- 2026-5-5
- 石油危機・イラン戦争
こんにちは、中西です。
前回、ホルムズ海峡の封鎖による石油危機に、わずかに希望が出てきたという話をしました。
いくつか理由があったのですが、一番大きかったのは、アメリカの戦争権限法という法律です。
この法律は、アメリカで戦争が起こった時に大統領の権限を制限する目的で、ベトナム戦争時に作られた法律で、その期限が60日間となっています。
60日間で区切りを迎え、その期限が5月1日だったこと。
また、副島国家戦略研究所の副島隆彦氏が戦争権限法を根拠に、戦争は終結したという話をしていたこと。
さらに、ここしばらく攻撃も止まっていたことから、ホルムズ開放の希望も出てきたのではないか、という話でした。
ところが、この法律の5月1日の期限に、トランプ大統領がどういう判断をしたのか調べてみたら、私の想定の斜め上を行くことをやっていました。
簡単に言うと、60日の期限が来たら、大統領はあらかじめ法律で用意された三つの選択肢の中から、どれか1つを選ぶ必要があることになっています。
3つの選択肢が何かを解説すると長くなるので、興味のある人は以下の記事をご覧ください。
▼米政権「イランとの敵対行為終結」、戦争権限法の期限巡り | ロイター
https://jp.reuters.com/world/us/ORA273EI6BNVXO2BXKWNDWZYVM-2026-05-01
結論的には、トランプ大統領は3つの選択肢のうち、
「(イランへの)敵対行為は終結した」
という選択をしました。
なので、建前上は戦争が終結したようになっています。
副島隆彦氏も、トランプ大統領がこの選択をしたことをもって「戦争が終わった」と主張していたのだと思います。
ところが、この敵対行為の終結宣言というのは、建前上のものにすぎず、実際は終わっていなかったのです。
要するに言葉遊びのようなもので、戦争権限法があるから、口では建前上、「敵対行為を終結したぜ」と言いながら、
実際はそんな法律はお構いなしに戦争を続ける、ということをトランプ大統領はしているということです。
やっていることが高市総理にそっくりだと思います。
最新の超特大文春砲では、法律どころか、憲法や民主主義のプロセスすら完全無視する高市総理のとんでもないショート動画戦略が、その動画製作者の口からばらされて大変な事態になっていますが、
その手の嘘やプロパガンダで国民を欺いたり、法律や憲法を無視することも平気でやりまくっているわけです。
特に就任当初から「詭弁」があまりにもひどすぎる。国会の答弁を見ていれば明らかです。そして今回の石油危機でも、その体質は何も変わっていない。
ナフサ不足が発生しているのに、それを具体的な数字で報道特集と言う番組で発表した境野春彦氏の見解を、何の根拠も示さず「ナフサ不足はデマ」と言い張って、大本営発表の嘘の言葉で現実を無視するわけです。
また、高市政権は石油危機が迫っているのに「石油ショックではない」と主張したり、根本の供給が絶たれているのに「目詰まり」という表現で、民間企業の問題にすり替えたり、
国民の生活や命に関わる大問題なのに、この手の詭弁や虚言があまりにも多すぎる。
日本政府が太平洋戦争時からお得意の言葉のすり替えによって、都合の悪い現実を隠蔽したり、現実を無視して国民を騙す手口です。
民主主義も法治国家もクソもありませんが、日本もアメリカも、トップが同じような体質に私には見えます。
いずれにしろ、トランプ大統領は戦争権限法を実質的に無視する算段のようです。
結果、戦争は全く終わっていません。
昨日と今日、アメリカもイランもともに攻撃をしています。
特に最新の大きなニュースは、UAE(アラブ首長国連邦)のフジャイラ港という、日本にとって非常に重要なホルムズ迂回ルートがイランに爆撃されたことです。
▼UAE、イランのミサイル迎撃 東部フジャイラ石油施設で火災 | ロイター
https://jp.reuters.com/world/security/LIW5VZO4PVOU5IEOJJDJRVOYEM-2026-05-04/
これはかなりやばい攻撃なので、高市総理もSNSで言及していました。日経もそれを報じています。
▼高市早苗首相、イランのUAE攻撃「深く憂慮」 SNS更新 – 日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUA051IK0V00C26A5000000/
ついでに、ひろゆきさんも取り上げていました。
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アラブ首長国連邦フジャイラ港、ホルムズ海峡を通らない石油輸出ルートが爆撃。
備蓄が少ないフィリピンは物価7%アップ。
日本国民に節約を呼びかけずに補助金と備蓄をばら撒く、高市首相の短期解決に賭けるギャンブルの勝率はまた下がった。
紅海ルートがフーシ派に止められたら、どうなるんだろう?
(引用元:The Hormuz Letter)
速報:フジャイラ港が炎上中。複数のイランによる攻撃が、ホルムズ海峡を迂回するためにUAEが建設したパイプラインの終点であり、残された唯一のUAE石油輸出拠点を直撃した。
ひろゆき (@hirox246)
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以下の別の人の投稿も、フジャイラ港が爆撃された深刻さをよく表しています。
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今回の攻撃地点は フジャイラ。
ここは「ホルムズ海峡を通らずに積み出せる」UAEの生命線で、
日本の原油輸入でも重要な代替ルート。
そこが攻撃されたということは:
ホルムズ海峡が詰まり、代替ルートも攻撃され始めた。
=日本のエネルギー安全保障にとって最悪のシナリオが現実化しつつある
(引用元:共同通信公式)
イラン、UAEにミサイル攻撃 - 米国の海峡通過措置に対抗か
ないとうまなか (@naitoumanaka)
5:41 2026/05/05 7761回表示
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さらに、5月5日夜の最新の報道によると、イランが巡航ミサイルとドローンでアメリカの船舶に攻撃しました。
さらに、イラン沿岸に向かっていたイランの貨物船2隻がアメリカの攻撃を受けて、乗船中の民間人5人が死亡したようです。
▼米軍、イランのミサイル迎撃 ホルムズ通航に反発か―UAEにも攻撃:時事ドットコム
https://www.jiji.com/sp/article?k=2026050500169&g=int
つまりイランは、UAEにもアメリカにも攻撃しています。
今回、特にUAEのフジャイラ港への爆撃は、日本のホルムズ迂回ルートに致命的な影響を与える可能性が出てきています。
そしてアメリカもしっかりイランに反撃の攻撃をしているわけです。
簡単に言うと、戦争は全然停戦どころではなく、こじれまくっています。
上記の時事通信の記事でも書かれていますが、これまでの約1ヶ月の停戦が大きく揺らぎかねない事態になりつつあります。
さらに韓国の貨物船がホルムズ海峡で爆発したことが最新のニュースでも報道されていて、トランプ大統領は「イランによる攻撃だ」と主張しています。
いずれにしても、ここに来て再び今回の戦争が泥沼の状況になりつつあり、こじれまくってきた様相を呈しています。
どうやら、戦争権限法の60日縛りというのも、ベトナム戦争の教訓から生まれた大統領の権限を制限する法律でしたが、実質的に有名無実化していると言えそうです。
そしてその間も、日本の石油の備蓄が日々、Xデーに向かって減少しています。
私が数日前に徹底的に分析した結果では、その時のメルマガでも書きましたが、7月2日頃には完全に日本の石油の備蓄が消滅する可能性があります。
自分で言いますが、国内でここまでリアルに徹底的に分析した内容はおそらく無く、数字で全ての可能性を考慮して分析しておりますので、まだ見ていない方は確認しておいてください。
さらに、7月2日のXデーというのは石油の話で、「ナフサのXデー」はもっと早く訪れます。
理由は、ナフサの在庫は石油とは比較にならないほど少ないからです。
もともと在庫は20日しかなかったのですが、その後政府は、最近135万キロリットルのナフサの輸入のめどがついたと発表しました。
しかし、資源エネルギー庁アドバイザーの境野春彦氏は、その135万キロリットルの根拠が提示されていないので、全く信じられないと投稿されています。
しかも6月以降も、なぜか135万キロリットルが調達できる「見込み」で計算されているようです。
全く確定していないのに、まるで確定情報かのように政府は発表していると。
しかも、その見込みの根拠が全く公開されていないのです。
これまでの政府の備蓄日数などの嘘の数々を考えれば、この135万キロリットルの調達も、まともに信じることなどできるはずもありません。
しかも、境野氏の分析では、135万キロリットルは通常の45万キロリットルの3倍になります。
しかし、このメルマガでも何度も書いてきたとおり、中東以外からの輸入が3倍になったところで、78%を占める中東からの輸入のナフサがゼロになっている分を補うことはできないのです。
3倍のままでは、6月に詰みます。
これは最初からわかっていたことで、1ヵ月前にこのメルマガで書きました。
ドラゴンボールの界王拳に例えて、3倍ではダメだけど、4倍なら持ち込せる、みたいなこと書きました。私の中では秀逸な例えでしたが多分誰も覚えていません笑
中東からが元々78%でこれが0になっており、中東以外はもともと22% (45万キロリットル) 。3倍の66%でもダメで、4倍なら補えるのですが、
これだけ世界でナフサ争奪戦になっている状況で4倍も確保できる可能性は著しく低いです。
さらに、確保できたと政府が主張している3倍の135万キロリットルの根拠も、めちゃくちゃ怪しい状況。
このまま政府の大本営発表を信じていたら、石油もナフサもともに枯渇します。
それを信じていた国民は、ある日突然、お店から物が手に入らなくなり、「どういうことだ!?」「何が起こってるの!?」とパニックになっている間に、食べられなくなっていく
・・・という状況が訪れるようにしか、私には思えません。
というわけで、戦争終結の希望になるかに思えた戦争権限法は、実質的に意味を成していない可能性が高いです。
現在のこじれ具合を見れば、今後も当面、戦争は終わらず、ホルムズ海峡もまともに解放されず、
ベトナム戦争(19年)やイラク戦争(10年)やウクライナ戦争(4年)など他の戦争のように、数年単位の戦争になる可能性も十分あります。
油断できないどころか、昨日今日あたりで再び緊張感がより高まっていますので、
備蓄がまだの人は備蓄の手を緩めないことをお勧めします。
何度でも言いますが、最悪を想定して準備しておくのがリスク管理で、
何も起こらず拍子抜けしたら、それが最高の結果なのです。


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