- 2023-12-21
- 経済の話
こんにちは、中西です。
12月12日に、日本銀行がとんでもない論文を発表していました。
上記は、論文の概要がまとまっている日本銀行のリリースですが、論文は全部でPDF 47ページ分になっています。
で、色々と書いてあるので今回特に重要だと考えられるポイントを、概要のまとめからピックアップします。
日本銀行だけに堅苦しい文章なので、先にポイントの結論から、わかりやすく私の地元の関西弁で(?)言いますと、
「いやいや、中央銀行であるウチら日本銀行が、借金で赤字や債務超過になって大変なことになるなんてこと、あるわけないやろ。
だって日本銀行は自分でお金を作り出せるねんで?
そんなことを言って存在しないリスクで大騒ぎしている連中がいっぱいるんやけど、あんたらアホかいな!」
(あくまで意訳です。相当な割合で中西の主観と一部ストレス解消が含まれています。)
・・・と日本銀行が、ついに公式に、
【 中央銀行が債務超過で問題が発生する事はありえない 】
と言う、当たり前の客観的事実を公式に認めました。
認めた事実自体は当たり前のことに過ぎませんが、「ついに公式に認めた」という意味で、これはすごいヽ(´▽`)/
死ぬほど当たり前のことを言っているだけなのに、この当たり前のことを理解できない・認められない学者やバカ政治家が山ほどいましたので、
これでもう無駄な「論争」に決着がついたと言えそうです。
そしてこの事実は、我々国民の生活と子孫の未来にとって、とんでもなく重大な意味を持ちます。
この重大さを理解している一般国民がどれだけいるか分かりませんが。(そもそも報道もされていない)
日本銀行は、これまでこの事実を公式に認める見解を発表した事はほぼありませんでした。
もともと、この事実は日銀の副総裁や財務官僚が国会でも(正しい財政観を持つ西田議員から詰め寄られて、嘘をつけないのでしぶしぶ)認めていましたが、
日本銀行がホームページで正式に論文として公開
した意義は、とてつもなく大きいです。
ようはここに来て、ついにホームページで「公式に」論文で「事実を認めた」わけですから。
論文の内容は当たり前のことを言ってるだけなのですが、
日本銀行が「無駄な論争」に決着をつけるために、今回の論文を発表したことが概要からもわかります(後述)
とりあえず、日銀の論文のリンクは上に貼りましたが、以下にそのポイントの部分を抜粋します。
(以下、日本銀行が12月12日に公開した論文「中央銀行の財務と金融政策運営」より ※改行は中西)
—————————————–
「以上を踏まえると、中央銀行の財務と金融政策運営との関係については、次のように整理できる。
管理通貨制度のもとで、通貨の信認は、中央銀行の保有資産や財務の健全性によって直接的に担保されるものではなく、
適切な金融政策運営により「物価の安定」を図ることを通じて確保される。
そうした前提のもとで、中央銀行は、やや長い目でみれば、通常、収益が確保できる仕組みとなっているほか、
自身で支払決済手段を提供することができる。
したがって、一時的に赤字または債務超過となっても、政策運営能力に支障を生じない。
ただし、いくら赤字や債務超過になっても問題ないということではない。
中央銀行の財務リスクが着目されて金融政策を巡る無用の混乱が生じる場合、そのことが信認の低下につながるリスクがある。
このため、財務の健全性を確保することは重要である。
日本銀行としては、引き続き、財務の健全性にも留意しつつ、適切な政策運営に努めていくことが適当であると考えている。」
—————————————–
・・・繰り返しますが、上記で何を言っているかと言うと、
「中央銀行の赤字や債務超過が問題になることはありえないが、それを問題だと誤認している国民が山ほどいると、さすがに無駄な混乱が生じて、嘘も100回言えば嘘になる的な滑稽なオチになるかもね」
と言っているわけです。この部分↓ね。
「中央銀行の財務リスクが着目されて金融政策を巡る無用の混乱が生じる場合、そのことが信認の低下につながるリスクがある。」
こんなものは、「ゾンビなんて存在しないけど、ゾンビが襲ってくると信じ込んで全国民が大騒ぎしたら、その混乱で怪我人が出るリスクがあるかもね」と言っているのと同じです。
「ゾンビは存在しない」
ことを日本銀行が認めた時点で、論争の余地などそもそも存在しないのです。
この部分について、元衆議院議員の安藤ひろしさんは「日銀が債務超過リスクを信じている人(政治家や著名人)たちの顔を立てた」とおっしゃっていましたが、まぁ、そういう読み方もできるかと思います。
日銀はこの論文で「債務超過リスクの論争がある」と言っておきながら、片方側が間違っていて、片方側が正しいと言うことを明確に認めているわけです。
そりゃ日銀もゾンビが存在しないのに、ゾンビの存在を認めるわけにはいきません。譲歩して「ゾンビが存在することを信じた人たちが、何かの勘違いで混乱を起こすリスクがある」としか言えないわけです。
その上で上記の部分を書いているので、債務超過リスクを信じ込んでいる人たちの「顔を立てた」という安藤さんの読みは、
深読みというよりあらゆる事情を理解している安藤さんだから、日銀のニュアンスを読み取れたと言うことかもね。現代文の問題みたい(-_-)
つまり、最大の問題は、
【 存在しないリスクを存在すると思い込んで国民に嘘の情報を拡散している、馬鹿な政治家・経済学者・言論人・インフルエンサーたちの事実誤認 】
だと言うことです。
日銀が公式な論文でそう言ってしまったのです。
にもかかわらず、日銀がそんな論文を発表した8日後の昨日ですら、国内のマスコミからこんな報道が。
▼日銀の国債保有率は53%超で高水準続く(TBS NEWS DIG Powered by JNN)
https://news.yahoo.co.jp/articles/197956fc68dfae7075e7641966ded79fbb45c68d
記事から一部抜粋しますと、
「一方、9月末時点で日銀が保有する国の借金である国債の残高は574兆1115億円で、日銀の保有割合は53%を超えています。
日銀の国債保有をめぐっては、去年9月末時点で初めて50%を超えて以降、5四半期連続で50%を超える異例の状況が続いています。」
・・・国債のうち日銀が保有する割合が50%を超えた。だから何?って話です。
というか「国の借金」とかまだ言っちゃってるし(゚o゚;;
日銀の国債保有割合は、この10年かけてたしか20%位からどんどん増えてきて50%を超えましたが、何も問題が起こっていません。
その間、ずっと「問題が起こるぞ!」と煽ってきた連中がいるわけですが、いつ問題が起こるんでしょうか?その時期を彼らは決して言いません。
50%と言う数字に何の意味もないにもかかわらず、TBSはまるでそれが何らかの大きな問題を抱えているかのような報道をしている。
TBSの報道部門は、今回の日銀の論文を読んで理解する読解力がないどころか、その存在すら知らないかもしれません。
昔、筑紫哲也さんが言ったように、とっくの昔にTBSは報道機関として死んでいるので、もう「水曜日のダウンタウン」だけ放送していればいいんじゃないかと個人的には思います。
日本の国債は自国通貨建てで、日本銀行は通貨発行権があり(=自分でお金を作り出せる)、
その日本銀行は、政府の実質子会社なわけです。
この構造を正確に理解すれば、日銀の国債の保有割合が50%を超えたからといって、問題など起こるはずがありません
・・・と、ずっとこのメルマガで言ってきたのですが、
さすがに日本銀行が公式に論文で認めたら、もうこの論争自体が完全終了ということでいいと思います。
それはつまり、何を意味するかと言うと、
【 政府が国債をどれだけ発行しても、最終的に子会社である日銀が買い取れば終わりなんだから、
政府は(インフレ率だけ注意して)いくらでも国民のために国債を発行しまくり、
国民にお金を供給しまくり、国民を豊かにすることができる 】
そして、何より、
【 税金を財源にする必要性が全く存在しない 】
という事実が改めて浮き彫りになった、と言うことです。
そんな簡単にできることを、自分たちの利権のためにやろうとしない財務省と、
その財務省の飼い犬として、完全な操り人形と化している岸田総理と緊縮派の政治家たちが、
どれほどまでに罪深い罪人かと言うことも、改めて浮き彫りになったと言えます。