- 2022-6-5
- 経済の話
こんにちは、中西です。
今回は久々に、日曜日の経済ネタの雑談を。
100日以上続くロシアのウクライナ侵攻× 6月の骨太の方針× 6月の参議院選挙と、今月はいろいろ重なっているからか、
「防衛費の問題」
がかつてないほど話題になっています。
▼【骨太の方針】安倍元総理と政府の暗闘・・・防衛費増額「GDP比2%」「5年以内に」表現めぐり攻防
防衛費をGDP比で2%まで上げる議論が活発化しているのですが、その裏で安倍元総理と財務省の攻防が続いています。
安倍元総理は防衛費をGDP比2%にするように必死で動いています。(ウクライナ侵攻で防衛費に対する国民の注目が高まっているからでしょうけど)
この国を「プライマリーバランス黒字化目標」と「2回の消費増税」でボロボロにした張本人が、今さら何を言っているのかと言うツッコミはさておき、防衛費をGDP比2%に押し上げるべきだと主張している部分だけ切り取れば評価できると思います。
言うまでもなく日本は中国・ロシア・北朝鮮と言ういつ攻めてきてもおかしくない独裁3国の脅威を抱えていますから。
しかも安倍元総理は最近財務省を直接的に批判するまでになっていて、それをなんで総理時代にやらず、総理を辞めてから突然財務省に反旗を翻すのかと思いますが(歴代最長政権として歴史に名前を残したから怖いものがなくなったのだろう、と勝手に思ってます)、
とりあえず、元総理という影響力のある政治家が、財務省に喧嘩を売り出したのは良いことです。
そんな中、サンデーモーニングと言う番組でジャーナリストの青木理氏の防衛費増額に関する否定的な発言を、ちょっと揶揄してると思われる記事がありました。
▼「サンモニ」青木理氏、防衛費増額「やっていいとは思わない」直後に北朝鮮の飛翔体
青木氏が防衛費増額に対する否定的な発言をした直後に、北朝鮮のミサイルが飛んできて番組内で速報が流れたので、その皮肉な状況を記事にしたものと思われます。
確かに滑稽な状況ですが、青木氏の発言の問題は実はもっと根深いものなのです。多分国民の99%は気づいていません。彼は防衛費を否定する際にこのような趣旨のことを言っています。
「防衛費に予算を使う分を、教育や子育てに使って、そちらのサポートを厚くするべき」
このメルマガの以前からの読者さんであれば、この一見もっともそうな発言が、どれほど深刻な問題をはらんでいるかわかると思います。しかしほとんどの国民は、その間違いがわからないわけです。
そしてそれこそが、この国が貧困化した真相になります。
詳しく話すと長いので理由のポイントだけ言いますと、
▼青木氏の発言は「国家の予算は限られている」と言う前提に基づくもの
▼予算は限られていると思い込んでいるから、「防衛費に使う分のお金を、教育や子育てに使ったほうがいい」と考えてしまう
▼「どこかにお金を使ったら、別の部分のお金を削減しなければならない」と言う考え方は、「国の予算は限られた税金で賄うしかない」と言う発想が前提にある。
この考え方が「プライマリーバランス(政府の収支)を黒字化しなければならない」と言う考えにつながる。
▼プライマリーバランスを黒字化しようとすると、必ず何かの予算を削減するか、増税をするしかなくなる(実際、「防衛税」という狂った税金を取る議論が始まっています)
▼しかし正解は真逆で、
「防衛費を増額し、子育てや教育費も増額すれば良い」
だけ。その予算は国債を発行すればいいだけ。それで何も問題は発生せず、税金を徴収する必要など本来1ミリも存在しない。
大事なことなのでもう一度言いますと、
【 予算を「税金」でまかなう必要など1ミクロンも存在しない 】
のです。
これは財政と言うものを徹底的に調べていけば、最終的に誰もが必ず行き着く客観的事実です。
日本のような変動為替相場制かつ独自通貨国の国が、自国通貨(円)建ての国債で債務不履行(財政破綻)に陥ることは、物理的に絶対に不可能なのです。
では、なぜその事実が広まらないかと言うと、税金を増やすことで自分たちが扱えるお金の量が増え、権限(省益・利権含む)が高まる、自己利益に狡猾なだけの財務省の小役人たちが、
上記の真実を全て理解していながら(証拠多数)、半永久的に増税をし続けられるように、30年近くも国民を騙し続けている、と言うことです。
政治家も不勉強だから財務省からのレクチャーをそのまま真に受け、マスコミも記者クラブからの情報ソースが食い扶持であり、さらに財務省から国税査察権を行使されるのを恐れ、真実を国民に伝えない構造が完全に出来上がっている。
(例のガーシーさんの話を聞いてみても、マスコミと芸能界と政治の世界が、どれだけズブズブかよくわかるかと。ガーシーさんのとんでもない証拠付きの暴露話をテレビは業界人全員が見ているにもかかわらず完全スルー。
余談ですが、松本人志がワイドナショーの出演を4月から隔週にしたのは、3月から大きく話題になっていたこれだけの芸能人の犯罪行為を含む暴露話を、一切取り上げない方針を貫くことにした番組と局の姿勢に、彼なりに強く抗議したためだろうと思っています。
当然彼は局やスタッフの立場も理解できる人なので、その部分で衝突があったことも公には絶対しないでしょうが、自分のポリシーとの妥協案として、「隔週出演」という落とし所にしたのだろうと。タイミング的にもあんな不自然なことをする理由が他に考えられないので。これは私の単なる推測ですが。)
話を戻すと、こうしてマスコミ・政治家・財務官僚のそれぞれの損得勘定により「財政の真実」が伝えられないまま、
日本国民は30年間「財政破綻論」に騙され続けました。
これが日本衰退のすべての真相。
つまりジャーナリスト青木氏は、一般の国民と全く同じように、財務省にだけ都合の良いPB思想に見事に洗脳されているわけです。
その放送を見た国民もまた、自分でも気づかぬうちに「予算は限られている」「増税も仕方がないか」と思い込まされ、PB思想に洗脳される。
もういい加減に、財務省の
「プライマリーバランスの黒字化が大切だ」
などという、100%完全に間違った、国民を貧困化させるだけの狂った洗脳の呪縛から、国民は目を覚ますべき時だと思います。国内の経済状況は、もう限界まで来ていますから。
政府は国民を豊かにするために存在するはずなのに、政府を黒字にするために国民が赤字(貧困)になって苦しませてどうするんですか、と。
政府は国民が安全な人生を送れるように存在するはずなのに、政府のバランスシート(収支)を黒字にするために国民の安全な暮らしが脅かされるとか、究極の本末転倒も甚だしいじゃないか、と。
以上は概要の話なので、ここまで説明してまだピンとこない方は、京都大学藤井聡教授の「プライマリーバランス亡国論」あたりをまずは読んでみるといいかもしれません。
この本は何度も紹介していますが、この国が30年間も給料が上がらず、国民全員が貧困化した理由がわかる本です。
▼「プライマリーバランス亡国論~日本を滅ぼす国の借金を巡る嘘~」
この本の「令和版」が6月17日に出るようです。(今知りました)
▼<令和版>プライマリー・バランス亡国論 PB規律「凍結」で、日本復活!
ただ経済用語とか苦手な感じの人は、上記の本は難しく感じる可能性があるので、以下の漫画のほうがいいと思います。
なお↑の漫画が、今月実写版の映画になって映画館で上映されます。
日本中に広まるべき映画だと思うので、興味のある人はぜひ見に行ってみてください。有名な芸能人も多数キャストで出演しています。
それではまた。