- 2021-6-14
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こんにちは、中西です。
日本が先進国で唯一30年近くも経済が低迷し、貧困層だらけになってしまっている最大の原因は、「緊縮財政」にあります。
緊縮財政とは、簡単に言うと政府が国民にお金を使おうとしない政策です。
日本中で需要不足が起こっているこのデフレの状況で緊縮財政をすると言うのは、
「ありとあらゆる観点から完璧に間違った政策」
だと言う話を、本メルマガでも何年も前から数々の証拠を挙げてずっとし続けてきました。
この愚かすぎる緊縮財政は、2019年10月の絶対にやってはいけなかった消費増税10%によって、この国に致命的な重傷を負わせ(2019年10月から12月のGDPが年率換算で-7.1%に激減)、
その状況でコロナが襲ってきて、とどめを刺される形で日本経済が戦後最大のデフレギャップ(需要不足)に陥ってしまったわけです。
需要不足と言うのはつまりは「国民が商品やサービスを購入しようとしない=お金を使おうとしない状態」なわけですが、
原因は言うまでもなくコロナによる不況と、政府の外出自粛要請です。
今の状況で「お金をどんどん使おう!」と言う気持ちになれる国民などほとんどいないと言うことです。それがデータでも証明されています。
(業界や企業によっては巣ごもり需要をうまく取り込んでいるところもありますが、全体としては低迷している)
結果、非正規(アルバイト・パート・派遣社員など)の方を中心に失業者が激増し、倒産・閉店・休業件数も激増し、自殺者も激増すると言う事態にまで陥っています。
日本がこれほどボロボロになっているのに、アメリカはすでに経済成長が年率で10%になるほど成長し始めています。
アメリカは日本よりもコロナの被害が大きく、一時期は失業率もかなり上がっていたのですが、ここにきて一気に経済が回復しているわけです。
理由は簡単で、トランプ政権とバイデン政権がともに大規模な財政出動を行ったからです。
数百兆円もの単位で国民にお金を配ったわけですが、非常事態に政府がそうやって国民にお金を配ることで、経済を立て直すことができるわけです。
こんなのは少し考えれば小中学生でも理解できる理屈で、国民がお金がなくて困っているときには、通貨発行権を持つ政府が大量に国債を発行して大規模な財政出動を行うことで、
国民側にお金が回ってきて、経済が成長するのです。乾いたお花に水をやるようなもんです。いつまでも水がもらえなければ花は枯れてしまいます。それと全く同じ。
ところがコロナと言う戦後最大の非常事態が襲ってきた状況ですら、
安倍政権・菅政権は財務省に言われるがまま緊縮財政を実行し、国民に全くと言っていいほどお金を配りませんでした。
これほどの非常事態にもかかわらず、政府が国民にお金を配ったのは昨年の特別定額給付金10万円だけです。
これは人口でかけると12兆円になるわけですが、事業者への支援を除くとまともに国民にお金を配ったのはたったこれだけなのです。
貧困層支援も一応形だけやってる体(てい)を繕っていますが、実態としては全く国民は救われていません。
繰り返しますがアメリカを始め他の国では数百兆円も財政出動しているにもかかわらず、日本だけが数十兆円単位の支援しかしていないのです。
当然の結果として、日本だけが情けないことに経済を復活させられないでいる状況です。コロナ発生源の中国ですら経済成長しているのに。
つまりは財務省主導の緊縮財政を過去30年近く+コロナ禍においてさえ続けてしまったせいで、国民がこれほどまで困窮してると言うことです。
したがってこのメルマガで去年から数え切れないほど解説してきたように、とにかく政府が緊縮財政を止め、
国民にお金を回す積極財政に切り替えないといけない状況なのです。
コロナ以前にデフレなのでそれが必須なのですが、ましてコロナで日本経済が激しく低迷しているわけですから、もはや選択肢は政府の大規模な財政出動以外にはありません。
ところがマスコミの経済記者や有名大学の経済学者までもが恐ろしいほど馬鹿すぎるのと、
テレビに出ている経済評論家・エコノミスト・有識者(池上彰など) ・専門外の学者や有名経営者・インフルエンサーたちが全員見事に無知すぎて、
財務省が自分たちの権力を維持するためのプロパガンダ、
「大規模な財政出動すると財政赤字が増え、国の借金が増えて、財政破綻するリスクやハイパーインフレになるリスクが高まる。」
などと言う100%絶対にありえないを大嘘を信じ込んだせいで
(あるいは財政のことを全く理解していない池上彰のような「有識者」のテレビ番組や、慶応大学教授の土居丈朗・小林慶一郎、東京大学名誉教授吉川洋らのように、
「日本の財政赤字には何の問題もない」ことを完璧に理解していながら、財務省と結託して自分の学者としての地位を維持するために国民に嘘をついている人間の屑としか言いようがない学者連中が、メディアで意図的に嘘情報を流してきたせいで)
国民の多くがそれを信じ込んでしまい、今に至るまで緊縮財政が続いている状況なのです。
結果、消費税の増税というデフレ下で絶対やってはいけない愚かすぎる政策を実行してしまいましたし、
財政赤字になったから東日本大震災の後の復興増税のように、「コロナ増税」が必要だ、みたいな話が出てくるのです。
(復興増税も完璧に間違った政策。国債発行でお金を作ればいいだけなので、増税など1ミクロンもする必要がない)
そしてその愚かすぎる緊縮財政のせいで、自殺した人数は京都大学の調査で最低でも14万人から30万人近くに上ることが判明しています。
ところが、この愚かすぎる緊縮財政が、ここにきてついに「全く別の角度」から変わる可能性が出てきました。
「今の日本のボロボロの経済状況の中では、大規模な財政出動こそが絶対的に正しい」
と言うサルでもわかる当たり前のことを、ようやく組織として主張するところが出てきたのです。その組織というのが、
「経済産業省」
です。
▼新たな産業政策、大規模財政支出の必要性も 半導体など念頭=産構審 | ロイター
上記記事から該当する箇所を引用しますと(【 】は中西が追加)
『経済産業相の諮問機関である産業構造審議会は4日、中長期的な産業政策の在り方を議論した。
デジタル・グリーン(環境技術)などの成長分野で米国や中国が政府主導の大規模支援策を打ち出しているのを背景に、低金利・低インフレ環境を活用し、
【 大規模で計画的な財政出動を伴う産業政策の必要性 】
などが指摘された。半導体など競争力維持に巨額投資が不可欠なジャンルの支援が念頭にある。
(中略)
多田官房長は「財政出動がこれまでともすると小規模・単発的で、効果が中途半端であったのも否定できない」と総括した。
【 コロナ禍での需要急減は、日本経済の低成長を恒久化しかねないとの懸念から、財政政策で需要不足を解消する重要性も指摘 】された。
多田官房長は、適切な財政出動を通じて緩やかな物価上昇を実現するとの米国の一部経済学者の議論を引用し、「米国よりも低金利の日本でも当てはまる」とした。』
…経済産業省は、こんな話を国民がこれほどまでに困窮して、死者まで数え切れないほど出ている今頃になって、
よーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーやく、気づいたような頭の悪い官僚だらけのようですが、
本当の意味で「死ぬほど」遅かったとはいえ、これまで30年近くもその重要性を理解できなかったことを考えれば、大きな転換だといえます。
ちなみに経産省が今回の件で出した資料がこちら。
▼経済産業政策の新機軸 ~新たな産業政策への挑戦~
令和3年6月 経済産業省
この資料から一部抜粋しますと、
『中国のみならず、欧米においても、
【国民の生活と安全を確保すべく、大規模な財政支出】を伴う強力な産業政策を展開。
特に、かつては「産業政策」を強く批判していた米国も、大きく転換。アカデミアにおいても、新たな産業政策論が急速に台頭』
…とあり、財政出動がこれまで構造改革アプローチで
「小規模・単発・短期」
だったわけですが(まさに財務省が国民にお金をできるだけ配りたくないパターン。特別定額給付金の10万円も、毎月配れば良いものをたった1回きりだったので、この「単発」「短期」に当てはまります)、
経済産業省の「新機軸」としてなんと
「大規模・長期・計画的」
にするべきと書いているのです。
(この「大規模・長期・計画的」と言うのはまさに昭和の高度成長期に政府が行っていた政策そのものの発想で、この考え方を財務省が30年近くもつぶしていたから日本は貧困化したわけです)
なぜ経済産業省がここにきて突然大規模な財政出動の重要性に目覚めたかと言うと、上記の通り日本の安全保障に関わる半導体を守らなければならないと言う切迫した状況もあったようですが、
何より大きかったのは中国・欧州・アメリカがコロナ禍において大規模な財政出動で経済回復している状況を目の当たりにし、
それを見て、よーー×100ーーやく気づいたと言うことでしょう。(上記の引用部分にもそう書いてありますし)
実に情けないことだと思いますが、日本の経済産業省は中国や欧米が大規模な財政出動をして経済を一気に回復させた状況を目にして、
やっと何が真実かに気付いたようです。
勉強ばかりしまくって官僚になったはずの人間たちが、商売の大変さも、お金を稼ぐ大変さも、貧困の大変さも、全く体験することがなかったせいで、
国民から吸いあげた税金で「給料が空から降ってくる世界観」で生きてしまい、
国民の苦しみや痛みが全く理解できず、国民の苦しみが「他人ごと」のようになってしまい、国民を救わなければならない切実さも心に芽生えず、
「国民にお金を回す重要性」もまるで理解できなかったということでしょう。
官僚というのが、どれほどまでに現実離れした馬鹿かというのが非常によくわかりますが、
国民の苦労を全く理解できない死ぬほどの馬鹿だったとしても、とにかくよーーーーーーやく気づいたのなら、経済産業省は財務省の緊縮路線と命がけで戦っていただきたいと思います。
と言うわけで、本当に死ぬほど(実際国民が大勢死ぬほど)遅かったですが、経済産業省はようやく
「大規模な財政出動の重要性」
に気づくことができました。
とにもかくにも経済産業省と言う組織がそれに気づいて、組織の新方針として
【「大規模・長期・計画的」な財政出動が国民を救う 】
と言うことに今頃ようやく気づいたのであれば、
今後は何が何でも自分たちの権力を維持するために緊縮路線を変えようとしない財務省と、全面対決していくことになる可能性が高いです。
財務省は経済産業省の官僚とは違い、馬鹿ではなく明らかに「財政出動で民間が黒字になり国民が救われる事実」も「財政赤字は何の問題もない」ことも理解していながら(財務省のホームページに証拠もあります)、
自分たちの権力を維持するために緊縮路線を推し進めてきた連中なので、
今後も必ずいろんな理屈をつけて、慶應大土居丈朗教授のような財務省に尻尾を振る飼い犬の御用学者や、知識のないマスコミの経済記者などを利用しまくり、
経済産業省の「大規模・長期・計画的」な財政出動を、(嘘のプロパガンダでいかにもそれが間違っているように見せかけるなどの手口で)全力で阻止してくる事はほぼ確実だと思われます。
我々国民がやるべき事は、経済産業省の方向転換を全面的に支持することです。
何が何でも、財務省の緊縮路線の間違いを叩き潰さなければなりません。
理由は簡単で、それができなければ国民が山ほど死ぬことになるからです。
これから「経済産業省VS財務省」の戦いが始まる可能性が濃厚ですが、
国民は全員で一丸となって協力し、経済産業省の路線を支持していく以外の選択肢はあり得ません。
経済産業省の方向転換を国民全員で絶賛して行きましょう。
日本の明るい未来も、あなた自身の明るい未来も、その路線の先にしか存在しないのです。
それではまた。