- 2023-3-16
- 経済の話
こんにちは、中西です。
最近、立て続けに政府が国民に「お金」の面で支援しようとしています。
▼「最低賃金1000円超に」 8年ぶり政労使会議(FNNプライムオンライン(フジテレビ系))
https://news.yahoo.co.jp/articles/4dfd759f4ba65b2dd423696064481c241b97372e
▼低所得世帯に3万円、子ども1人あたり5万円追加…物価高対策で政府方針(読売新聞オンライン)
https://news.yahoo.co.jp/articles/e28791ab7d619b83d2415908781ab6f250eb87ec
「こんな子供だましに騙される国民がいるのか?」
と思いたいのですが、実際のところ、山ほど騙される国民がいるから、こんな見え透いた政策をするのでしょう。
言うまでもなく、これらは来月行われる選挙(4年に1度の統一地方選)の対策です。
選挙の直前に、こうやって国民にお金を使っているように見せかけることで、支持率を高めようとしているわけです。
国民は、自民党の政治家に完全に舐められまくっていることに気づくべきだと思います。
100万歩ゆずって、これらが一切選挙対策でなかったとしても、そもそも政策として狂っているのです。
今の国内の状況で「最低賃金1000円超」にすることの恐ろしさを理解できている政治家・国民が、どれだけいるのでしょうか。
ものすごく表面的に見れば「いいこと」のように見えるかもしれませんが、それは完全に現在の日本の経済状況と事業の構造を理解できていない人の物の見え方です。
現在の日本は、コストプッシュ型インフレが続いていて、輸入物価が上昇しています。これが物の値段を押し上げているわけです。
加えて、この悪性インフレがなかったとしても、日本経済に3年以上も大ダメージを与えている消費税10%が重くのしかかっています。
消費税は、多くの人が間接税(消費者が払っている)と思っていますが、実際は財務省によって恐ろしく巧妙に間接税に見せかけた直接税(事業者が払っている)ので、
企業やお店などの事業者は、モノやサービスを販売する上で、
「輸入物価の上昇+消費増税」
という形で二重の値上げに追い込まれ、苦しめられているのです。
これに加えて、政府から「賃上げ」を押し付けられ、“三重苦”にしようとしているのが岸田総理です。
しかも7月からゼロゼロ融資(政府が事業者に対して「返済が必要な借金」をさせた見せかけの救済策)の返済も一気に始まりますので、
輸入物価の上昇+消費増税+賃上げ+ゼロゼロ融資の返済
のダブルパンチどころかクワトロ(4つ)パンチで、普通に持ちこたえられない企業・個人事業者が続出すると思います。
※ゼロゼロ融資は借り換え(返済する分の同じ金額をまた借りること)の措置もあるようですが、結局は同じこと。
現在、日本の需給ギャップ(需要と供給のバランス) のデータを見ると明らかにデフレ(需要不足)が続いており、全く景気が良くなっていません。
つまりものが売れない不景気の状況は続いています。(普通に誰でも肌感でわかると思いますが)
にもかかわらず、政府がやるべき財政出動(国民にお金を流すこと)をやらずに、苦しんでいる事業者に最低賃金のアップを要求する。
最低賃金のアップを要請すると、
「政府として何か政策をやっているように見せかける」
ことができます。特に事業者側の苦しみをあまりピンとこない雇用されたことしかない人たちの多くに、良い政策のように思わせることができます。
政府が全くお金を使うことなく、負担を事業者に押し付けることで、選挙対策ができるということです。
これほど卑劣な財政政策も他にないと個人的には思います。
「低所得世帯に3万円、子ども1人あたり5万円追加」
の報道も、いかにも政府に媚びまくる読売新聞の報道だなという感じです。
(読売新聞は以前から完全に間違った「日本は借金で破綻するぅ〜」の財政破綻論を展開し続けています。読売新聞の記者が信じられないほど勉強不足という側面より、単に政府とズブズブの側面の方が強いかと)
これも、一見、いかにも良い政策のように見えなくもないですが、今困窮しているのは「低所得世帯だけ」ではないわけです。
国民のほとんど全員が苦しんでいるような状況で、低所得世帯だけに、しかもたった3万円を1回こっきり配ることで満足させようとしている。
「ほら、お前ら国民なんて、ちょっと金を配れば、喜んでまた支持率アップさせるだろ?チョロすぎw」
と言う心の声がはっきりと聞こえます。
国民からは、それとは比較にならない金額を、継続的に税金で収奪しているにもかかわらず。
したがって、このような政策に読売新聞が全く批判をしないのは、もはや新聞社として終わっていると思いますが、ちゃんと批判しているメディアもありました。
▼「物価高騰は国民全員」「選挙前のバラマキ」低所得者に3万円&子供1人5万円 自民党の物価高対策に噴出する異論(SmartFLASH)
https://news.yahoo.co.jp/articles/57dd690cf4193edeb56c9aacf06e6af42065a1c9
もはや大手新聞社より、エ◯いアダルティーな写真が豊富な写真週刊誌の方が、政府と利権で絡んでいない分、まともな報道をしております(゚o゚;;
国家として本当に末期的な状況になってきていると思います。
なぜ、これほどまでに末期的な状況になっているかと言うと、国民が政治に無関心でいるせいで、政治家を選ぶ判断能力を失い、自民党の一党独裁体制になっており、
そのトップの総理大臣も、苦労知らずの世襲議員だらけだからです。
試しに平成元年以降の総理大臣で調べてみたところ、2021年までの32年間で19人の総理大臣が誕生しましたが、
その19人のうち、世襲の総理大臣は、なんと13人もいました(゚o゚;;
わが国の総理大臣は、70%が世襲議員だったのです。とんでもない比率です。
これでまともな国になるはずがありません。
こういう世襲の政治家と言うのは、選挙には当選しやすいですが、まるで世間の苦労を知らないボンボンたちなので、国民の苦しみを肌感覚で全くわからないのです。
そのため、権力を握ると極めて高い確率で、国民を苦しみから解放することとは程遠い、それどころか、国民がどれだけ苦しもうと政治家である自分たちを利することしか考えない、超ロクでもない政策をしてしまうようになります。
最近、その「証拠」とも言える報道を見つけて、久々にめまいがしました。
▼岸田首相「日本で一番権限大きい人なので首相目指した」 中学生の質問に
https://news.yahoo.co.jp/articles/8fbaea5e672d643cf21613b0eaef5ce4e74100bd
タイトルの通りの内容です。
マスコミの切り取りの可能性もあるので、元の動画も確認しましたが、
岸田総理が中学生の女の子に対して、あまりにも信じがたいことを言っているので、動画を4回も確認してしまいました。
岸田総理は「やりたいことをやるために、1番権限が大きい首相を目指した」と言っていますが、その最も大事な彼の
「やりたいこと」
が何なのかは、一切回答していません。
これではっきり分かるんですよ。岸田文雄という人間が、どういう考えで政治家・総理をやっているかが。
権限=権力と言うのは、あくまで手段に過ぎません。
ここで、子供たちに総理になった理由を聞かれて、「権限が1番大きいから」としか答えず、最重要である
【 自分が国民・国家のために成し遂げたいビジョン 】
を何一つ語れないと言うのは、どこからどう考えても明らかにおかしいわけです。
彼が本当に真剣に日本のことを考えている政治家なら、上記のような答えで終わるはずがありません。本当に真剣に考えているなら、たとえば、
「やりたいことをやるために権力は必要です。しかし、権力はあくまでそれを実現するための手段です。
私が首相になったのは、この日本が衰退していく状況を何としても終わらせ、国民の皆さんが経済的に豊かで充実した人生を送り、国としても他の国に負けないような強靭な国を作る必要があると考えたからです。
経済的に成長できれば、国民の人生も豊かになりますし、自然災害や他国からの侵略から国民を守れる安全な国も作れるんです。
私はそういう誰もが安心して生活でき、幸せを感じられる国を作りたいから総理になりました。」
この程度のことを息をするレベルでスラスラ言うのは、総理として当たり前だと思うのですが、彼は、結局未来ある中学生に対して
「権力の話」
しか出来ませんでした。゚(゚´Д`゚)゚。
これが「世襲」で政治家をやると、ロクなことにならず、とんでもないボンクラ政治家かモンスターしか生み出さないという典型例だといえます。
このままいくと、日本はこの国民の苦しみを何も理解できない「世襲の総理大臣」たちに、
30年以上ボロボロにされてきましたが、「引き続き」さらにもっと、国民がまともに生活できないレベルまで、とことん潰されまくることになります。
我々国民としては、権力と利権にしか興味が行かない世襲のバカ息子ではなく、まともな政治家を選ぶ目を培うことと、
こういう権力と一族の利権にしか興味がない、どうしようもない政治家たちに日本がボロボロにされて行っても、自分や家族や周囲の身近な人たちだけは、
しっかり守れる力(実力・経済力・スキルなど)
を身に付けていくしかないと思います。
それではまた。