- 2023-3-12
- 経済の話
こんにちは、中西です。
少子化の問題が騒がれて久しいですが、2022年の出生数は、初の80万人を割る事態にまで陥っていることが分かりました。
1947年から2022年までの75年間の出生数の推移のグラフを見てみると、いかに異常な事態になっているかよくわかります。
▼2022年の出生数、初の80万人割れ 想定より10年早く…「賃金が低いから無理」
https://www.tokyo-np.co.jp/article/233787
グラフを見ると、1947年から49年が第1次ベビーブーム。
その後、15年ぐらいは出生数は低下していくのですが、第1次ベビーブームの子供たちが結婚し始める25年後くらいから、第2次ベビーブームになっています。
1971年から74年が第2次ベビーブームですが、グラフを見ると、その10年近く前から出生数が右肩上がりで増えているのがわかります。
それがピークを迎えるのが71年から74年。
この流れであれば、当然ながら、同じく第2次ベビーブームの25年後ぐらいから、第3次ベビーブームが来る…はずでした。
年代で言うと、1995年前後から2000年前後にかけての時期になるはずだったのです。
ところが第3次ベビーブームは全く起こらず、出生数は恐るべきことに「1974年からひたすら右肩下がり」で現在に至っています(゚o゚;;
そうなった原因は、若者が結婚に興味を無くしたからでもなければ、独身で自由を謳歌したい若者が増えたからでもなければ、
どこかの大金持ち出身の国賊ボンボン政治家が言うような「少子化の最大の要因は晩婚化」でもなければ、
女性が子供を生まなくなったからでもなければ、女性の社会進出でもなければ、
日本は少子化になる運命だったからでもありません。
政府による完全に間違った構造改革と緊縮財政により
「若者の賃金が低いために結婚できない人が増えたから」
これがファクトです。無数のデータと調査結果がそれを完璧に証明しています。
上記の記事のタイトルにもある通り、「賃金が低いから無理」となっているのです。私はドンピシャの世代なので、実感としても非常によくわかります。
ようやく、その事実がはっきりと認知されてきました。
結婚した後に子供を産む割合は、基本的に昔から変わっていません。減り始めたのは2016年頃からで、それは結婚した人達ですら経済的な理由で子供を理想の人数より産めなくなったからです。
つまり根本にある最大の問題は「賃金(収入)低下」であることは同じで、そのせいで結婚できない人が大勢いることは変わらず、2016年以降は、さらにそれが深刻化している。
よって「そもそも結婚できないこと=非婚化」が少子化の最大の原因なので、それを解決する必要があると言うことです。
であれば、真の少子化対策は、若者の雇用を安定させ、収入を上げること以外にありません。
若者の収入が増えて雇用が安定すれば、必ず婚姻率は増えて、結婚後に2人目以上を考える人も確実に増えて行きます。
ところが、政府がやっているのは、最大の問題である雇用の不安定化・収入低下を解決しようとせず、少子化対策は子供を産んだ後の「子育て」「教育」に対する支援ばかり。
まさに問題の本質からズレまくった的外れな対策をしていると言う意味で、「異次元の少子化対策」と言えます。
この期に及んで政府が「少子化の原因」を理解していないと言うのは、本当に国家として狂いまくってると思います。
厳密に言うと、内閣府が出している少子化白書などには原因を理解している記述があるので、政府と言うより「与党の政治家」が、この問題に本気で取り組む気が全くないと言うことでしょう。
▼子ども政策の財源、国債も十分あり得る=世耕・自民参院幹事長(ロイター)
https://news.yahoo.co.jp/articles/d66876a4d4ea01c4639517032bd9933017321e65
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[東京 12日 ロイター]
自民党の世耕弘成参院幹事長はBSテレ東の番組で、岸田文雄政権が掲げる「異次元の少子化対策」の財源として
「国債でカバーする考え方も十分あり得ると思う」
と述べた。子育てや子どもの教育を公的に支援していくことが「きわめて重要だ」と話した。(中略)
世耕氏は財源論について
「国債でやっていくのか、税で対応するのか、介護保険のような保険制度でやっていくのか別途議論していかなければならない」
と指摘。財源は複数の選択肢の組み合わせになることも考えられるとする一方で「国債発行もありうべしだと思う」と述べた。
「(子どもたちは)20年後、25年後には立派な(社会の)担い手となり、納税者となってくれる」と語った。
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…参議院の幹事長である世耕氏の発言を見ると、
「少子化の原因に対する認識」
「財政に対する認識」
の両方が、根本からズレまくっているのがよくわかります。
何度もお伝えしてきたように、税金を財源にする意味は全くありませんので、財源と言うなら、
「国債発行のみ」
で全て賄(まかな)えます。世耕氏が言うような、「税金」や「保険」を財源にする必要など全くありません。
それで何一つ、絶対に、問題など起こらないからです。
世耕氏は「参議院の幹事長」なのに、まだこんな簡単な理屈に気づかないと言うのは、勉強不足も甚だしく、本当にいい加減にしてもらいたいものです。
ありとあらゆる角度から、日本の場合は国債発行で問題など絶対に起こらない事は完璧に立証されています。
(「問題らしきもの」を無理矢理あげるとしても、「インフレ」位です。
ただし、現在の輸入物価が高騰しているコストプッシュ型のインフレ=悪性インフレと、
国債発行による好景気≒デフレからの脱却に伴う、国民の需要が牽引する形のデマンドプル型のインフレ=良性インフレは、全く別物です。
国債発行を何年も、大規模に、しまくって、しまくって、しまくった後に、好景気によって起こる良性のインフレは、
みんなが給料が増えてお金を使うようになった結果、企業の供給が追いつかずに物価が上がるだけですので、そんなものは何も恐れる必要は無いのです。
国民は消費者であると同時に、企業などで生産者(モノやサービスを売る側)としても働いています。
つまり、国全体として企業が儲かるなら、それは生産者でも消費者でもある国民の懐が潤っていくことを意味します。
その景気のいい状況で発生する「インフレ」を、なぜか極度に恐れて国債発行をしようとしないのが、愚かすぎる財政破綻論者の政治家・経済学者らなのです。
国債発行後の好景気の中で起こるインフレなんかより、この25年続いている貧困化につながるデフレの方が、よほど100億倍くらい深刻です。
※インフレが酷くなったきたら、そこで初めて、それこそ消費税などの増税や金利をあげればいいだけ。ただしその時はすでに国民の多くが超好景気で豊かになっているので、その時点ではインフレなど大した問題ではない)
世耕氏は最後に
「(子どもたちは)20年後、25年後には立派な(社会の)担い手となり、納税者となってくれる」
と言っていますが、子供たちの未来にまで税負担を強いる気満々のようです。
このままでは子供たちも、さらなる貧困化した国内状況で重い税負担を抱えて、より地獄のような毎日を送ることになります。
「税金は財源ではない」
という客観的事実を理解できない政治家が権力を握ると、将来の子供たちにまで税負担が重くのしかかるのがよくわかります。
世耕氏のその愚かな考え方そのものが、「将来世代へのツケ」なのです。
(今調べてみたら世耕氏は私の早稲田の先輩でした。。(・・;) 早稲田を代表し、こんな政治家を世に輩出したことを心より謝罪します。サーセン、ごめりんこ、ごめんちゃいm(_ _)m
あ、岸田総理も早稲田でした…もはや謝罪してもしきれない。゚(゚´Д`゚)゚。)
岸田総理は国債発行を「国の借金」と思い込み、それを
「将来世代へのツケ」
などとよく言っていますが、国債をどれだけ発行しても
「返済する必要がない」
のですから、「ツケ」になどなろうはずがありません。
国債の償還(返済) は、無限に「借り換え」が可能ですから、実質的に返済をしていません。
(だからこそ彼らの言う「借金」とやらが1000兆円を超えるほどの額になっているわけです。「借り換え」で返さなくて良いし、実際返してないのですから金額が累積されて当たり前)
日銀がその国債を買い取っても、物理的に絶対に何1つ問題が起こらないことが証明されていて(政府の子会社である日銀に対する政府の債務が問題ないのと、そもそも日銀の会計は「償却原価法」と言う方式を採用しているため、いわゆる破綻のような債務超過は起こり得ない)、
著しい供給能力がある日本で年率13000%の物価上昇率であるハイパーインフレも、絶対に起こらない(戦後の焼け野原の時ですら年率500%。当時の何万倍も企業が商品・サービスを提供する供給能力がある現在に、当時の20倍を超えるインフレが起こることなど絶対にありえない)ことを理解していれば、
今の日本においては、
【 国債を大量に発行(&財政出動) して、瀕死の状態の日本経済にお金を流すこと 】
以外に、政治家の「緊急かつ最重要な仕事」などありません。
このまま現実を無視した経済学の理論と、
現実の財政を理解できない政治家と、
財政の現実を全く何も理解できず、財務省の嘘レクチャーをそのまま報道する不勉強なマスコミと、
逆に全てを理解した上で、自分たちの省益と利権のために国民・政治家たちを騙している狡猾な財務官僚らに、
「財政認識の間違い」
というくだらないことが原因で、今を生きる我々と、子供たちの未来の生活・人生・命までを奪われたくないなら、
「正しい財政観」
を国民が認識する以外に方法は無いと思います。
※基本から勉強されたい方は、MMT(現代貨幣理論)の本や、漫画なら「消費増税反対botちゃん」という漫画家さんの女子高生が主人公の漫画シリーズ(初心者にはわかりやすいです)、
京都大学藤井聡教授の本やYouTube、中野剛志さんの初心者向けの書籍(奇跡のシリーズ)や原作の漫画、西田昌司議員のYouTube(2つあります)などを確認して、
ご自身に合うものから触れてみてください。
それではまた。