- 2025-4-28
- ChatGPT
こんにちは中西です。
ここしばらくはAIによって、2027年までの3年弱の間にどのような状況が起こるかという私の予想をいろいろとお話ししています。
完全な妄想ではなく、4月上旬に発表されて世界中のAIの専門家に激震を走らせているAI 2027という論文をベースにしております。
また私自身のAIを日々使っている体験や周囲の人から聞いている話なども、ベースになっております。
これまでの内容をおさらいするとこんな感じ。
▼生成AIがどういうものか理解している日本人は約半数しかいない。中国人は約7割。
▼AIやAI関連サービスが爆発的スピードで進化している理由は、AI自身とAI関連サービス・アプリの「開発スピード」が劇的に上がっているから。
それは今後「AIの自己改良」によってさらに爆速化していく。
▼ハーバード大学をはじめとするAIの専門家5人が執筆した「AI 2027」という論文が4月上旬に公開され、世界中に激震を走らせている。
内容は、今後2年でAIがAGI(人類と同レベル以上)に到達し、さらにASI(人類をはるかに凌駕する知能)に至るまであっという間に進むとされる。
ようはここから2年〜3年弱で世の中が激変する。
▼今後は2極化ではなく、AIを使いこなして仕事をする人とAIそのものだけが生き残る、一元化が進む。
▼AI時代に生き残れるかどうかは、自分が所属する企業・組織が従業員を「仲間」と捉えているか、「コスト」と捉えているか、つまりはトップの“従業員観”で決まる。
前者ならAI教育や研修が行われ、後者なら従業員は首を切られて終わる。
▼AIによって企業も個人も「成長スピード格差」が指数関数的に開いていく
▼AIで1人ビジネスと副業がこれまで以上に激増する
ざっくりこんな内容でお話ししてきました。
前回はAIによって今後一人ビジネスや副業がこれまで以上に激増していくという話をしました。
理由はいくつかありますが、要は一人でもAIを使いこなせれば、単純作業や事務作業や雑務をAIが代替してくれるので、多くの仕事をこなせるようになるからです。
実はこの点について、最近興味深い研究が発表されていたので、今回はそれをご紹介したいと思います。
※参考:本メール下部に記載
これはハーバード大学とペンシルバニア大学のウォートンスクールというビジネススクールの共同研究になります。
研究のテーマは、
「AIが職場の働き方をどう変えているのか?」
というもので、特に知識や経験の差、チームワークといったものに、AIがどんな影響を与えているかを検証しました。
実施された場所はP&Gの社内で、776人の専門家(エンジニア、ビジネスパーソンなど)を対象に行われました。
比較対象になったのは、
・「個人vsチーム」の比較
・「AI使用ありvsなし」の比較
この組み合わせの全4通りの条件でどう変化が起こるかを調べたものになります。
実験の課題内容は、製品開発のタスクで、
パッケージ案の作成や小売り戦略の提案などといったものだったようです。
何を測定したかというと、「成果の質」や「作業スピード」「感情的な変化」というものを測定しました。
この研究の結果、いくつかのことが判明したのですが、まず一つ目は、
・AIは頼れるチームメイトになり得る
ということです。
個人+AIの組み合わせによって、人間2人のチームと同じぐらいの成果を出すことができました。
またチーム+AIの組み合わせで最も高い成果が出たようです。
特に質の高いアイデアという点で、一人でAIを使う場合よりもチームでAIを使った方が成果が出ました。
2つ目は、
・AIが経験不足を補う
ということが分かりました。
経験の浅い人であっても、AIを使えばベテラン並みのパフォーマンスを出すことができたようです。
つまり、AIは知識やスキルのギャップを埋めるツールになり得るということです。
3つ目は、
・AIは仕事の「感情体験」も良くする
ということが分かりました。
AIを使った人たちは
「興奮・エネルギー・熱意」
という前向きな感情がアップしたのです。
一方で「不安・イライラ」がダウンしました。
簡単に言うと、ポジティブな感情がAIを使った人たちの方がアップするということですね。
特に一人でAIを使う場合は、人間のチームよりもポジティブな感情が強かった場面もあったそうです。
これはなかなか興味深い結果ではないかと思います。
私の推測ですが、おそらくチームの場合は人間同士ですからイライラすることなどのマイナスの感情も発生するリスクは高まります。
意見が違ったり、人間性で合わなかったりといったことです。
ところが一人でAIを使う場合は、そういった人間と人間のぶつかり合いの要素はなくなりますので、ネガティブな感情がなく、ポジティブな感情が強くなったと考えられます。
研究者によると、研究の意義として、
「AIは単なる道具ではなく、チームメイトに近い存在になりつつある」
とまとめられています。
そして今後企業は、
「チームの組み方」「社員教育」「部門間の仕事の割り振り」
といったものをAI時代向けに見直す必要があると研究者は提言していました。
まとめますと、
・AIを使う個人=人間チームに匹敵する
・AIを使うチーム=最高の成果が出る
ということが判明したわけですね。
AIを使うチームにはAIを使う個人は勝てなかったような感じなのですが、
一方でAIを使う個人はこれまでの人間チームに匹敵することもわかったわけです。
よって前回お話しした、
「AIによって一人ビジネスや副業が今後増えていく」
という私の予想が、この研究である意味裏付けられたとも言えるかと思います。
いずれにしても今後、チームであれ個人であれ、仕事でAIを使うor 使わないという選択肢はなくなってくるのは間違いありません。
仕事でインターネットを一切使わないという仕事が存在しない状況になったのと全く同じことです。
ただそれを認識できる個人や組織と、認識できない個人や組織が当面は出てくるはずなので、
そこに気づくのが遅い個人や組織は、どんどんAIを駆使している個人・組織と格差が開いていくのは間違いないでしょうね。
AI 2027の論文でも描かれていた通り、今年2025年から2027年末までの3年弱の間で、
AIによって社会は激変していく可能性が極めて高いです。
どんなに遅くても、今年中にはAIをある程度使いこなしながら仕事ができる状況になっていないと危ないと思います。
ネットが普及するにつれて「個人の時代になった」とよく言われてきましたが、
AIの普及によって、それはますます加速度的に進んでいきます。
今後はあらゆる分野で、中途半端な企業や組織を、多くの個人がAIを駆使して凌駕していく時代になるはずです。
※参考
The Cybernetic Teammate: A Field Experiment on Generative AI Reshaping Teamwork and Expertise
https://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=5188231


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