- 2021-12-11
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こんにちは、中西です。
前回は、「幸せな状態」を維持することの重要性についてお話ししました。
具体的には、
「幸せな人は、そうでない人よりも3割生産性が高く、創造性は3倍も高い」(研究結果)
と言うことでした。
幸せな状態と言うのは、いわゆる「ウェルビーイング」とも呼ばれ、
「身体的・精神的・社会的に良好な状態にあること」
を意味するという話をしました。ここまでが前回の復習。
実はその中でも「特に重要な要素」と言うものがあります。
75年もの長期間にわたって
「人の幸福度に影響を与える要素」
について研究したハーバードメン研究と言う研究で、それが判明しました。
この研究は、ハーバード大学に在学した268人を対象に、卒業後も毎年、健康診断と心理テストを実施し、
仕事・収入・結婚(離婚) ・子育て・老後
…などをチェックし、どのような人生を歩んでいくのかを追跡調査したものです。
2009年に、この世界で最も長期にわたる研究の結果が発表されたのですが、その結果、次のことが分かりました。
「研究対象のトップ10%の『幸せな人生を歩んだ人たち』は、人生で『温かな人間関係』を築くことができていた」
…と言うことです。
上位10%の人たちは、人生で「温かい人間関係」を築くことができなかった人たちと比べて年収が高く、
さらに自分の専門分野で成功を収めている人の割合は、3倍も多かったのです。
ちなみにこの温かな人間関係には、親と子の関係も含みます。
この研究では幼少期に母親と温かな関係を築けていた人は、そうでない人よりも年収が870万円も高いことが分かったようです。
(すごい差ですが、対象はハーバード大学の卒業生なので、上位層の年収が高いため、開きも大きいと言うことかと)
要するに、人の幸福度や仕事の成功に最も大きな影響を与える要因は、
「温かな人間関係」
を構築できているかどうかだった、と言うことですね。
もちろん健康など幸福度に影響与える因子は他にも複数ありますが、
影響力として1番大きいのは人間関係と言うことでしょう。
温かな人間関係が、人生トータルの幸福度や仕事の成功に最も影響を与えるなら、
子供の教育において最も重要なのは、無理矢理勉強をさせることよりも、親が子供と温かな関係を築くこと=子供にたっぷり愛情を注ぐこと、と言うことになるのかもしれません。
これは私の個人的な経験からも、複数の角度から実感としてよくわかります。
親子関係がうまくいかない場合は、例えばパートナーや結婚後の家族との関係、友人関係や、先輩後輩の関係などで、「温かい人間関係」を構築すればいいわけです。
いずれにしろ、そういう「温かい人間関係」が構築できていない場合は、
人生の幸福度が下がるのはもちろん、仕事の成功や年収にまでマイナスの影響を与えてしまうと言うことですね。
余談ですが、犯罪者に親子関係や人間関係がうまくいっていない人が非常に多いのも、根本的には同じ理由だと思われます。
最も重要な部分で「幸せな状態」を維持できていないので、自分自身の心が満たされていないため、
他人の幸せ(人生)を平気で踏みにじることができてしまうと言うことです。
人は「温かい人間関係」を構築できていないと、自分自身を愛せず、それゆえに他者にも愛情を注ぐことができず、悪い循環から抜け出せなくなる場合もあるのです。
と言うわけで、ハーバード大学の75年にもわたる長期研究で、
「温かい人間関係」
を構築できていた人たちが、幸福レベルが高く、年収でも仕事の専門分野の成功も、そうでない人より3倍も多いことがわかっていますので、
自分と関わる人間関係は常に大事にして、
くれぐれも人間関係を軽視しないように注意していかないといけないですね。
前回の話とあわせてまとめると、幸せな状態を維持できていると、
▼生産性は3割高くなる
▼創造性は3倍高くなる
▼年収が高くなる
▼仕事の成功確率は3倍高くなる
…と言うことになります。
これらからわかるのは、集中力アップも「幸せになるための手段」と言うより、
集中力アップの条件が「幸せであること」と言えるのかもしれません。
卵が先かニワトリが先かみたいな話ですが笑、いずれにしろ
【 「幸せな状態」がパワーを生み出す 】
のは間違いないでしょうし、そのための重要因子が「良好な人間関係」や「健康」になります。
つまり人間関係を中心に、健康にも気を配り、
日々「幸せな状態」を維持できるように努力と工夫をし続けることが、
【 人生トータルの生産性アップと満足度につながる 】
と言うことになりそうです。また、そうであるなら、
幸せは「人生の目的」ではなく、「人生を生きていくための条件」になるのかもしれません。
それではまた。
参考:『99.9%は幸せの素人』星 渉, 前野 隆司著