- 2021-6-15
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こんにちは、中西です。
先日は、オンライン授業によって日本中の大学生のメンタルが危険な状況になっていると言う話をしました。
読者の学生の皆さんから届いた「大学生(高校生)の現状」も多数ご紹介しましたが、
地域も学年も専門分野もバラバラの大学生たちが、共通してオンライン授業と緊急事態宣言による外出自粛によって、友人らとの交流が長期間できずにいて、
孤独でメンタルを病んでしまっていたり、その予備軍になっている大学生も含めると相当な数になっていました。
わざわざ私の呼びかけに応答してくれた大学生とその周囲の友人の数だけでも相当な数になるので、
推定ですが全国的にはとんでもない数の大学生がメンタルを病んでいる可能性が高いです。
この若者の教育機会・成長機会の喪失がいかに未来に大きな禍根を残すかと言うのは、京都大学の藤井聡教授も京大の学生たちの現状のヤバさをもとにラジオで強く訴えておられましたが、
全国中の大学生・若者たちの多くがそういう状況になっているのはほぼ間違いないかと思われます。
そこで今回は、この問題の原因と解決策の1つをご紹介したいと思います。
自粛によって人との交流が減っている要因が大きいわけですが、
実は「オンライン授業」と言う形態そのものにも、メンタルを悪くするリスクがはらんでいるのです。
というのも、今受験生の間でも
「オンライン脳疲労症候群」
と言うメンタル疾患を患う人たちが増えていると言うことを、医学博士で受験生の専門医療をされている吉田たかよしさんが報告されていました。
この「オンライン脳疲労症候群」と言うのは、パソコンやスマホの画面でオンラインで学習することで、脳に疲労が蓄積されて生じる症状です。
典型的な症状としては、以下のようなものが挙げられます。
■勉強のことを考えると、暗く沈んだ気分になる
■なんだか頭が重く、全身がズッシリ疲れている
■勉強しないといけないと頭ではわかっているが、ヤル気がまったくわいてこない
■勉強していると、その場から逃げ出したくなる
以上は全て、受験生の間に増加している「オンラインの疲労症候群」の症状である可能性があります。
これを放置していると、学力の向上が図れなくなり、最悪は受験の直前期になって「受験うつ」になる可能性もあるようです。
この受験生の間で増加しているオンラインの疲労症候群は、もともとは社会人のリモートワークを調査している流れで見つかっています。
ノーフォーク州立大学が、社会人のリモートワークをしている人たちに、ウェブ会議をしているときの脳の働きを分析したところ、
人間の脳にかなり不自然な使い方を強いられているせいで、脳に疲労がたまり、
それが心の疲れとなって現れることが判明しました。
コロナの自粛で鬱になる人は増えていますが、ウェブ会議ををすることでも脳に不自然な負担がかかり、メンタルを病むリスクが高まると言うことです。
アメリカでは「ズーム疲れ」と言う言葉も流行しているほど(-。-;
ちなみに脳にとって不自然な使い方とはどういうことかと言うと、
通常人と人がリアルにコミュニケーションをするときは、会話の内容だけでなく、
「表情などの非言語の部分」
も無意識に見ています。
相手の顔を見ながら、その反応を見つつ相手の気持ちを認識して、自分がどういう言葉を発するかを考えたりします。
ところがパソコンの画面越しの相手の顔というのはそれが分かりづらく、
それでも脳は本能的に表情や身振り手振りなどの非言語の情報を読み取ろうとするため、
画面越しの交流は、通常のコミュニケーション以上に脳に負担がかかるようなのです。
また自分自身の表情が目の前の相手に見られていると言う感覚も薄いため、
その通常のコミュニケーションにない画面越しのイレギュラーなコミュニケーションのパターンが、脳を疲労に追い込んでいるのです。
(全員必ずそうなるわけでは無いですが、その疲労が蓄積してしまう人も少なからずいると言う事)
吉田先生によるとこれと同じ問題が受験生の脳内でも発生していて、それが「オンライン脳疲労症候群」となっている模様です。
特に先日からお話ししている「オンライン授業」がその典型で、
基本的に一方通行の授業が多いですし、ズームなどでコミュニケーションを取る場合であっても上記の通り脳にとっては不自然な交流の仕方になるので、
それが長期に及ぶと知らず知らずのうちに脳に疲労が蓄積していくわけです。
そしていつの間にかメンタルの疲労につながり、鬱っぽい状態になってしまう。
この「オンライン脳疲労」を緩和させる簡単な解決方法もあります。
例えば授業を受けているときに、以下のようなジェスチャーを行うことが効果的です。
ポイントはオンライン授業を受けながら、黙ってじっと無表情で見ているのではなく、
【 色々とジェスチャーや表情を交えて、自分自身の動きも増やす 】
と言うことです。
これは予防に役立つのはもちろんですが、体を動かすことで授業の情報が体験的な記憶として脳に刻まれるため、
授業で習った内容の暗記力・記憶力のアップにも役立つメリットもあります。
画面の前でジェスチャーをとるだけですから、簡単にできますし、別にお金もかからないので、ぜひ積極的に試してみてください。
<オンライン授業で行いたいジェスチャー例>
■問題が解けたらガッツポーズをする。
■先生の説明が「なるほどな」と思ったら、手を打つガッテンのポーズをする。
■先生の説明がよかったら、拍手をする。
また、「先生の発言を復唱する」のも、対処として効果的です。
復唱すると口を動かす、呼吸筋を動かすことになるので、脳内の反応がリアルのコミュニケーションに近づくため、症状が緩和されるのです。
上記は一例ですので、上記を参考に、授業をじっとしたままボーっと受けているのではなく、
とにかく自分の体(のリアクション)や表情をよく動かすことがポイントになります。
散歩やジョギング、筋トレなどの運動でメンタルが改善することもわかっていますが、
画面越しのコミュニケーションにおいても体を動かすことがいかに大事かと言う事ですね。
と言うわけで、オンライン授業はまず人との交流を絶たれることが大学生や受験生のメンタルに支障を及ぼしていますが、
その画面越しのコミニケーション自体も脳に悪影響を及ぼしていますので、
できるだけそのマイナスの影響を受けないように、体をいつもよく動かすように注意しておいてほしいと思います。
それではまた。