- 2022-11-13
- 経済の話
こんにちは、中西です。
今、先進国で日本だけが、これだけボロボロに衰退しまくっている原因について、様々な分野の専門家が、様々な意見を述べています。
しかし、突き詰めると原因ははっきりしていまして、結局のところ、国民も政治家も、
「財政観」
を間違えてきたからです。(貨幣観でも経済観でも、呼び方は何でもいいです。)
つまり、政府がどういう仕組みでお金を発行していて、それがどういう構造で経済と言うものを成り立たせ、経済を成長させているのか。
これに対する根本的な正しい理解を、国民も政治家も持っていなかった。
その勉強不足を、机上の勉強ばかりして市場ではお金を稼ぐ力の全くない、世間知らず・苦労知らずかつ自分たちの利益・利権しか考えない、
本当にろくでもないとしか言いようがない東大出身の「エリート」が集まった財務省の小役人連中に、見事に付け込まれ、
彼らがでっちあげた狡猾な嘘に、全国民と全政治家が、騙され続けてきたのです。
その最初の発端となったのが、1995年の大蔵大臣(現在の財務大臣)武村正義による財政危機宣言だったと言う話は、過去に何度かしました。
この宣言が1997年の最初の消費増税につながり、そこから日本は国民の消費意欲が著しく低下し、デフレ(総需要不足)に陥り、翌年の98年から自殺者が3万人を突破し、
この25年間で先進国では唯一成長できなかった、アジアの貧乏国と成り果てたのです。(もはやタイより給料が低く、まもなく韓国にも抜かれます)
つまり、財務省こそが日本のガンであり諸悪の根源なのですが、これに国民も政治家も全然気づいてなかったわけです。
最近までは。
実は、ここにきて「財務省こそが諸悪の根源だった」と言う客観的事実に気づき始めた人が、激増していますヽ(´▽`)/
私がこの問題に気づいたのが10数年前で、このメルマガで経済ネタを最初に配信したのが、8〜9年前。
この10数年の間、国民の財政観の認識レベルの推移をずっとウォッチしてきたのでわかるのですが、まず最初の大きな転機はコロナが発生した2020年です。
その1年前の2019年に、ある素晴らしい漫画が出版され(後ほど紹介します)、それをオリラジ中田さんが紹介したあたりから、日本経済のこの惨状の真相を真面目に考えている国民の中の比較的知識レベルの高い層に、知れ渡って行きました。
何が知れ渡ったかと言うと、
「メディアが長年にわたり散々煽って報じてきた『財政破綻論』が、全くのデタラメだったこと」
です。
「国の借金で日本は破綻する」
などと言うのは完全な嘘だった。これに気づいた人が一気に増えました。(まだ気づいてない人も山ほどいますが)
これが2019年あたりから徐々に知れ渡り、2020年のコロナ禍以降は、凄まじいスピードで広がっていきました。
この真実が暴かれる素晴らしい状況が続いていた2020年から2021年にかけて、私が個人的にずっと悩ましかったのが、
「『財政破綻論の嘘』には気づいたのに、『財務省こそが諸悪の根源である』と気づいている国民がほとんどいない」
と言う状況が、ずーっと続いていた事でした。
「財政破綻論の嘘」はある時から一気に広まりましたが、「財務省こそ日本のガン」である事実は、全くと言っていいほど知られていなかったのです。これが本当に私は歯痒かったです。ネットを見ていても
「財政破綻しないのなら、なんで政府は国民にお金を出さないんですか?」
みたいな意見が山ほど出ていたのが、この時期(2020年から2021年あたり)です。
上の問題の答えは、過去何度も言ってきた通り、財務省は「税収」を扱える予算を管理・配分できる権限があり、それが彼らの権力構造と利権(何もしないでも年収数千万円と数千万円の退職金が転がり込んでくる天下り先など)につながっているため、増税をすることが、大昔から組織の目的と化しているからです。
国民にいくらお金を出しても財政破綻しない事実が発覚してしまうと、
「だったら、財務省はもっと省庁や国民にお金を出せ!何をもったいぶってんだ!ふざけんな!」
という話になっていき、彼らの権力が相対的に弱まっていくからです。彼らはそんな事は30年以上前から十二分に理解しているわけです。
よって財務省としては、他の省庁にも国民にも、そう簡単にはお金を出すことができないと「出し渋り」をすること、
またそうせざるを得ないと思い込ませること(つまり、日本の財政状況は厳しい状況にあり、増税するしかないと思い込ませること)こそ、
もっと言えば、国民を生かさず殺さず、ある意味飼い殺しにすることこそが、
国民や、各省庁や、(国税の査察を恐れる)政治家や、(財政研究会と言う財務省の記者クラブからの情報が自分の会社だけ停止されることを恐る)マスコミらに対して、
自分たちが相対的に圧倒的に強い立場になることに直結し、その結果、
財務官僚たちにとっては「最も得するおいしい状況」が出来上がるからです。
この財務省問題の事実が知れ渡るまでには、(その構造が複雑で非常に表に出にくいため)相当な時間がかかりそうだと、私は思っていたのです。
それが広まるまでに、どんなに早くても3年はかかるだろうと思っていました。10年たっても全然広まらない可能性も十分あると思っていました。
ところが、私の予想をはるかに上回るスピードで、この1年程度で、一気に
「財務省こそが諸悪の根源である(ようだ)」
という認識が広まっていったのです。
(といっても国民のトップ1〜3%程度の知識層にだけですし、上に書いたような詳細な構造までは理解していない人がほとんどです。しかしこの国民の知識層が「財務省に最大の問題があるようだ」と理解することで、一気にその事実が一般的に広がる可能性が高まります。)
正直、まだまだ全然この事実は一般レベルには広まってはいませんが、少なくとも、「財務省が諸悪の根源だった」ことに気づき始めた一般人は、間違いなく1年前2年前とは比較にならないほど激増しています。
ところが、です。
最近、「財政破綻論の嘘」にも「財務省の問題」にも気づいた国民が激増しているのに、
これに気づいた問題意識の高い国民にも、まだ全然
「ある事実」
が広まっていないことに気づきました。
それが何か説明しようと思ったのですが、長くなりすぎてしまうので、続きは次回(or水曜日)に。
To Be Continued
P.S.
ちなみに、上記の2019年に財政破綻論の嘘を一気に広めた漫画というのが、こちら。女子高生が財務官僚と戦う物語です。
もう何回も紹介してますが、最近は紹介してなかったので、改めて。
京都大学藤井聡教授が監修をしているので内容は確かです。最近は映画にもなりました。
この問題の全体像を学んでおきたいと言う方は、この漫画は面白いストーリーで学べるのでお勧めです。(特に初心者の方)