- 2025-12-6
- ChatGPT
こんにちは、中西です。
AIの進歩は凄まじく、ほとんど毎日のように革新的なニュースがありますが、
今週はその中でも特に大きな変化とも言えるニュースがありました。
ChatGPTを運営するオープンAI社のCEOサム・アルトマン氏が、全社内に対して非常事態宣言を意味する「コードレッド」を出したのです。
つまり、「ChatGPTが危機的状況にある」という非常事態の宣言をトップが出したということ。
このChatGPTと非常事態宣言を意味するコードレッドと聞いて思い出す方も多いかもしれませんが、
実はChatGPTがリリースされた2022年の12月に、このChatGPTの登場によって会社が危機的な状況になったということで、全社内にコードレッドを出した企業がありました。
それがGoogleです。
ちょうど3年前に、Googleが社内に非常事態宣言を出して「検索時代が一気に危機的状況になる」ということで、Googleが過去最大の危機感を持って非常事態宣言を出しました。
その後、年が明けた2023年の1月〜2月あたりから、一気に世界中でChatGPTが話題になっていきました。
興味深いのは、あれから3年が経ち、ChatGPTを運営するオープンAIが今回非常事態宣言を出した理由が、
「Googleが最近新しくリリースしたGemini 3.0が脅威的なバージョンアップを果たし、世界中で高評価を得て、ChatGPTを駆逐する可能性が出てきた」
という危機感からだった、という点です。
つまり、3年経って立場が逆転してしまったということです。
ちなみに、ChatGPTのアクティブユーザーは現在8億人なのに対し、Geminiのアクティブユーザーは6.5億人にまで迫っているようです。
しかも推論テストでは、ChatGPTの最新版のGPT-5.1は正答率17.6%だったのに対し、Gemini 3は45.1%と圧勝した事実があります。
私も両方利用しているので実感として分かるのですが、最近明らかにGeminiの回答の精度が上がってきています。
私はつい最近Geminiに質問をして、返ってきた回答の内容が様々な観点で「あまりにもすごいレベルに到達している」と感じたので、
そのこと自体を「私の気のせいか?いや、これは何か大きなバージョンアップがあったのではないか」と思い、AIに確認したところでした。
答えは言うまでもなく「Gemini 3にバージョンアップしたから」という内容だったのですが、本当にはっきり分かるレベルで、驚異的な回答の精度になっていると感じていたばかりでした。
一言一言の言葉の言い回しや表現にしても、まるで本当の人間が会話のやり取りの繊細な機微を理解して回答してきているとしか思えないような感じになっていて、Gemini 3.0の精度はすごいところまで来ていると感じていたのです。
おまけに、画像生成を利用している方ならもうご存じかと思いますが、Gemini 3.0になって画像関係のバージョンアップが尋常じゃないレベルになっています。
私は昨日も、同じプロンプトでChatGPTとGeminiに画像を作らせてみたところ、
相変わらずChatGPTは文字化けが3割ぐらい入っていて、おかしな図解が入っている「出来損ない」みたいな画像になっていたにも関わらず、
同じ内容をGeminiはほぼ完璧な文字・イラスト・図解で画像化していました。
図などの内容も、ChatGPTとはまるで比べ物にならない精度になっていました。
例えるなら「絵の下手な小学生が描いた絵」と「プロの漫画家が描いた絵」ぐらいに違いました。
ちょっと大げさかもしれませんが、感覚的にはとにかくそれに近いようなレベルの違いが、はっきりと誰が見ても分かるレベルで出ているのです。
なので、今回オープンAI社がコードレッドを出したというニュースを聞いた時に、私の中では違和感はなく、「そりゃそうなるだろうな」ぐらいの感想でした。
おそらくですが、Gemini 3.0が登場してから、ChatGPTの有料版を解約した人が続出しているのではないかと推察します。
その状況を見てのコードレッドだったのではないかと。
私自身は現在のところ、ChatGPTもGeminiも両方有料版に入っていますが、このまま差が圧倒的に開くなら、ChatGPTの方を解約する可能性もそこそこありますね。
今のところ若干の使い分けがありますが、どちらかが完全に片方の上位互換になってしまったのであれば、劣る方のAIを使う理由がなくなってしまいますから。
そういう人は少なくないはずですが、いずれにせよ、GoogleとOpenAIによる「AIの覇権争奪戦」が今後はさらに激しく展開されるはずです。
どちらが勝つのか、それぞれ住み分けるのかは分かりませんが、
例えば検索の世界ではGoogleが圧勝して完全に一強になったように、会話型のAIもGoogleが圧勝してしまった場合は、完全な一強になる可能性があります。
特にGoogleの場合、多くの人が利用しているYouTube、Google検索、Gmail、Android、Googleドキュメント・スプレッドシートなどなど、世界中の多くの人々が利用しているツールをすでに持っています。
その強みがオープンAIにはないため、ここから先はGoogleが圧倒してしまうのではないかと、個人的には気になっています。
実際Googleは、それらの既存のツールとAIのGeminiをすでに融合させてきていますので、今後はさらに強化されていくのは必至です。そういったことはオープンAI社のChatGPTではできません。
それを考えると、Googleが既存ツールを世界中で持っている強みを生かして、ここから一気に勝者にのし上がっていく可能性があると思います。
ちなみに、イーロン・マスクのGrokなど、他にも有力なAIは複数ありますが、今のところChatGPTとGeminiの2つが圧勝している印象ですので、ここから先はどちらかが覇権を取る可能性が高そうです。
ただ、いずれにしても我々一般ユーザーにとっては「いいこと」でしかないかなと思います。
理由は簡単で、AIが凄まじい勢いで進歩することになるので、どんどん便利になっていくからです。
(失業者の増加などは覇権争いの激化とは関係なく起こるので)
GoogleとOpenAIが激しい覇権争いをすればするほど、サービスのクオリティがどんどん上がっていきます。
実際、今回オープンAI社はChatGPTの広告機能などの新プロジェクトを一旦全部停止して、ChatGPTの性能向上に全力を注ぐように社内に指示しています。
間違いなくChatGPTは、Geminiに負けないように今後性能を大幅に良くしていくはずです。
この激しい競争は、ユーザーにとってはメリットしかないのではないかと思います。実際、この3年の著しいAIの進化はメリットだらけでしたし。
余談ですが、この進化しまくっているAIを利用した勉強法の教材を今月出しますので、受験勉強や読書やインプットに興味のある方は、ぜひ楽しみにしておいてください。
最新AIを駆使した、今までにない超効率的なAIによる勉強法になりますのでお楽しみに。今後は勉強やインプットがめちゃくちゃ楽しくなると思います。
2年くらい前から私自身が思いついて、ずっと一人でこっそり実行してきた画期的な手法も全部公開します。
というわけで、ChatGPTが非常事態宣言のコードレッドを出し、3年前のGoogleと立場が完全に逆転してしまいましたが、
今後GoogleとOpenAIは激しい覇権争奪を繰り広げていくのは確実です。
これで我々の予想を超えてAIの進化が来年以降進んでいく可能性が高いですが、
そうなると以前ご紹介した「AI 2027」のレポートの内容が、いよいよ本格的に実現していく可能性も高まってきましたね。いい面も悪い面も。
恐ろしい時代とも言えますし、面白い時代とも言えそうです。
どちらの時代になるかは、自分自身のAIとの向き合い方次第になると思います。


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