- 2022-10-4
- 睡眠効率アップで集中力UP
こんにちは、中西です。
睡眠不足の日や、勉強・仕事中に眠くなったときに、コーヒーなどのカフェイン飲料を飲んで眠気を覚ましている人も多いと思います。
私自身は、そもそも睡眠不足や日中に眠くならないように細心の注意を払っていますが、それでも時々眠くなる事はありますので、眠気覚ましにコーヒーを飲むことはあります。
ただ、自分が飲んでいるコーヒーのカフェインの強さなどは知りませんので、プラセボ効果的な部分もあるのかなと思っていました。
そもそも本当に「カフェインの効果」がどの程度あるのかなと。
覚醒効果自体は多数の研究で認められていますし、認知機能が改善することもわかっていますが、どの程度の眠気覚まし効果があるのかはよくわからなかったわけです。
この疑問に、1つの回答を提示している研究がありました。
結論から言うと、
「カフェインの認知機能の改善効果は、作業の内容によって変わる」
ということのようです。
ミシガン州立大学の研究ですが、睡眠不足による注意力低下にカフェインがどのような影響をもたらすかを調べています。
被験者276人を対象に行われた実験で、この被験者たちに簡単な「反応テスト」と呼ばれるテストと、難しい「プレースキーピングテスト」と言うテストの2種類をやってもらったようです。
前者の「反応テスト」は、画面に文字が表示されたらボタンを押すだけのシンプルな検査で、後者の「プレースキーピングテスト」は、決められたタスクを適切な順番でこなすことが求められる、やや複雑な検査です。
このテストをやってもらった後、2つのグループに分けて睡眠不足の状態と普通に眠る状態などいろいろ比較して、その後カフェインを飲んで再度テストをしました。
この実験の結果、睡眠不足になった被験者は、カフェインを飲むことで「反応テスト」の結果が改善したのですが、「プレースキーピングテスト」の結果は、カフェインを飲んでも飲まなくてもほとんど変わらなかったそうです。
つまり、カフェインを飲んでも、「簡単な作業」なら眠気覚まし効果を発揮するけど、「複雑な作業」では発揮しにくい、と言うことになりそうです。
この研究の研究者によると
「カフェインは眠気を覚まし、作業に集中する効果を高めるが、医療ミス・交通事故等、重大な事故の原因となる『手順のミス』を防ぐ効果はあまりありません」
「人々はカフェインで睡眠不足を克服できると感じるかもしれませんが、より高度なタスクのパフォーマンスは依然として損なわれる可能性があります。これが、睡眠不足が非常に危険な理由の 1 つです。」
とのこと。カフェインの眠気覚まし効果は確かにあるものの、
「どんな状況でもしっかり眠気覚ましになる」
「睡眠不足を補える」
みたいに、あまり高い期待をしてはいけないと言う事ですね。
というわけで、カフェインには様々な効果がありますが、認知機能改善・眠気覚まし効果は、ざっくり単純作業系には効果がありますが、高度で複雑な作業系になるとかなり怪しくなりそうですので、
安易にカフェインの効果に期待(依存)して睡眠不足にならないように、改めて、そもそも
「十分に睡眠を取ることに注意を払う」
のが大切、という一周して普通の結論になりそうです笑
それではまた。
※参考
Caffeine selectively mitigates cognitive deficits caused by sleep deprivation – PubMed
Can caffeine cure sleep deprivation? | MSUToday | Michigan State University
Gigazine