- 2021-12-8
- 経済の話
こんにちは、中西です。
最近は水曜日と日曜日の週2回、経済ネタを配信しています。
水曜の本日は経済ネタ。
岸田政権の財政政策が(岸田総理の脳内の認識間違いのせいで)ボロボロであることをお伝えしてきましたが、
その中で唯一の希望となっているのが、最近できたばかりの
「財政政策検討本部」
です。
本部長は日本の政治家トップで大昔から「正しい財政認識」を持っている西田昌司議員。
この組織が、今の最悪すぎる日本経済の唯一の希望と言って良いのですが、これがついに12月7日から動き出しましたヽ(´▽`)/
ちなみにこの組織には、安倍元首相や高市早苗政調会長も参加されています。(安倍元首相の参加はツッコミどころ満載ですが)
興味深いのは、この同じ12月7日に、同じ自民党内の全く正反対の意見を持つ組織、
「財政健全化推進本部」
の会合が開かれていることです。
▼「財政再建派」「積極財政派」 同じ日に会合 自民党内で両論活発化(フジテレビ系(FNN))
上記の記事では、岸田総理が率いる「首相直轄の組織」として立ち上がった「財政健全化推進本部」の内容ばかり詳しく解説していて、
「財政政策検討本部」の会合については、たった一文で解説されているだけ。
これではまるで「財政健全化推進本部が主流」の会合で、「財政政策検討本部がマイナー」な会合のような扱い方です。
財政健全化推進本部 vs 財政政策検討本部
と言う構図になっているのです。これをわかりやすく言い換えると、
悪の組織 vs 正義の組織
と言うことです。
表現が5歳児が喜ぶ戦隊ヒーローの番組なみですが笑、ここまで単純化しても問題なし。
一般的に単純な善悪二元論は危険ですが、この両組織に関しては間違いなく
「悪の組織 vs 正義の組織」
と言う構図になっています。断言して構いません。あらゆるデータで完璧に立証できますので。
この2つの組織は、同じ自民党内にありながら「全く正反対の主張」をしているわけですから、
「どちらかが確実に間違っている」
わけですが、
「どちらが正しいか」
なんてことは、報道ではその考察すら全くされていません。
間違っている方の組織の考えは「日本を破滅に向かわせる」ことが明らかなわけで、
これは国民にとって極めて重大な大問題であるにもかかわらず、フジテレビはそのことすら認識できていないようです。まあテレビも新聞もマスコミはどこもこの程度ですが。
それにしても、財政健全化推進本部での岸田総理の発言を見ると、本当にヤバくてめまいがします。
記事から岸田総理のヤバい言葉を引用しますと、
—————————————–
岸田首相「国際社会において、国の信頼を維持していく、財政健全化について考えていく。こうした姿勢は、政治にとって、大変大きな責任であります」
「足元でコロナ対策に取り組み、経済対策を行うことと、中長期的に財政健全化を考えることは、決して矛盾しない」
と述べ、再建への道筋を「しっかりと考えてほしい」と要請した。
—————————————–
…この岸田総理の言葉を見てもわかるように、岸田総理の脳内では
「財政健全化は絶対的に正しいこと」
と言う前提になっています。
この認識が完全に間違っている=「財政健全化」は完全なる間違い、そんなものは一切考える必要なし
と言うのは、これまで散々解説してきたので今回は理由は省略。
(最近読者になった人のために簡単に言うと、財政健全化=政府の黒字化=政府を黒字にするために増税or支出削減が必要=国民(民間)からお金が減る=国民の赤字化=国民の貧困化、だから。
政府は財政を健全化するのではなく、国民のために支出をして「赤字にならなければダメ」なのです。それで何一つ問題は発生しません。)
問題は、岸田総理がこの完全な間違いを、ここまで強く「正しいこと」だと誤認している状況では、
仮に本当に正しい西田議員の財政政策検討本部が意見をまとめ、後日、岸田総理に見解を提出しても、岸田総理には
「財政政策検討本部の正しさを認識できない」
可能性が高いと言うことです。
それではせっかく財政政策検討本部が正しい意見書を作成し、岸田総理に提出しても意味が無くなります。
先ほど財政政策検討本部を「正義の組織」とわかりやすく言いましたが、この組織の見解が「悪の組織」(財政健全化推進本部)と違っていかに正しいかは、
西田議員が、6日にロイターの取材を受け、インタビューで話している内容からも明らかです。
▼財政支出の調整はPB目標ではなく、インフレ率で=西田自民財政政策検討本部長(ロイター)
この西田議員の話は、今後の日本の未来を左右するほど重大な意味を持っていますので、
上記の記事から一部引用します。
—————————————–
自民党が新たに設置した財政政策検討本部の西田昌司本部長は6日、ロイターとのインタビューで、
財政支出の規模はプライマリーバランス(PB、基礎的財政収支)の状況ではなく、インフレ率で調整すべきとの認識を示した。
日銀の金融政策は限界を迎えており、財政主導でインフレ率2─3%にすべきとした。
積極財政派の西田氏は、日本経済がデフレから脱却できない根本原因は財政支出が縮小しているためだと指摘。
国と地方を合わせたPBの黒字化目標を掲げたために長期的な計画を立てられなくなったと述べ、10年間で200兆円─300兆円財政支出を増やすべきとの考えを示した。
西田氏は「大事なのは長期的なインフラ整備や医療計画、研究開発、人材育成などの計画を立てることだ」と語った。
4─5%程度までのインフレ率は許容範囲とし、それを超える場合は
「財政拡大の量を減らしていくなり、税率を上げるなり、増税するなり、調整の仕方はいろいろある。PBではなくインフレ率で調整するべき」
と述べた。
—————————————–
…と言う内容。
今回は詳しく解説しませんが、引用部分の西田議員の発言は、
非の打ち所がないレベルで、最初から最後まで「完璧に正しい」です。
国のトップの総理大臣が、この正しさを理解できないことが、日本の悲劇なのです。
皮肉なことに、ついこの間まで総理大臣として消費税を何度も増税しまくるなど、この国をボロボロにしてきた安倍晋三が、正しいほうの財政政策検討本部に参加しています。
彼が総理大臣の最中、このメルマガでは
「安倍総理は本当に何もわかっていないのか、わかった上で大嘘を国民についているのか。バカか嘘つきか、どちらかで間違いないが、一体どっちなんだ!?」
と言う話をよくしていました。
その後、彼が恐ろしいほど都合の良いタイミング(自分が憲政史上最長の政権になったわずか4日後)に仮病で総理を辞めた直後から、
新潟県を始めとする各地での講演で、彼が完璧に正しく理解していたことが発覚しました。
つまり安倍晋三は、何が正しいか(日本は財政破綻せず、財政健全化もする必要がないこと)を理解していながら、
国民全員に大嘘をついて、国民を貧困化させていたと言うことです。
万死に値する所業であり、いったいどの面下げてまだ政治家をやっているのかと個人的には思いますが、問題は
「岸田総理も安倍晋三と同じパターンなのか?」
と言うことです。
これについては推測するしかありませんが、岸田総理のこれまでの言動を見る限り、彼は安倍晋三と違い、
「本当にガチで認識を間違えている」
可能性が非常に高い、と私はふんでいます。
安倍晋三との具体的な違いは、岸田総理は「国民を救いたい」と言う気持ちが、安倍晋三よりは強いことです。
ここまでくると人間性レベルの話になる気がしますが、私自身はこの点では岸田総理の方がまだ信用できます。(あくまで安倍元総理との比較で)
ただすでにお話しした通り、岸田総理は財務省に取り込まれています。
その大きな原因の1つが、岸田総理の脳内の認識間違いであるならば、
逆に言うと、その認識が間違いだったことを岸田総理が理解できれば、
高市政調会長が「財務省に騙されるな!」と自民党の政治家に言っていたように、岸田総理も財務省と対峙する可能性も(かなり低いですが) 0ではなく、
まだ日本にはわずかに希望がある、と言う事には一応なります。
ただ私はそこまで楽観視できないので、上記の通り今後も岸田総理は「何が正しいか」を理解することができず、
西田議員の財政政策検討本部が後日岸田総理に「正しい見解」を提出するでしょうが、その内容も理解できず、
最終的には(その認識間違いによって)財務省と同調し、来年6月の骨太の方針には、
【 「プライマリーバランス黒字化目標の堅持」と言う最悪の毒針 】
が、日本経済に突き刺さり、来年はますます景気が悪化、
世界中で日本だけが、引き続きデフレで困窮し続けることになる可能性の方がずっと高い、と予想しています。
私も暗い未来など予想したくありませんが、現実を踏まえてリアルに考えると、そういう結論にしか私はなりません。
あなたはどう思いますか?よかったらご自身でも考えてみてください。
2022年以降に明るい未来があるとすれば、西田議員の財政政策検討本部が、どれだけ岸田総理の脳内に影響を与え、
総理の間違った認識をひっくり返せるか、です。
今のところ日本の未来は、そんなところに全てがかかっている有様なのです。
それではまた。
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