- 2022-11-16
- 経済の話
こんにちは、中西です。
今回は日曜日の続き。
日曜日のメルマガで、国民の1%から3%程度の知識層に、以下の2つの事実が広まりつつあるという話をしました。
1,財政破綻論は大嘘だった
2,財務省が日本衰退の諸悪の根源だった
1については2019年あたりから広がり始め、2020年のコロナ禍以降はそのスピードが一気に加速し、今や
「国の借金で財政が破綻する」
なんていう話を信じている人は国民の知識層にはほとんどいません。(逆に政治家や学者やマスコミの経済記者や言論人にはまだ多数いますが、勉強不足か嘘をついているかのいずれかで100%確定です)
2の「 財務省こそが日本のガンであり、日本が衰退した真犯人である」という客観的事実についても、この 1年半ぐらいでものすごく認知率が上がってきました。
たとえ 国民の1%程度でしかなかったとしても、この2つの事実が急速に広まっているのは明らかで、
これまで10年以上全くこの事実が広まらなくて憤慨していた身からしますと、本当に奇跡に近いです。
ここまではとても素晴らしい状況だと思っています。まだ認知率が全然足りませんが、それでも国民の1%程度が理解し始めたら、その後のスピードは早いので。
しかし、 上記の2つの事実はすごい勢いで広まっているのに、 ある意味でこの2つ以上に重要な
「もう1つの事実」
が、全然広まっていないのです。
もうそれは驚くほど全然広まっていません。たぶん国民の認知率は0.1%以下だと思います。本当に全然広まっていない「超重要な事実」があるのです。
その全国民が一刻も早く理解すべき「3つめの事実」とは何かと言いますと、
【 3.税金は財源ではない 】
ということです。 この事実が、本当にまるで広がっていないのです。
SNS やネットニュースの意見などを見ていても、非常に多くの人が 以下のような話ばかりしています。
「そんなところにお金を使うなら、まずは政治家が給料を削って、その分を政策に回すべきだ」
「〇〇〇の政策に使う支出を削って、その分のお金を△△の支援に使えばいいじゃないか」
「そういう政策も大事だけど、今は国の財源が厳しいから難しい」
・・・こんな意見だらけなのです。 こういう意見を言っている人達の脳内はどうなっているかと言うと、
「政府が国民から税金を徴収して、その税金によって政策が実行される」
「使える税金は限られているから、何かの政策に使う税金を増やせば、別の政策に使う税金を削らなければならない」
・・・もう間違いなく、このように思い込んでいるわけです。
少し詳しい人で、「国債を発行すればいい」ことを理解している人でも、
「国債を発行しすぎると赤字になるから、国の財政が危うくなる」
「国債をいくらでも発行できるわけではないから、増税せざるを得ないのは分かるのだが、国民が苦しんでいる今の時期に増税はないでしょう」
などと言っている人が大半で、
【 「国債の発行」や「財源」に対する正しい理解が全く広まっていない 】
のがよくわかるのです。
と言っても、このメルマガで過去何度も説明してはいますが、 最近登録した人や説明している回を読んでなかった人もいると思いますので、一応ポイントを説明しますと、
まず日本は財政破綻しないわけですよね。
理由は、「国の借金」とメディアが報道してきたものは、正確には「政府の債務残高」であり、これは単に
「政府が国民のために、過去それだけお金を使ってきましたよ」
という、お金の発行履歴にすぎないものなのだからです。
たとえば、毎日お昼ご飯に500円使っている人は、年間(365日)だと18万円以上、お昼ご飯に使っていることになります。
これが50年だと1000万円近くになります。だからといって、おじいちゃんが
「ワシは過去50年で1000万円近くもランチにお金を使ってきた!とんでもない金額だ!このままだと大変なことになる!」
なんて言わないはずです。1回500円のランチでも長期的に累計すれば、当然それぐらいの金額になるのですから。
これで大騒ぎしてるのが、今の日本なのです。
「国の借金が1000兆円になった!」
と言うのは、過去に政府が国民にお金を使った累計の金額にすぎず、しかも返済する必要が一切ないものです。そんなものに大騒ぎしていると。
別に日本に限らずどこの国でもそうで、どこの国でも国民からの税収だけでは賄えませんから、国債というものを発行してお金を作り出し、そのお金で政策を実行して国家を運営しているわけです。
そして日本を含め先進国の多くは、自国通貨建て(つまり円)の国債を発行していて変動相場制でもあるので、 政府自らが(中央銀行を子会社として)お金を作り出せるため、国債を「政府の借金」だと解釈しても、その返済日にまた新たに同じ額の国債を発行して返済すればいいだけなのです。
これを「借り換え」「借換債」と言いますが、世界中どこの国でもやってる普通のオペレーションです。
政府が自分で作り出した借金で潰れるなどと言う馬鹿げたことは起こりえないのです。自分でお金を作り出せる通貨発行権があるわけですから。
ギリシャやアルゼンチンが破綻したのは、外国からお金を借りてきていたからで、日本の「借金」は自分で作り出したものですから、そんなもので破綻しようがないわけです。
(そもそも政府の子会社の日銀が国債を買取れますのでチャラになりますし、それによって日銀が債務超過で信用が落ちるといったこともありえないのは、日銀の会計制度上も明らかであり、そのことは日銀の黒田総裁自身も認めています。もっと言えば、日本が破綻しないのは財務省自身も公式ホームページで認めています)
上記の話は一例ですが、要するに日本は「国債を発行しすぎて破綻する」ことは物理的にありえないのです。
そしてそうであるなら、 大半の国民が苦しめ続けられている「財源」というものは、税金である必要が全くなく、
【 財源は「国債の発行だけ」で全て賄える 】
わけです。もうね、難しく考えないで、 小学生に戻ったつもりになって、ごくごく普通に考えてみてください。小学生なら普通にこう思うはずです。
「政府は自分でお金を作り出せるのに、なんで政府は国民から税金をたくさん搾り取って、国民が苦しんでいるの?政府って国民のためにあるんだよね?」
と。 その小学生レベルの素朴な疑問こそが、財政の真実だということです。
それをそんなうまい話がないかのように(税収が自らの利権と権力構造につながっている財務官僚によって作られた「財政破綻論」などのプロパガンダによって)思い込まされてきたせいで、
1ミリもやる必要がない増税に次ぐ増税が25年間も実行され続け、
国民が貧困化して疲弊し、消費をしなくなり、経済が衰退していってデフレ(総需要不足)となり、
さらにその状況でも政府が国民にお金を出す財政出動を延々と全くやらなかったせいで、この国は先進国で唯一の衰退国家にまで落ちぶれてしまったのです。
で、 こういう話をすると少し機転の利く人だと
「それでうまくいくなら無税国家ができるじゃないかwwww」
みたいなことを言うのですが(典型例はひろゆきさん)、 税金は財源にする必要がないだけで、税金自体は必要なのです。
ただしそれは税金を最低レベルでいいので徴収しないと、通貨としての最低限の信用が担保できなかったり、景気が加熱した時に物の値段(インフレ率)が上がりすぎるのを抑えるために税金が必要になるため、
【「無税国家」 にはできないが、「財源として国民から税金を取る」必要は1ミクロンもない 】
ということです。この
【 3.税金は財源ではない 】
という客観的事実までが1%の知識層に広まって、 ようやく「コンプリート」だと私は考えています。つまり、まとめると
1,財政破綻論は大嘘だった
2,財務省が日本衰退の諸悪の根源だった
3,税金は財源ではない
…以上の3つが知識レベルの高い上位1%の国民に認知されて初めて、ようやく、 日本経済が復活する「きざしのきざし」ぐらいが見えてくる感じです。
1つ目と2つ目の事実は、ある時点から一気に認知が広まりました。しかし、3つ目は
「直感に反する事実」
なので(むしろ「国の借金が増えて大変」の方が直感的には正しそうですから)、
この「税金は財源ではない」という直感に反する客観的事実を理解するには、そこそこの勉強なりリサーチが必要になります。
なので完全コンプリートになる3つ目の「最後のワンピース」が認知されるスピードは、最初の2つより、かなり遅くなるのではないかと危惧しています。
しかしこの3つ目の事実が国民に広まらない限り、この国は本当に終わりなんですよ。広がるスピードが遅くても終わりですが。
というわけで、日本をこれほどまでに衰退させたのは、
1,財政破綻論は大嘘だった
2,財務省が日本衰退の諸悪の根源だった
3,税金は財源ではない
という客観的事実が隠され続けてきたからなので、
本メルマガをご覧の皆様には、まずはこのことを改めて頭に入れておいてほしいと思いますし、
拡散できる力のある方は、この事実をどんどん拡散して行って下さいませ<(_ _)>
それではまた。