- 2013-12-5
- センター試験対策, 元アメブロ記事(13年2月~14年5月、修正中), 現代文の勉強法
こんにちは!早稲田集中力研究会の中西です。
前回は、私が高校3年生のときの授業で経験した、センター現代文の演習の例をもとに
「あと1ヶ月でもまだまだ実力を伸ばすことは可能」
というお話をしました。まだそちらをご覧になっていない方は、まずは前回の記事からどーぞ。
<前回の記事>
あと1ヶ月でどこまで実力が伸びるのか?
前回、例として出したのはセンター現代文の話でしたが、今回の話も含めて「マーク式」の「長文問題」については同じように当てはまる話です。センター英語、古文漢文、私立のマーク式試験などにもあてはまります。
もちろん、センター試験は勉強と訓練次第で、最終的には満点に近いところまで行くことも(他の試験に比べれば)不可能ではありませんので、現時点ですでに満点近くの高得点をとれるような人は、あと1ヶ月で一気に伸びることはないわけですが、
まだ理想の点数(実力)から遠い状況にあるような人なら、とくにセンター試験であればここから1ヶ月でもまだまだ伸ばすことは可能なのです。
だから、まだセンター試験まで1ヶ月以上あるこの時点では絶対にあきらめないでくださいね。
こんなところで「今から長文とか伸ばせるわけ無い・゚・(ノД`;)・゚・」なんて勝手に思ってあきらめるのは、超もったいないですよ。
・・・ということを言いたいだけなのです。前回も今回も。
といって「オマエたち、ここであきらめちゃいかんぜよ!!」というだけではただ発破をかけているだけなので、いろいろ関連情報を付け足して話しているわけでございます。
さて。
前回お話したセンター現代文をはじめ、センター英語、古文、漢文、その他私立も含めた長文系のマーク式問題では、解き方のコツが存在しています。
そのコツは最終的には、過去問を実際に解いて行きながら、その解答解説をしっかり読んで自分で気づいていくものですが、ある程度その「解き方のコツ」を「言語化」しておいたほうがいいわけです。
「なんとなく解き方のコツが見えた」とか「直感的にわかるようになった」とか、そういう「言語化があいまいな状況」では自分の中で再現性が低くなりがちです。
「解き方のコツ」が言語化できている人は、それが「公式」のようになり、同じような問題に遭遇したときにその言語化された公式を当てはめることで、問題を解答に導く再現性が高くなるのです。
センター現代文なんてとくにそうですが、「フィーリング」で解こうとしても、まあうまく行きません。「たぶんこれが正解だろ?」みたいな言葉を頭に浮かべながら解いている人はアウトです。
ある程度訓練するとわかると思いますが、現代文のようななんとなくあいまいな印象のある科目であっても
「もう選択肢は3でしかあり得ない。この問題の解答は3で絶対間違いない!」
とハッキリと確信を持って断言できるほど、「一つの解答」をしっかりと導き出せるようになるのです。
それはまるで数学の問題の正解が、必ず1つの数値を導くことと同じように、現代文(その他の長文問題)も「一つの解答」を導き出せます。
では、どうやれば長文系の問題において、そこまで間違いないと断言できるほどの「一つの解答」を導き出せるのかということですが、
それを私なりの解釈で言語化(=公式化)したものをお伝えしますと
「間違い探し」×「消去法」=残った選択肢が正解
ということになります。
「間違い探し」というのはどういうことかと言うと、たとえば選択肢が4つあるときに、その中で「正解はどれだろう?」という思考で問題を解いてはいけないということです。
そうではなく、「『間違っている箇所』がある選択肢はどれだろう?」という思考で問題を解くということです。
長文系の問題は、一般的に「本文に書いてあること」が書かれた選択肢が正解であり、「本文に書いてないこと」が書かれている選択肢が不正解です。このパターンが大半。
(ただし問題によっては「本文の主張と違う選択肢を選びなさい」という問題もありますので、その場合は「本文に書いていないこと」が正解になりますが。・・ややこしい(-_-;))
ところが、ある特定の選択肢が「本文の主張と同じだ」ということを判断するのは、かなり難しいことが少なくありません。というのは、問題を作っている側も、それなりに正解の選択肢をわかりにくくして作るからです。
たとえば、本文の主張が
「中西さんはハンサムで長身で、笑顔がキュートで、フェロモンがぷんぷん出ていて、男らしくて、頭が良さげで、性格が良くて、ワイルドで、脳の半分が優しさで出来ています。
しかしちょっと神経質なくせにズボラで、目がかなり悪くせにときどき笑顔の目が笑っていないこともあります」
だとしましょう。で、この問題の選択肢が次の4つだったとします。では以下の選択肢の中から、本文の主張にもっとも近いものを1つ選びなさい。
1、中西さんは、外見的には男の色気と知性を同時に兼ね備えた素晴らしい男性に見えるが、実のところ、性格や体に相当な欠点も抱えており、長所と欠点の振り幅が激しい人である。
2、中西さんはビジュアルが良くて男の色気が平均以上に漂っているが、脳の半分がやらしさで出来ている。
3、中西さんの笑顔は天使と間違うほどかわいらしいが、ときどき目が笑っていないことがあり、周囲の人たちの間では「この人は天使か悪魔か」と議論になることがたびたびある。
4、中西さんの脳の半分は優しさで出来ていて、それを裏付けるかのようなキュートな笑顔の持ち主だが、大学で東京に出てきて以来、関西出身の彼は「標準語のタメ口」が話せないという深刻な悩みを何年も抱えている。
・・・・どれが正解か選べたでしょうか。「本文の内容」にもっとも近い選択肢を探してみてください。
はい、では正解を言います。
正解は、1です。
さて、ここで質問なのですが、あなたは選択肢を1→4という流れで読んだと思いますが、1を読んだ時点で「これが絶対に正解だ!」と確信を持てたでしょうか。
たぶん、1を読んだ時点ではそれが正解だと断言するのは難しかったはずです。かりに「1が正解か?」と思ったとしても、その時点でそれを正解とまで言い切るのはとても難しいのです。
この「正解だと断言するのは難しい」という法則は、どんな長文問題にも当てはまります。
ただし、その後に2~4を読んで行けば、それぞれ選択肢の中に「明らかに間違っている部分」があることがわかりますから、「消去法」的に1が正解だと導けるわけです。
1を見ると、たしかに最後に「長所と欠点の振り幅が激しい人である。」なんていう一文があり、本文にはこの通りの文章が存在してないので、1が間違っている可能性もないとは言えないわけです。
が、「長所と欠点の振り幅が激しい人である。」というのは「あきらかな間違い」だとまでは言えません。本文の内容の結論としては、そのように受け取ることも可能だからです。
「正解」の選択肢というのは、こういう「あきらかな間違いとまでは言えないが、間違いかもしれない」という、どちらとも取れるややこしい内容が含まれることがよくあるのです。
つまり「正解の選択肢」を探そうとして、正解っぽい選択肢が見つかったとしても、その時点ではそれが正解かどうかは確定しないということです。
よって、「あきらかな間違い」がある選択肢を見つけることが、一番重要になります。それがつまり上の公式の「間違い探し」ということ。
(バカみたいな選択肢で恐縮ですが、いちおう上の問題の解説もしておきますと、間違っている部分は、2は「やらしさ」、3は「周囲の人たち」以降、4は「大学で」以降の箇所になります。
ちなみに「標準語のタメ口」が話せないのは事実です(゚д゚;)。たいして悩んでませんが)
繰り返しますが、選択肢というのは「これが正解だ!」と断言するのはとても難しいので、正解を探すのではなく「間違いはどこにある?」という思考で、選択肢の「間違い探し」をすることが一番確実です。またその方が問題も早く解けます。
裁判の原則に「疑わしきは罰せず」というものがあり、これは「確実な証拠」がない場合は、無罪になるというルールです。「疑わしい」というだけでは犯人だと断定できないからです。
マーク式の長文問題もこれに通じるところがあり、間違っているという「確実な証拠」が見つからない選択肢については、それを正解だと断言するのがとても難しいのです。
よって、間違っている「確実な証拠」が見つかる選択肢を先に見つけて、それから順番に消去していき、
「最後に残ったものが正解」だと考える解き方が一番確実だといえるわけですね。(もちろん最後の選択肢が本文と合致しているかの最終チェックもお忘れなく)
というわけで、上でお伝えしました
「間違い探し」×「消去法」=残った選択肢が正解
という公式を頭に入れておくと、マーク式における長文問題は早く、確実に解けるようになり、「選択肢の1が絶対に正解だ!」と断言できる形で解答を導けるようになりますので、とても便利です。
この公式は、問題をたくさん解いて訓練して行けばおそらく誰でも行きつく結論だと思いますが、なんとなくわかっているヽ(゚◇゚ )ノだけでなく、こういう公式のような形で「言語化」しておくことが、再現性と正答率を高める意味は非常に重要になります。
これから1ヶ月で各種長文問題の実力アップを図りたい人は、ぜひこの公式を覚えておいてほしいと思いますね。