- 2024-9-19
- 睡眠効率アップで集中力UP
こんにちは、中西です。
睡眠不足になると、集中力や生産性が大きく低下しますが、この時にどう対処すべきか。
いくつか方法があると思うのですが、私の経験では
「運動すると目が覚める」
という対処法が一つありました。
軽い睡眠不足ならこれで頭がすっきりすることがあったのです。
ちょうど先日もコーチングプログラムのメンバーさんで、運動をして睡眠不足に対処したと言う人もいました。
ただ本質的な解決策ではないように感じますし、眠気が消えるとは言え、こんなやり方でいいのかとも思っていました。
ところが、このあたりを調査した研究がありまして、参考になる実験結果が出ていました。
結論から言いますと、
【 睡眠不足でも適度な運動で脳の機能が改善される 】
ということが判明しておりました。
※参考:The effects of sleep deprivation, acute hypoxia, and exercise on cognitive performance: A multi-experiment combined stressors study – PubMed
これはポーツマス大学やサリー睡眠研究センターなど、複数の組織による研究で、
睡眠不足がどのように認知能力に影響するか
を調べたものです。
被験者は2つのグループに分けられ、3日間連続で部分的な睡眠不足になった人たちのグループと、
前の晩に完全な睡眠不足になったグループに分けられました。
そして、その被験者全員の実行機能を調べるテストを行いました。
(テスト内容は、数学の問題や意思決定・推論・反応時間等のタスクを実行する脳の能力を調査するもの)
このテストは3回行われて、タイミングは
①完全な休息の後
②睡眠不足の後
③睡眠不足だが20分の適度な運動をした後
に実施されました。
この実験の結果、睡眠不足でも短時間の適度な運動を行ったグループは、
脳の実行機能を回復させ、認知能力が改善することがわかったのです。
研究者によると、今回の結果になった正確なメカニズムはわからないとのこと。
まぁメカニズムがわからないとしても、冒頭の私のような体験をしたことがある人なら、感覚的にはわかる話ではないかと思います。
これは私の推測ですが、睡眠不足とその対処法としての運動は、どれも程度の問題があるのではないかと思います。
ひどい睡眠不足や運動のやり過ぎだと、脳に負担がかかりすぎて、逆効果になる可能性も否定できないのではないかと。
一方で、そこまで極端な話でないなら、今回の研究結果のように
「睡眠不足による脳機能の低下を運動で改善させる」
ということができる可能性は高そうです。
これも推測ですが、上記の通り、正確なメカニズムはわからないと言うものの、これは
「睡眠不足を運動でごまかす」
という要素より、
「睡眠不足を運動で解消する」
という要素の方が大きいのではないかと思います(脳機能自体が改善しているので)。
ごく単純な考え方だと、体を動かす=エネルギーを消費することによって「心身が疲れる」と思いがちですが、
例えば、ウォーキングやジョギングや筋トレなどの後に様々なホルモンが分泌されて幸せな気分になったり、
元気が出てやる気がアップする事は、もともと多くの研究で判明しています。
つまり、運動は単純にエネルギーを浪費しているだけではなく、
【 脳も肉体も復活する(元気になる)スイッチ 】
になっている要素があると言えます。その観点で考えると、
「睡眠不足による脳機能の低下を運動で改善する」
というのは、対症療法的な(睡眠不足を運動でごまかすような)話ではなく、本質的な解決策(睡眠不足を運動で解消する)の要素が大きい可能性も高そうです。
もちろん、しっかり睡眠を取るようにすることが大前提ですので、
この研究結果で安易に睡眠不足になって、それを毎日のように運動で解消するということは極力避けるべきでしょう。
そんなやり方が毎日習慣になっていたら、脳と体に大きな負担になっていく可能性もありますから。
そこまで長期で継続しても問題ないというエビデンスは出ておりませんので。あくまで
「不本意に睡眠不足になってしまったときの秘密兵器」
ぐらいに考えておくと良いと思います。
というわけで、不本意に睡眠不足になってしまったら、多少無理しても
適度な運動(20分程度の運動。ウォーキング・ランニング・筋トレなど)
をしてみると、集中力や生産性低下を防げる可能性が高まるので、よかったら試してみてください。