- 2019-12-7
- 睡眠効率アップで集中力UP
こんにちは、中西です。
今週は、集中力を高める上で欠かせない「睡眠」に関する話をしています。
ここまでお話ししたテーマは、
「厚生労働省の睡眠12箇条」
「ショートスリーパーを目指すのは超無駄」
「目覚ましのスヌーズ機能はダメ」
…と言う話、さらにスタンフォード大学医学部の西野精治教授の著書
より「睡眠に課せられた5つのミッション」として、4つめまでの
「脳と体に休息を与える」
「記憶を整理して定着させる」
「ホルモンバランスを調整する」
「免疫力を上げて病気を遠ざける」
というお話をしました。
今回もこの流れで、睡眠のミッションについて。5つ目の今回は
「脳の老廃物をとる」
という機能になります。
人間が生命を維持するために食事をする結果、必然的に内臓で老廃物が発生し、それを排泄します。
これと同じように脳がその機能を維持する上でも、老廃物が発生します。
この老廃物は神経細胞が活発になっている日中の覚醒時(起きている時)にたまっていくのですが、
人間の体と同じように、起きている時に「脳内にたまった老廃物の除去」が行われています。
ただ、それだけでは全ての老廃物を除去しきれないので、眠っている時にもまとまったメンテナンスが脳内で行われているのです。
この脳内の老廃物がしっかりと排出されないと、アルツハイマーなどの病気の引き金になる可能性があります。便秘が続くと病気になるリスクが高まる、みたいな感じです。
西野教授の実験によると、アルツハイマーになりやすい遺伝子を持ったマウスに対して睡眠を制限するように働きかけると、
アルツハイマーの原因物質の一つである「アミロイドβ」がたまりやすくなることが判明しました。
これは眠っていれば正常に分解されて排出され、本来は蓄積しないはずの脳の老廃物です。ところが睡眠が不足すると脳内に蓄積されてしまう(゚゚;)
逆にこれらのマウスに睡眠剤を与えて無理やり眠らせると、アミロイドβの沈着率も低下したそうです。
ちなみにこれはマウスの実験ですが、人間でも似たようなデータが出てきているとのこと。
要するにしっかり眠れていないと、脳の老廃物の排泄がうまくいかなくなり、その結果アルツハイマーのリスクが高まり、長期的にも脳のダメージにつながるということです。
「老廃物の排泄」というのはアンチエイジングのようなプラスに働きかける作用ではないので(特に健康な人は)軽視しがちですが、非常に重要な体の機能なのです。
余談ですが、私は子供の頃に腎臓を悪くして人工透析をしていたことがあります。
ある日の朝、なぜか突然おしっこが出なくなったのです(゚o゚;)?
病院に行ったら腎臓が悪くなっているという話で即入院。
腎臓は「老廃物を排泄する臓器」で尿を作ったりするのですが、その機能がおかしくなると腎不全となります。
急性腎不全だと私のように無尿(尿がでない)になったり、慢性腎不全になると、体内の老廃物を尿で排泄できなくなって、血液中に有害な物質が増えてしまいます。
正常に機能していないので尿の量(頻度)も増えたり、目の周りや足がむくんだり、疲れやすくなる、食欲がない、息切れする、皮膚がかゆくなるなどの症状も出ます。
健康な時は当たり前すぎて気づかないのですが、「老廃物を排泄する」というのは生命とその健康を維持するためには、非常に重要な体の機能なんですね。
私はその大事な腎臓を悪くしたせいでしばらく人工透析を続けていたのですが、5歳の子供ながら地獄のような体験でした。
透析している時の感覚を言葉で説明するのは難しいですが、「船酔いが数十倍の規模で襲ってくる」ような感じです。
子供なので自分の体に何が起こっていて、それが何の治療なのかもさっぱりわかりませんでしたが、「とーせき」という言葉の響きを聞くと反射的に全身がゾッとする感覚が未だにはっきり残っています。
まとめると「老廃物を排泄する」というのは体にとっても非常に重要ですが、脳にとっても非常に重要であり、
睡眠不足はその大切な脳の機能を短期的にも長期的にもダメージを与え続けることになるので、そのダメージが蓄積されると脳がまともに機能しなくなる(アルツハイマーなど)リスクも高まる、ということになります。
というわけで、シリーズでお伝えしてきた「睡眠の5つのミッション」として、
「脳と体に休息を与える」
「記憶を整理して定着させる」
「ホルモンバランスを調整する」
「免疫力を上げて病気を遠ざける」
「脳の老廃物をとる」
というものがあり、いずれも勉強の集中力への影響はもちろん、長期的に健康であり続けるために非常に重要な機能になりますので、ぜひ頭に入れておいてほしいと思います。
それではまた。