- 2024-11-12
- メンタルの話, 仕事の話, 働き方・キャリアの話
※本記事(および本ブログの記事全般)はメルマガで配信された内容を転載したものです。
こんにちは、中西です。
前回の続き。(前回の記事「メルマガ毎日配信が10年続いた2つの理由」)
2014年11月11日にメルマガの毎日配信をスタートしてから、おかげさまで10年になりました<(_ _)>
そこでなんとなく継続に関するネタを探していたところ、本棚に
「やり抜く力」(アンジェラ・ダックワース著)
https://amzn.asia/d/fo03Je7
という昔購入した心理学者が書いたベストセラー本があることに気づきました。
で、久しぶりに本棚から取り出して再読してみました。
2016年の秋に購入した本で、非常に学びの多い良書でした。線も山ほど引いていて、付箋もたくさん貼ってあります。
本のサブタイトルは
「人生のあらゆる成功を決める究極の能力を身につける」
です。どうすれば継続力が身につけられるかを科学的な観点から様々な事例を使って解説されています。
Amazonの案内文より引用しますと、
——————————————-
IQでも才能でもない、成功に必要な第3の要素とは?
全米社会に絶大な影響を与えた成功と目標達成の画期的な理論!
人生の成否を決定づける「やり抜く力」について、自分での身につけ方から、子どもなど他人の「やり抜く力」を伸ばす方法まで徹底的に明らかにする。
これまでのあらゆる常識がくつがえる衝撃の一冊!
——————————————-
・・・こんな感じで、他にもいろいろ書いてあるので興味のある方はリンク先を読んでみて下さい。
私はこの本が出てすぐ購入したのですが、その後30万部も売れたようです。
この本を再読して驚いたのは、以下のような記載があったからです。
「やり抜く力の強い人々が持っている深い情熱は、『興味』と『目的』によって支えられている」
この「目的」というのは、「他人に役立つこと」だそうです。
これは前回私がお話した、自分で振り返ってみて導き出した「継続できた2つの理由」と完全に一致しておりました。
著者の心理学者であるアンジェラ・ダックワース氏は、
「やり抜く力」の根底にあるモチベーションを探るため、1万6,000人のアメリカ人成人にアンケートを行いました。
その「やり抜く力」を判断する指標として、「目的」と「快楽」の2つに分けて調査しています。
目的は、「私のやっていることは社会にとって重要だと思うか」という質問で、
快楽は、「良い人生とは楽しい人生だと思うか」といった内容でした。
それぞれ5段階評価をしてもらうアンケートになっていました。
結果、「快楽」のスコアは、「やり抜く力」が低い人から高い人までほぼ一律に、誰もが5段階の3ほどで、快楽は継続力にさほど関係がないとわかりました。
一方で、「目的」のスコアが高い人は「やり抜く力」も高い、という結果が出ました。
やり抜く力の強い人々は、「他人の役に立つ生き方をしたいというモチベーションが強い」ことがわかったのです。
さらに「目的」のスコアが高いほど、「やり抜く力」も比例して高くなることがわかりました。
ダックワース氏によれば、
「この結果はやり抜く力の強い人々が皆聖人であるという意味ではありません。
【 自分にとっての究極の目標が他人と深くつながっている 】
と考えることで、やり抜く力が強くなっている」
といいます。
つまり、「目的はとてつもなく強力なモチベーション源である」ということです。
ここでいう目的とは、繰り返しますが、本書では「他者の役に立つかどうか」ということになっています。
その分野が「面白いかどうか」(快楽)も重要ですが、継続力には大きく関係がありません。
しかし、「誰かの役に立ちたい」(目的)と思う人ほど、やり抜く力が強くなります。
少なくとも1万6,000人のアンケートのデータでは、「目的」の強さと「やり抜く力」が完全に比例していました。
また、この本にはもう一つ、興味深い調査も掲載されています。
ダックワース氏の同僚であるウォートンスクール教授のアダム・グラント氏が行ったもので、
自治体の消防士に「仕事に対する動機は何か」という質問を行い、2か月間の残業時間を調査しました。
グラント氏は
「人々を助けたいという動機が強い消防士が残業も多いだろう」
と予想しましたが、実際には違いました。
「人々を助けたい」という動機が強い消防士の多くは、むしろ他の消防士より残業時間が少なかったのです。
それは「仕事そのものへの興味がなかった」ことが理由でした。
いくら人を助けたいという思いがあっても、仕事に興味がなければ大きな努力には結びつかないということがわかったのです。
一方で、社会的動機(人の役に立ちたいという思い)と仕事そのものへの興味(仕事が好き)を併せ持っている人のほうが、
仕事においてやり抜く力が強くなることがわかりました。つまり、
【 やり抜く力の高い人は、「役に立ちたい」にプラスして「興味」もあり、この両方がセットになっていると大きな継続力を生む 】
ことがわかったのです。
この1万6,000人の調査結果は、私も実感としてよくわかります。
私の場合は、「読者さんの役に立っている実感」と「この集中力という分野に対する興味」の両方があったから、メルマガを10年間続けることができました。
毎日配信することも、平日5日だけにするのも、週数回でも、あくまで配信頻度の選択に過ぎず、それが本質ではないと思います。
逆に言うと、継続したい分野があるなら、
「誰かの役に立つ実感を得られそうか」
「興味を持ち続けられそうか」
この2つのポイントを抑えておいた方がいい、ということになりそうです。
というわけで、改めてこの10年間、読んでくださっている読者の皆さんがいなければ続けられませんでした。
時に本文が死ぬほど長い時もありますが笑、いつも本当にありがとうございます<(_ _)>
もともと毎日配信は「嫌になったらいつでもやめて良い」というルールでスタートしたのですが、
次の20年とか全く目指さず、引き続き「いつでもやめて良い」ルールで1日ずつ積み重ねて行こうと思います。
今後ともよろしくお願いいたします。
▼前回の記事「メルマガ毎日配信が10年続いた2つの理由」