- 2023-2-12
- 経済の話
こんにちは、中西です。
昨日からかなり大きなニュースになっていますが、日本銀行の新総裁が決まりました。
現在の黒田総裁は、4月で任期が終了しますが、その後任の総裁と言うことになります。
新総裁は、東京大学名誉教授の植田和男氏で、戦後初の経済学者出身の日銀総裁となります。
この人事について、ほとんどのメディアが植田氏を取り上げ、様々な報道をしています。
が、「国民にとって最も重要なポイント」について解説しているメディアが全くありませんでした。まあ、相変わらずです。
マスコミの代わりに、ど素人の私の方で、国民にとって重要なポイントを解説したいと思います。
結論から言いますと、この日本銀行の新総裁で、東京大学名誉教授の植田和男氏は、
「筋金入りの財政破綻論者」
になります。
証拠は少し調べただけでいっぱい出てきましたが、わかりやすい記事ではこちら。
▼債務借り換え継続、高リスク コロナ危機と財政膨張 植田和男 共立女子大学教授
https://www.nikkei.com/article/DGXKZO67564640S0A221C2KE8000?unlock=1
2年前の日本経済新聞の記事です。
先に予備知識として「日経新聞のメディアとしての立ち位置」をお伝えすると、過去には日本経済新聞社の役員に財務官僚が天下っているような財務省とズブズブの関係ですので、基本的な論調としては、財政破綻論を展開します。
「日本経済新聞社」と名乗りながら、完全に間違った、日本経済を崩壊させる報道しかしていない壮大なツッコミどころは、今回は置いておきます。
いずれにしろ、そういう財務省のポチ新聞に数年間、継続的に経済学者として記事を寄稿していたのが植田和男氏です。この時点で勘のいい人なら全体像が大体わかると思います。
上のリンク先の記事では
「未曽有の規模に膨れ上がった財政赤字、政府債務を中長期的にどう減らしていくか大きな課題だ。」
などと言っていたり、
「ハイパーインフレが起こりうる」
という趣旨の話をしています。高橋洋一教授が動画で説明していましたが、植田氏は書籍でも、ハイパーインフレのリスクを語っていました。
もはや植田氏が経済学者としては論外で話にならないのは、このメルマガの以前からの読者さんなら、一瞬でわかるでしょう。基本的すぎるので、今回はこの部分の解説は省略。
(念のため概要だけ言っておきますと、ハイパーインフレは日本では絶対に起こりませんからね。
需要と供給のバランスが極限まで著しく崩れた時しか起こり得ず、実際、歴史的にもハイパーインフレは、レバノンや大戦中のハンガリーなど、供給能力がゼロに等しくなった戦争・内乱・革命が起こった時・ 国でしか発生していません。
コロナ直後の「超マスク不足」が、わずか数ヶ月で、逆に「超マスク過多」になったのが象徴的ですが、供給が著しく不足すると、経営者や商売人は儲けるために必死で生産体制を整えるのです。
日本の経営者・商売人の気概を舐めるな、と言う話。
そんなモノやサービスを作り出せる供給能力が著しく高い日本で、年率1万3000%のハイパーインフレなど、物理的に「絶対に」起こりえないのですが、日銀の新総裁はそれを「起こりうる」と言ってしまっているのです。
ちなみに、終戦直後に工場が空襲で消えた焼け野原で、日本中の供給能力が消えかけた時ですら、日本のインフレ率は年率500%しかありません。現在の日本で、それを超えるわけがないのです。)
いまだに「ハイパーインフレのリスク」を主張している経済学者と言うのは、間違いなく超がつく要注意人物です。これは私の全信用をかけて断言できます。
植田氏は、100%完全に間違っている「天動説」側の主流派経済学の筆頭に来るような、ある意味ベタな経済学者ですので、
愚かすぎる「財政破綻論」を展開するのは、特に驚くべき話ではありません。想定内。
私が1番興味があるのは、植田和男氏が以下のいずれのタイプの経済学者なのか?という点です。
1.財政破綻論が間違っているのはわかっているのに、(財務省等から手に入れた)自らのポジションを守るためなどの理由で、国民に嘘をついている嘘つきの学者
2.ガチで財政破綻論が正しいと本気で今だに思い込んでいる、本物の不勉強のバカ経済学者(山ほどいます)
…財政破綻論を展開している経済学者は、端的に言えば100%必ず「嘘つき」か「バカ」の、どちらかでしかありえないんですね。ここまでは確定。
問題は、日本銀行の新総裁は、「どっち」なんだと言う話。
ちなみに、その経済学者が嘘をついているのか、本当にわかっていないのかは、状況証拠でかなりの確度で分かります。
わからない場合もありますし、最終的には本人の心の中を覗くしかないのですが、発言内容や過去のキャリアや現在のポジションなどを調べれば、ほぼ確実にわかるのです。少なくとも私自身は。
で、国民生活と日本の命運を左右しかねない、戦後初の経済学者出身の日本銀行の新総裁は、一体どっちのタイプなのか?
私はこの記事で、ほぼ分りました。
▼植田氏は「日本のバーナンキ」、決断力もある-サマーズ氏が評価 – Bloomberg
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-02-11/RPWEDET0AFB701
「日本のバーナンキ」と評価されたとありますが、これはどういう意味かと言うと、
元FRB(アメリカの中央銀行)の議長で、去年ぐらいにノーベル経済学賞を取ったベン・バーナンキのことです。
このバーナンキがノーベル経済学賞を取った理由は、2つあります。
1.FRB議長として、自らの経済学者としての理論をもとに、リーマンショックからアメリカを救ったから。
2.コロナ禍で景気が大変な状況に陥っていたアメリカを、(FRB議長はもうやめてましたが)、彼の学者としての理論通りに財政政策を行ったところ、またしても、アメリカが景気回復して国が救われたから。
要するに、バーナンキは日本の日銀と同じアメリカの中央銀行のトップとして、自らの学者としての理論で、リーマンショックの地獄から国を救い、
その同じ理論で、再度、コロナ禍からアメリカを救ったので、「2度もアメリカを大不況から救った理論の提唱者」と言う意味で、ノーベル経済学賞を受賞したのです。
そのベン・バーナンキの理論と言うのは、「ヘリコプター・ベン」と彼が呼ばれていたように、
「まるで、ヘリコプターからお金をばらまくかのように、国民にお金をばらまく財政政策」
のことです。簡単に言うと「大規模な積極財政」。
そしてこれこそが、日本を救う「正解」だと言う話は、10年前からこのメルマガ・ブログで100億回ぐらいしてきました。
(よく「バラマキ」というレッテルを貼って、積極財政の政策を批判している著名人・学者・一般人がいますが、この「バラマキ」という言葉を“否定的な意味で”使っている人は、その時点で正しい財政観を知らない人である可能性が超濃厚です。私の中で
「将来世代へのツケ」「血税」「通貨の信認」「無駄をなくせ」「国の借金」
などと同じ、正しい財政観・貨幣観を何も分かっていない人だと確定させられる“地雷ワード”)
問題は、日銀の新総裁・植田和男氏は、なんとこのベン・バーナンキと「師匠が同じ」人物だったことです。
上記のブルームバーグの記事から引用しますと、
「日銀総裁指名の植田和男氏はMITのフィッシャー氏門下生」
「金融経済でバーナンキ元FRB議長と同じ分野が専門」
バーナンキも、フィッシャー教授の門下生だったようなので、つまり、バーナンキと植田和男は、「兄弟弟子」みたいなもんでしょう。しかも「同じ分野が専門」とのこと。
であれば当然、アメリカを2度救ってノーベル賞を受賞したバーナンキの財政政策が正しい、と言うことはわかっているに決まっています。
そんなこともまだわかっていないなら、今すぐ経済学者を辞めろと言う話ですが、間違いなくわかっているのです。
そうなると、結論は1つしかありません。
日銀の新総裁、植田和男は「嘘つき」なのか「◯◯(動物2匹)」なのか。その答えは、
【 嘘つき側の経済学者である可能性が、限りなく高い 】
と言うことになります。必然的にそうならざるをえません。
そもそも「東大名誉教授」には、私がこれまで何度も名指しで批判してきた吉川洋と言う、とんでもない嘘つきの財政破綻論者もいます。
(なぜ嘘つきと言い切れるかと言うと、吉川は20年前の書籍では、財政破綻論が間違っている事を詳細に解説していたのに、財務省からポジションを与えられて以降、途端に財政破綻論者に豹変したから。
※そもそも、財政破綻論が100%間違っているのは、あらゆる角度から疑いようがなく、少し調べれば誰でもわかります。
同じように、昔は書籍で正しいことを言っていたのに財務省からのポジションとともに財政破綻論者に豹変した慶応大学教授の小林慶一郎と同じ。
10年前まで財政破綻論が間違いだと何度も言っていたのに、「財務大臣」という超要職になった途端に財政破綻論者に豹変した、こちらも証拠が大量に出揃っている正真正銘の国賊・麻生太郎と全く同じ。
その嘘の情報で大勢の国民が貧困になり、経済苦で大量に自殺しても、自分がおいしい立場になれれば全くどうでもいいと思っている人間の屑たち。)
植田和男氏も、残念ながら吉川洋や小林慶一郎、麻生太郎らと同じ香ばしい匂いがプンプンしております。
いずれにしろ、財政破綻論を主張している時点で、経済学者としては完全にアウトです。ここは間違いありません。
で、普通に考えて、経済学者として完全にアウトの人間を、日本銀行のトップに任命してしまう絶望的に狂った人事。
岸田総理は、相変わらず財務省に操られていることがよくわかります。
まあそもそも、現政権における「実質的」な権力の構図で言うと、上から
財務省
↓
岸田総理・鈴木財務大臣ら
↓
日銀総裁
ですので、財務省は必ず自分たちに都合の良い日銀総裁が就任するように働きかけるに決まっているわけです。
植田和男氏の財務省とのつながりは、現時点では私には分かりませんが、状況証拠的に、もはや植田氏と財務省は何らかの形でつながっている疑義が極めて濃厚です。
いずれにしろ、植田氏が財政破綻論者であることは物的証拠で間違いないので、財務省と、財務省の飼い犬の岸田総理・鈴木財務大臣とは、
「非常にうまくやっていくことができる」
のは間違いないでしょう。
それが国民にとって何を意味するかは…ご想像にお任せします。
今回の話をまとめると、私の調べで確定した部分は、こういうことです。
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▼日銀の新総裁、植田和男氏は筋金入りの財政破綻論者
▼元FRB議長でノーベル経済学賞を受賞した、積極財政理論のベン・バーナンキと兄弟弟子であり、専門分野も同じ。
▼よって植田氏は「ベン・バーナンキの理論の正しさ」を確実にしっかり理解している
▼ベン・バーナンキ(の理論)は、理屈的にも正しく、実務でも実際にアメリカ経済を2度も救っていて、景気を回復させる「正解」はもはや明々白々にもかかわらず、
「なぜか」
植田和男氏は30年も日本を衰退させ続けている、素人でも間違いがわかる財政破綻論を、いまだに主張している経済学者
▼財務省の元役人がトップにいた日本経済新聞に、5年くらい継続的に記事を寄稿している
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日本の運命を左右しかねない日銀の新総裁・植田和男は、嘘つきですか?
それとも、本当に(デフレ・不景気においては)「大規模な積極財政」が正解という、こんな簡単なこともまだわからないバカ学者なのでしょうか?
どちらかで確定なのですが、あなたはどちらだと思いますか。
最終的な真実は、彼の心の中を覗くしかありませんが、「状況証拠」で分かることはいくらでもあります。
よかったらご自身でも考えてみてください。
それではまた。