- 2026-7-14
- ChatGPT, 石油危機・イラン戦争
こんにちは、中西です。
前回は、7月に入ってChatGPTが大幅な進化をしたという話でした。
今回の進化は、大きく分けると3つあります。
ポイントだけおさらいしますと、1つ目は、新たな高性能モデルである「GPT-5.6 SOL」の登場。
これは従来のGPT-5.5より0.1増えただけですが、実際には、複雑な問題を考えたり、専門的な仕事を進めたりする能力が大きく向上しています。
2つ目は、人間同士の会話にかなり近い、自然なやり取りができるようになった「GPT-Live」。
「ここまで来たら、漫才やラジオもできるはず」
と先日お話ししましたが、既にYouTubeではそういう動画が複数上がっていました。
3つ目は、新たに追加された「Work」という機能。
これはChatGPTが調査や分析を行ったり、文書、表計算、スライド、レポートなどの成果物を実際に作り上げたりする機能です。
また、外部のアプリやファイルと連携しながら、ある程度長い作業を進めることもできます。
この3つの大幅なバージョンアップを一言でまとめるなら、
【 AIが「優秀な道具」から「超優秀な人材」に近づいた 】
というイメージを私は持っております。
要は、企業などの組織で求められるコミュニケーション能力、思考・判断能力、事務処理能力のすべてが、一気にそろったからです。
少なくともパソコンの内側の世界では、人間と同レベルか、人間以上のパフォーマンスを発揮できるAIに進化しています。
仕事のスピードは人間とは比較にならないほど圧倒的で、しかも人間のようなミスが発生する確率も低く、人間をマネジメントするような労力も不要です。
したがって、パソコン内で完結しているだけだった仕事は、今後AIに置き換わっていく可能性が非常に高いでしょう。
生き残れる人は、
①何らかの形で「AIには難しい自分独自の価値」を組織や市場に提供できる人
②リアルな現実世界と「何らかの接点を持つ」ことが仕事の一側面になっている人
です。
大きく分けると、この2つの要素のいずれかがある人材しか、組織では生き残れなくなると考えられます。
ただし、特定の職種が消滅するにしても、いきなり全員が消滅するというよりは、何段階かの順を追って、段階的に進んでいくことのほうが多いかもしれません。
例えば、私が以前やっていた、派遣社員の故障受付の電話オペレーターで考えてみます。
GPT-Liveレベルの、人間と区別がつかない会話をAIができるようになったことで、少なくとも典型的なパターンの対応については、全部AIにデータを放り込んで対応できます。
そのため、人間である必要性がなくなります。
人件費が一番コストのかかる部分ですから、電話オペレーターをたくさん雇っている企業からすれば、固定費を大幅に削減できます。
人間と同レベルか、それ以上の対応をしてくれるなら、AIに置き換えようという話に必ずなるでしょう。
実際、そういう報道も増えてきました。私の知人も先日まで電話オペレーターをしていた人が、「組織でAI化の話が進んでいる」と言っていました。
この電話オペレーターのAIへの代替は確実に進みますが、これまで100人いた人員を、いきなり100人解雇するということにはならないはずです。
事前に相当、AIでの試運転をすると思います。
それで問題ないことが分かったあとは、例えばまず8割ぐらいが解雇される。
100人だったら、80人がまず解雇される。
20人ぐらいは、人間の対応が必要な部分があり得ますので、残されます。
故障受付の場合なら、「AIの対応では納得できない」という顧客も必ず出てきます。
自分の腹が立つ感情を、人間のオペレーターにぶつけたいというニーズがあるわけです。
その顧客に、わざわざ人間が出て対応する必要性が本当にあるかどうかは、組織の考え方次第かもしれません。
ただ、そういう定型的な対応以外の、イレギュラーで人間が必要な対応も何パーセントかはあるはずです。
その要員として、少しだけ人間が残る。
ただし、それ以外の大半の人たちは解雇される。
電話オペレーターに限らず、こういうパターンで人員削減が行われることが増えるのではないかと、個人的には予測しております。
例えるなら、石油危機が深刻化する流れと同じです。
ある日突然、お店の棚から商品がすべて消えるわけではありません。
まずは値上がりが、目に見えて分かるレベルで、過去にないほど行われていきます。
ホルムズ海峡という川上から、お店の棚という最後の川下までの流れを考えれば、いきなり全消滅するのではなく、
その予兆として、まず石油や石油関連商品の値段が上がる。
さらに、しばらくしてまた値段が激しく上がり、かつての値段とは比較にならないような、やばい価格に値上がりする。
その次の段階あたりで、商品がお店に並ばなくなるという段階を踏むわけです。
余談ですが、アメリカとイランの停戦交渉が決裂し、ホルムズ海峡が再び封鎖され始めたことに加え、アメリカの戦略石油備蓄(SPR)が底を突き始めている状況です。
そのため、国内の危機的な状況はどんどん近づいております。
6月後半に停戦交渉に入ったことで、なんとなく石油危機も終わったような雰囲気が漂っております。
しかし、非常に危ない綱渡りの状況であることは変わっておりませんので、特に備蓄などは極端に減らさないようにご注意ください。
これについては、また後日、改めてきちんとお伝えする予定です。
というわけで、7月に入ってChatGPTが3つの機能で大きな進化を遂げたことにより、
これまで予想されていたホワイトカラーの大量解雇が、一気に現実味を帯びてきています。
組織での大量解雇というのは、私の知る限り、その多くが上層部で暗黙のうちに進められ、ある日突然告知されるパターンです。
また、ChatGPTだけが進化したわけではありません。
ほかのAIサービスも競争しているので、AI全体が常に似たようなレベルで進化しています。
ホワイトカラーや派遣社員の方で、特にパソコン内で完結する仕事をされている方は、
このAIの進化の波を自分はどうやって乗り越えるべきか、現実を直視して考えておくことをおすすめします。
AIによる雇用危機にしろ、石油危機にしろ、一番危ないのは、
「これまでどおりの状況が続くだろう」
と思い込む正常性バイアスなのです。


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