- 2011-6-15
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こんにちは!早稲田集中力研究会の中西です。
今回は、あなたがいま奮闘している「受験勉強」が、そもそもどういうものかについて。
はっきり言って、今回の内容は、受験生にとってリアルには実感がわきにくい話かもしれません。
ですが、想像力が多少なりともある人にとっては、勉強に向かうモチベーションアップの一助にはなるかも。ということでお話しようと思いました。
では本題。
私が浪人して、それなりに頑張って大学に合格し、
その後大学生活をすごし、大学卒業後は社会人になっていろいろと仕事をしてきたわけですが、
社会人になって数年後、ふと思ったのが、
「受験勉強って、今思えば、なんてなんて楽だったんだろう(ーー;)」
ということ。
「あんなにラクだったあの頃に帰りたい」と思ったことすらあります。
ええ、受験生のあなたが今イラっと来たのはわかっております(笑)
「こんなにめんどくさくて、孤独で不安で、焦りもいっぱいの受験勉強がラクだと!?
中西か赤西か知らんが、受験勉強をなめんなよおい!(`Д´)」
くらいのハイテンションでイラっとした人もいたらすいません。
でも、これは客観的事実だと思われます。つまり社会に出てからの仕事の方が、
受験勉強よりはるかに難易度が高いということがです。これは社会人の方なら、だいたい同意していただけるのではないでしょうか。
といっても「社会人の仕事のほうがずっと大変なんだぜ、お前ら!」というだけでは、
いかにもただ年上なだけで「最近の若者は(`へ´)フンッ。」などと威張る大人でしかないと思うので、もうちょっと具体的に説明しときます。
(関係ないですが、3000年前のエジプトの遺跡にも「最近の若者はまったく」などとと書いてあったそうです。
大昔から、人間は大人になると偉ぶりたがるもよう。私も人のこといえませんが)
社会人になると、なぜ受験勉強の方がずっとラクだったと思うようになるのか?
答えはもう明白です。
受験勉強は、やればやっただけ結果が出るから
です。
もちろんその人が社会に出てどんな仕事についたかや、仕事の適性などにもよりますが、
社会人になってからの仕事で、受験勉強なみに
「やればやっただけ結果が出る」
という仕事は極めて少ないのではないでしょうか。
ここ、誤解が生じそうなので細かく説明しておきますが、
社会人になってからの仕事の実力も、長い目でみたら「やっただけの実力はつく」のです。
しかし、受験勉強のように数ヶ月とか半年くらいの期間(短ければ数週間)という単位で、
結果が出てくるなんてことは非常に少ないと思います。
これは「結果」をどの程度のものと考えるかにもよりますが、
仕事の場合、何らかの結果がでるのは早くても数年はかかります(小さい結果ならすぐに出ることもあるでしょうけど)
そして、頑張ったからと言って、必ずしもうまくいくとは限りません。
とくに言われるがままに仕事をこなすとか、歯車的な部分での仕事ではなく、会社の舵取りをする立場とか、
たとえばベンチャー企業の経営陣や自分で個人事業を展開するなどの場合、すぐにうまくいくことのほうが稀(まれ)だと思います。
頑張ってうまくいくなら、世の中でこんなにたくさんの会社の倒産は起こりません。
企業の経営者の「頑張り」というのは、東大京大とか難関大学を目指す受験生の「頑張り」の比ではありませんから。本当に皆さん命を懸けてやっておられます。
もちろん事業をうまく経営できなかったのは、ある意味でその経営者の頑張りの不足とかそんな見方もできるのかもしれませんが、
少なくとも自分なりに頑張ったからといって、「頑張ったその分だけ結果がついてくる」なんて世界ではないわけです。
よくよく考えてみると、この世の中に
「誰もが、頑張ったその分だけ、結果がついてくる」
なんて世界は、受験勉強くらいではないでしょうか。
スポーツの世界も、音楽の世界も、絵画も文学も、漫画家の世界も芸能界も、
その人の頑張り以上に、もともとの才能がないと成功などできません。
社会人の仕事も上記のとおり。頑張りと結果は必ずしも比例しませんし、結果が出ても早くて数年後。そんな場合が大半です。
これほどまでにこの世の中、頑張りに比例して必ずしも結果が出るわけではない、
仮に出ても数ヶ月といった短期間ではなかなか難しい、それが我々が生きているこの世界の実相ではないかと個人的には思っております。
そう考えたとき、・・・もう私が言いたいことわかりますよね(笑)
「やっぱり受験勉強って『やればやるほど結果が出る』素晴らしい世界だったなぁ(-_-;」
と感慨深く思い出さざるをえないのです。
こんなにも才能に関係なく、こんなにも誰もが等しく、こんなにもやればやっただけ結果が出てくる、
こんな公平な世界が、世の中、他にどこにあるねん(T_T)と。
そりゃ、勉強でも1日や2日頑張ったくらいでは結果は出ないかもしれません(それでも定期テストなら一夜漬けで結果出せますよね)。
でも、よほどめちゃくちゃに効率の悪い勉強の仕方でもしない限り、数週間から数ヶ月も特定の分野を勉強すれば、確実に実力がついて結果も出てきます。
模試などの結果にあらわれるまでは、もうちょっと時間がかかることはありますが、
それでも数ヶ月~半年もあれば、もう明らかに別人レベルまで成長できます。大半の場合、やった分だけはっきりと結果も出ます。
私のような社会人のおっさんから見ると、
「こんなに公平に頑張りが結果として出る、楽しい世界で“ゲーム”ができるなんて、なんとも羨(うらや)ましいのお(´д`)」
と思ってしまうわけです。たぶん、この感覚は社会人の方なら「そうそう!」と思っていただけるのでは(笑)。
実は今回この内容を書こうと思ったのは、今月からスタートしているOCP(受験勉強オンラインコーチング・プログラム)のメンバーに、
社会人から受験生になったA君という人がいるのですが、
彼はまともに勉強するのは8年ぶりという状況で、そこから某難関私大を目指すという挑戦。
彼にチャットで事前セッションを2時間ほど行ったときに、
暴走族上がりから4ヶ月ほどの受験勉強で、国学院大学をはじめとする複数の難関私大に合格されて、代ゼミの超人気講師となった吉野敬介先生の名著、
『だからお前は落ちるんだ!やれ!―暴走族から予備校講師になったオレの爆言』(Challenge & Success)
をお勧めしておいたんですね。状況的にA君の状況が、吉野先生の受験生時代と少し似ている部分があるので、
受験勉強で大逆転合格をするためのテンションが、いったいどれくらい必要なのかの目安を知っておいてもらおうと思ったからです。
(ちなみにこの本を読んでない人で、勉強に向かうテンションを高めたい人は、ぜひ読んでみるのをお勧めします。確実にやる気がでる本です。)
で、A君がこの本を読み終わった感想をくれたのですが、その内容が
「自分の甘さを痛感しました。この本で一番印象に残った言葉は、
『受験は平等だ。やった分だけ伸びる。だからやれ!』
でした」
というものだったんですね。私の中では、もう受験は平等で、やった分だけ伸びる世界だというのは当たり前すぎるくらい当たり前の話だったのですが、
「へぇーその部分が印象に残ったのか~」とちょっと意外だったわけです。
そのときに、「だったらブログの読者さんにもそのことを一度しっかり伝えておこう」と思って今回の話を書いた次第。
人間はある世界にどっぷり浸っていると、自分のいる世界を客観的に見るのは誰でも困難になります。
いま受験生のあなたは、世の大人たちからみると、本当に公平な、頑張りが限りなく正当に評価される、“羨ましい世界”で戦っているのです。
これを実感として理解していただくのは難しいかとは思いますが、「へぇ~そんなものなのかぁ」とでも思って、
今ご自分のいる世界の公平性・ありがたみといった部分を、多少なりとも理解してもらえれば幸いです。
受験生がちょっと羨ましい、おっさんのたわ言でした(笑)。多少は伝わったかなぁ。。