- 2025-8-31
- 働き方・キャリアの話, 志望校・進路の決め方
こんにちは、中西です。
8月が終わり、いよいよ9月になります。
学生さんは新学期となりますし、社会人の方も気持ちを切り替えて年度の後半戦に向かう人もいると思います。
一方で、特に社会人の方は「今の働き方のままで本当にいいのか」と悩んでいる方は少なくありません。
私が運営するコーチングプログラムでも、転職活動中の方、今の会社で働いていて本当にいいのかと悩んでいる方、
副業がうまくいって本業に切り替えようとしている方、新たな試験勉強でキャリアを深めようとしている方など、様々な方がおられます。
「今のままでいいのか?」と悩む社会人は一般的にも多いですが、近年は昔と違って転職がしやすい時代になってきているとはいえ、
それでも今いる会社を辞めるというのはなかなか勇気のいることです。
それは正社員の方だけではなく、派遣社員やアルバイト・パートの方でも同じで、今いる職場を辞める決断というのは大きなものになります。
私自身も自分で事業を始める前までは、そういう場面を何度も経験してきましたので、退職というのは相当なエネルギーがいることを体験的に理解しています。
とはいえ、実際に辞めて退職してみると、不安はあるものの、次の仕事に向かって前向きになれることが多かったです。
多かったというより、ほとんどの場合がそうだったように思います。
確かに、元の職場を離れる決断には大きなエネルギーが必要で、引継ぎや様々な手続き・人間関係のことや事務処理もしなければならず、心身ともに疲れやすい部分はあります。
ただ、いざ退職し終えてしまうと身軽になり、退職した後はそのこと自体に大きなストレスにはならなかった記憶があります。
むしろ気分が晴れ晴れして、ワクワクしていたこともありましたヽ(´∀`*)ノ
私は根本的に組織に向いていないのでそれが原因かとも思いましたが、
実は最近発表された研究で、このように「退職後に調子が良くなる」のは私だけではないことが判明しました。
結論から言いますと、
【 退職すると健康にプラスの影響が出る 】
ということが、最近公開された世界各国のデータを分析した大規模調査で判明しておりました。
※参考:本記事下部に記載
この研究は早稲田大学と慶応大学の共同研究で、世界35ヶ国、約10万7千人のデータを分析したものです。
男女比は半々で、追跡期間は約7年という長期・大規模で信頼性の高い調査でした。
対象は50歳から70歳の年齢層になりますので、若い人よりさらに退職のハードルが上がりやすかったはず。
しかし分析の結果、退職をすると全体的に健康になる傾向がありました。
認知機能が改善したり、日常生活の自立度の向上も見られたようです。
日常生活の自立度とは、入浴・買い物・金銭管理などを自立して行える確率のことですが、退職後に上昇する傾向が見られたのです。
また、運動不足が改善する傾向や、女性においては喫煙が減少する傾向も確認されました。
自己評価による健康状態のチェックでも「改善した」と答える人が多かったそうです。
特に退職後に健康が改善する傾向は女性にやや多く見られましたが、国ごとの違いや学歴、職種(肉体労働かどうかなど)による違いは見られませんでした。
つまり退職というのは世界共通で、健康改善にプラスの影響を持つことが判明した形です。
何となく「退職=心身の健康に悪い」というイメージを持たれる方もいますが、
実態はむしろ健康に良い影響を与えることを国際的なデータで裏付けた形といえます。
この研究結果を見る限り、私が過去にいくつかの職場を辞めたときに、心身の不調ではなく、むしろ調子が良くなったという経験は、
私だけの特殊な話ではなく、多くの人に当てはまることだと言えそうです。
もちろん安易に退職することは避けるべきですが、「退職したいけど、辞めたら良くないんじゃないか」と悩み続けているのは、無駄な不安の可能性もあります。
退職は大きな決断ですし、退職まではエネルギーを消費しますが、
「退職後は健康になりやすい」
というのが大規模調査の結果ですので、
退職するかどうかで疲弊している方は、今回の研究を参考にしてみるといいのではないかと思いますね。
※参考
Heterogeneous associations of retirement with health and behaviors: A longitudinal study in 35 countries
https://academic.oup.com/aje/advance-article/doi/10.1093/aje/kwaf126/8161740


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