- 2026-3-9
- 経済の話
こんにちは、中西です。
アメリカとイスラエルによるイランの攻撃によってホルムズ海峡が封鎖され、原油の輸入が危ない状況になっています。
ガソリン価格も一気に上がりまして、「ガソリン代は上がらない」とメディアで主張していた高橋洋一教授が炎上しておりました。
ガソリン代は一番早く影響が出るので、今後も上がる可能性は高く、ニッセイ基礎研究所の試算では1Lあたり205円まで上がる可能性があるようです。
車に乗らない人はピンとこないかもしれませんが、少し前の暫定税率がまだガソリン代に入っていた頃は170円ぐらいになって大騒ぎとなっておりました。
それがガソリンの暫定税率廃止により150円台ぐらいになっていたのですが、これでもし200円前後にでもなってしまったらとんでもない上がり方で、
当然輸送代も上がりますので、物価高に直接影響します。
とはいえ、原油の備蓄は国と民間合わせて254日分あるようなので、まだ当面はガソリン代以外は直ちに大きな問題にならない可能性もあります。
また直近でイランが「ホルムズ海峡を封鎖はしない」という声明を発表しましたので、それを信じていいなら、
現在ホルムズ海峡で停滞している船舶も再び動き出して元に戻る可能性はあると思います。
ただ、イランは自分たちに攻撃してくるアメリカとイスラエルに関しては当然原油の輸出を止めており、
アメリカの同盟国で今回のイラン攻撃に不支持を表明していない日本は、イランから見てどのような存在になっているのかにもよると思います。
基本的にイランは親日国なので、日本を直接的に敵対する可能性は低めではないかと個人的には思いますが、
一方で高市早苗首相がトランプの犬のようになっておりますので、アメリカの主張に乗っかって「イランが核兵器を保有することを支持しない」という表明をしています。
そうなってくると、イランから見ると日本もアメリカやイスラエルと同じ敵と見なされてもおかしくありません。
その辺の日本のスタンスがイランにどう映るかは何とも言えない部分はありますが、
今のところ日本の原油の備蓄も8カ月分以上があるので、原油自体はまだそこまで心配する必要がないように見えます。
しかし、問題はそう単純ではないのです。
たとえば本日、あるお医者さんの投稿がバズっておりました。
Dr.パパさんというアカウントですが、長文なので簡単にまとめると、
病院で医療を行う時の医療用具や使い捨ての様々な器具の多くが「エチレン」でできていて、
そのエチレンの原料の「ナフサ」の備蓄が20日しか国内にはないということなのです。(ここまでは普通の事実)
流れで言うとこんな感じ。
【 原油→ナフサ(液体)→エチレン→様々な医療用品・日用品 】
ナフサからできるものは大量にあり、私たちの日常生活に密接にかかわる商品ばかりです。
ナフサからは、エチレン以外にも、プロピレン、ベンゼン、キシレン、ブタジエンなどの石油化学製品が作られ、
そこからレジ袋、食品容器、ペットボトル、衣料品、タイヤ、塗料、洗剤など、
身の回りのさまざまな製品が作られています。
<ナフサからできる製品例>
・レジ袋、食品ラップ、食品包装
・シャンプーや洗剤のボトル
・食品容器、自動車部品、医療機器の外装
・タイヤ、靴底
・ペットボトル
・カップ麺の容器、断熱材
・ポリエステルの衣料品
・塗料、接着剤、合成洗剤
日用品として必要なものばかりです。医療関係の製品も多いです。
コンビニに並ぶペットボトル飲料も、スーパーで手に取る食品パッケージも、赤ちゃんの紙おむつも、すべてナフサなしには製造できません。
医療関係ですと、ナフサは、注射器、点滴バッグやチューブ、酸素マスク、薬の容器、検査容器、医療機器の外装など、
医療現場で使われるさまざまな製品の原料にもなっています。
このナフサも7割が中東から輸入されていてホルムズ海峡を通りますので、
このままだと非常に病院の運営が危機的で、特に緊急で危ないのは透析の患者さんだという話でした。
日本には34万人の透析の患者さんがいるのですが、週3回ほど透析をしなければなりません。
この週3回の透析が1回でも減ったら非常に危ない状況で、2回できなくなってしまうと命の危険にさらされるそうです。
つまり、このままナフサが手に入らず、20日間の備蓄が底をついてしまうと、
そこから日本中で透析の患者さんが命の危険にさらされるというような話でした。
さらにその医師は、同僚の医師にその話をしたら、そもそもホルムズ海峡が封鎖されていることも知らない人ばかりだったそうです(゚o゚;)
医師であることと国際情勢の感度はまったく別ということでしょう。
ただし、それがナフサの輸入停止と、エチレンがそれに伴って作れなくなることが何を意味するかは、医師なら理解できるそうで、
その話をした時に同僚の医師たちは、お通夜のような空気になったとのこと。
つまり、ナフサが手に入らないということは大勢の患者さんが大変な状況になる・亡くなることを意味することは、医師なら誰でも分かるからということでした。
余談ですが、私の親戚にも透析を受けていたおばさんがいたのですが、昨年亡くなりました。
私自身も幼少期に腎臓を悪くして透析を受けたことがあるので、人ごとのように思えません。
そこで心配になって、このナフサの備蓄が20日間しかないことで実際のところどのようなリスクがあるか調べてみました。
しかし意見が割れていて、専門家も現場の人も誰も情報を出しておらず、
マスコミもエチレンは報道していますが(日用品の多くの原料なので)、ナフサの報道は見当たりませんでした(私が調べた限り)。
そもそもナフサは原油から作られる液体の燃料で、そのナフサから気体のエチレンができる流れになっています。
そのナフサは、先ほど言った通り7割を中東のホルムズ海峡経由の輸入で頼っているのですが、
どうやら国内でナフサを作れるようなので、その元の原料となる原油さえ途絶えなければ、
ナフサがなくなって医療現場が停止してしまうという最悪の事態にはならない・・・という意見もありました。
ところが、確かに国内でもナフサは作れるようなのですが、フル稼働しても、需要に追いつけるレベルの供給(生産)はできないようなのです。
実際、昨日から本日にかけて、出光興産や三菱ケミカルといったエチレンを作っている主要企業が、
「エチレンの減産をする可能性がある」
と取引先に通達したり、正式に表明したことが報道されています。
さらに気になるのは、本日午後に主要7カ国(G7)の財務相が、国際エネルギー機関(IEA)が調整する
緊急石油備蓄の共同放出
について協議することが決まったという報道がありました。
▼G7、緊急石油備蓄の共同放出を協議へ=FT
https://news.yahoo.co.jp/articles/758aa49f45a7790eb462687a25b621ce7508d13f
これの「共同放出」が意味するのは、端的に言いますと、
「日本は250日分も原油の備蓄があるんだろ?だったら俺たちにも寄こせ!」
でございます(;゚ロ゚)
高市政権・自民党に国民生活を守る意思など皆無に等しいですから、ふつうに融通すると思います。
すると備蓄が250日から一気に減らされます。
で、徐々に国民が危機に気づきはじめ、令和のオイルショックへ。
G7の共同放出が仮に無かったとしても、戦争長期化でガソリン代と物価高騰はもう確定、
国内で買占めが発生し、日本中の店頭から商品が消え、パニック状態になっても全く不思議ではありません。
少なくとも、それより早く医療現場が危機的状況になる可能性があります。
個人的には34万人の透析患者さんが真っ先に命のリスクに晒されるので、非常に心配です。
またそれ以外の様々な病気の治療・薬が手に入らず、大変な状況に陥る患者さんが日本中にあふれる可能性も高まっています。
さすがにそこは優先されると信じたいですが、自民党・高市政権は1ミクロンも信用できないので、何があっても不思議ではありません。
というわけで、アメリカとイスラエルによるイランへの攻撃が、今後どのような影響を私たちの生活に及ぼすか不透明な部分は大きいですが、
確実に私たちの生活や命を脅かす「令和のオイルショック」になりかねないリスクは高まっていますので、
今後も引き続きマメに状況をチェックしておいた方が良さそうです。


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