- 2025-9-3
- ChatGPT, 働き方・キャリアの話
こんにちは、中西です。
AIによる革命が進行中ですが、ご存知の通りメリットとデメリットの両方がAIには存在しています。
このうちデメリットの筆頭に上がっているのが、
【 AIによって雇用が奪われる 】
という側面です。
もちろん全員ではありませんが、AIによって職を奪われてしまう、もしくはそもそも就職ができなくなるといった懸念やリスクについては、
ここ1〜2年で世界的に大きな問題になると予想されてきました。
実際、それは各方面で着々と進行中ですし、以前ご紹介した
「AI 2027」
という、AIの専門家やハーバード大学の研究者らが執筆した論文が世界中に激震を走らせたのもまだ記憶に新しいです。
この「AI 2027」では、2026年から2027年にかけて世界中で多くの人がAIに雇用を奪われ、激しいデモなども勃発して大問題になると予想されていました。
この予測がいよいよ現実化しつつあることが判明した、最近発表されたスタンフォード大学の研究がありますので、今回はそれをご紹介します。
この論文では、AIによる最近の雇用への影響に関する
「6つの事実」
が判明したと発表しています。
まず一つ目は、若手が最も影響を受けているということです。
特に22歳から25歳の初期キャリア層で、AIに強くさらされる職種の雇用が13%減少していました。
一方で、同じ職種でもより経験のある労働者や、AIにあまりさらされない職種の雇用は安定、もしくは増加していました。
二つ目は、影響が「雇用の数」に集中しているということです。
AIが導入されたことによる調整は、「賃金の給与水準が下がる」といったことではなく、「雇用人数の削減」を通じて起こっていることが分かりました。
三つ目は、自動化しやすい職種に大きな打撃が出ていることです。
要はAIに置き換えられやすい職種が雇用を奪われている形になります。
例えばどういう職種かというと、ルーティン業務や事務作業はもちろんのこと、
カスタマーサービスや初級レベルのソフトウェア開発などの仕事もAIに置き換えられやすいため、実際に雇用数は減少しているようです。
私自身も最近国内外でそういった職種の雇用が削減されたという話は多数聞いています。
実際に多くの有名企業などがそれを発表しているので、この傾向はもはや普通の話になりつつあります。
四つ目は、AI以外の要因ではこの雇用減少は説明がつかないことも判明したということです。
この分析において、テック系の企業やリモートワーク可能な職種を除外しても結果は同じでした。
つまりAIによる雇用減少の影響が本物であることを示唆しています。
五つ目は、経験豊富な労働者は比較的安定していたということです。
若手でまだ経験が浅い人たちの雇用が減少しているのに比べて、
経験豊富な人材はAIが導入された後も雇用が維持されている傾向があるとのことです。
これはAIを使いこなすスキルや経験値が雇用を守る要因となっている可能性が考えられます。
六つ目は、今回のデータはアメリカの労働市場における「早期の警告」という側面を持っている事実です。
というのも、この雇用データはAI革命がすでに労働市場に具体的な影響を与え始めていることを示す、初期の大規模な証拠となっています。
ということで、このスタンフォード大学の研究のポイントをまとめますと、
1. AIはまず若手の雇用を直撃。
2. 賃金減少よりも雇用数そのものが減る形で影響が出ている。
3. 自動化されやすい仕事が狙い撃ちにされている。
4. AI以外の要因でこの現象は説明できない。
5. 経験のある人やAIに置き換えにくい仕事はまだ安定。
6. アメリカの労働市場でAI革命の初期サインが確認された。
こんな感じになっています。
これを見る限り、「AI 2027」で予測されていた2026年から2027年の世界が、現実化する可能性がどんどん高まっていると言えそうです。
「AI 2027」のレポートでなくても、ChatGPTの登場以来、この状況は予想されていましたが、
それから3年近く経っていよいよ本格化しつつあるという感じです。
すべての労働者は危機意識を持つべきだと思いますが、こういった情報を積極的に収集していないと、
普通に職場に行って仕事をしているだけでは、この現実が見えなくなる可能性が高いです。
引き続き、このメルマガでは、特に今月はAIについての情報を様々な角度から積極的にお届けしていく予定なので、
ぜひそういった情報も参考にしながら、ご自身の今後のキャリアについて考えていただきたいと思います。
※参考
Canaries in the Coal Mine? Six Facts about the Recent Employment Effects of Artificial Intelligence
https://digitaleconomy.stanford.edu/publications/canaries-in-the-coal-mine/


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