破綻論者たちの
「最後の壮絶な悪あがき(苦しすぎる言い訳)」
が、これからますます激しくなることが予想されます。
そのでっち上げの「嘘で塗り固められた適当なロジック」に国民が騙されないことが、
我々の今後の人生の未来と、さらに子孫の人生も決めていくことになるのです。
それではまた。
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