- 2022-11-30
- 経済の話
こんにちは、中西です。
ご存知の通り、先進国で唯一、日本だけが30年も衰退し続けているわけですが、その理由は、
「財務省による緊縮財政」
だと言う話を何度もしてきました。
で、その緊縮財政の最たるものが「消費税」になります。
データを見れば明らかですが、特に97年に消費税を増税してから、一気に日本は不景気になっていきました。
その後も、消費税が増税されるたびに、見事にそれに連動して景気が悪くなってきたのです。
経済成長の根幹である消費に「罰金」をかけるのと同じですから、景気が悪くなるのは当たり前ですね。
よって、この状態から回復するには、消費減税もしくは撤廃がマストなのです。
ところが、これを理解できない著名人や言論人や学者が腐るほどいて、中には先日実名で批判した慶応大学准教授の小幡績のような「明確な嘘つき」までいて、
そういう人間たちのせいで、一般の国民は何が正しい政策がわからなくさせられ、結果的に貧困人生に追い込まれているわけです。
…と言う前提を理解いただいた上で、今回はホリエモンこと堀江貴文さんの話。
堀江貴文さんが、消費税について言及していました。
▼ホリエモン、消費税増税に賛成「消費税あげるな、中国怖いから防衛費は上げろ…みんなワガママすぎる」
https://news.yahoo.co.jp/articles/c57f8d968c54919e026bb924f85ed4d54eb1ee8a
記事を読むと、どうやら発端となったのは、NHK党副党首・齊藤健一郎氏がツイッターに投稿した以下の内容。
「財務省は何がなんでも消費税の減税はやりたくない模様。なぜなら、消費税は歳入する上で最高の税だと財務省は思っている」
これに対し堀江氏が
「笑。一番取り立てやすい税なのは間違いないやん。俺は消費税増税賛成派」
と返し、この堀江氏の意見に対し、齊藤氏は
「僕が勉強してきたのが間違っているのかも、勉強不足です」
と返信した、と言う流れのようです。
齊藤氏は途中まで正しいことを言っているのに、なぜか折れてしまっています。
齊藤氏は仮にも国政政党の副党首です。それが堀江氏のこの程度のツッコミに反論できないと言うのは、本当に情けないなと。
「堀江氏の間違い」に気づけない、もしくは反論できないと言う意味で、確かに齊藤氏は「勉強不足」なのです。
とは言え、政治家のレベルと言うのは残念ながらこのレベルなんですよ。(齊藤氏は厳密には落選してますが)
もはやこのメルマガを読んでいる高校生や大学生の方が、政治家以上のレベルになっています。
ちなみに、上記の2人のやりとりからTwitter上で消費税の議論が活発化したようで、その流れで堀江氏は以下の投稿もして、消費増税に賛成する理由を説明していました。
「減税したら国は借金するしかないわけだ。日銀に円を刷らせて借金すればそれは円の価値が下がるだけで円安インフレという別の形での税金払うだけだよ。それよか消費税増税の方がマシやろって話だろ」
…多分この投稿内容のレベルで、政治家の大半はもう反論できないのでしょうし、まして普通の国民はもう全然無理だと思います。
当然、メディアの経済記者も同じで、この堀江氏の意見を取り上げた記事内でも、彼が間違っていると言う話は一切書かれていません。
すると、これを読んだ人は、
「確かに増税は嫌だけど、何事にも詳しいホリエモンがここまではっきり言うのだから、やっぱり増税は仕方がないのだろうな」
…なーんて思っていくわけです。
これに加えて、財務省の飼い犬の経済学者らのみで作られる税制調査会や審議会の意見をマスコミがそのまま報道し、それを読んだ国民は、
「やっぱり専門家の会議でも、増税は必要だと言っているし、ホリエモンも増税は必要だと言っているし、詳しい人たちはみんなそう言ってるから、増税は嫌だけど、仕方がないよね」
と言う認識になっていくわけです。というか、なってきたわけです。
だから、日本はこれほどまでの衰退国家になってしまった、と言うことです。
堀江氏の意見は100%完全に間違っているわけですが、一応上記の堀江氏の投稿の間違いを簡単に指摘しておきますと(細かく話すと長いのでポイントだけ書きます。もうわかってる人は飛ばしてください。)
「減税したら国は借金するしかないわけだ。」
→減税をしたら、景気が回復して税収が増えます。
そもそも彼が言う「借金」は「国債発行」のことだと思われますが、国債を発行したところで、「借金」には全くなりません。
理由は、国債の償還日(返済日)が来たら、その償還する額と同じ額の国債を新たに発行して終わりだからです。どこの国でも普通にやっている「借り換え」と言うやり方です。
堀江氏は、こんな基本的なことを知らないと言うのが、まずここで確定させられます。
「日銀に円を刷らせて借金すればそれは円の価値が下がるだけで」
→国債を大量に発行して、民間(≒国民)にお金が回ってくると、国民の消費意欲(需要)が高まりますので、企業が儲かります。
堀江氏はお金の量が増えることで、その価値が低下する、ということを言いたいのでしょうが、今の深刻なデフレ不況が長期で続く日本で、そんな状況にはなりません。
政府が国債を発行して財政出動した場合、上記の通り、企業が儲かり出し、それが続くと、さらに企業側は、その需要を満たせるように、供給能力(商品やサービスを提供する力)を高めようと必死になります。
儲かるチャンスなのですから当たり前です。
需要が高まって、供給能力も高まるわけですから、シンプルに景気が良くなっていくだけです。
投資家はその状況を見て、日本の景気が良くなることを確信し、日本の国債を買うでしょうし、円の価値はむしろ上がっていく方向に働きます。
(今円安になっているのは、厳密にはドル高ですが、今は日本政府がまともな経済政策をしないことで、国内外の投資家が日本を見限っている、と言う要素も多分にあるのです)
需要の高まりとともに供給能力も上がるのですから、当面インフレにはなりません。
インフレと言うのは、需要と供給のバランスで決まり(先日も説明しましたが、現在のコストプッシュ型インフレは別)、
政府がお金を出して需要が高まっても、同時に供給能力も高まれば、インフレにはならないのです。
その高まった供給能力すらもはるかに超えて、さらに需要が高まったときに、ようやくインフレになり始めます。
実際、参議院の試算では、毎月10万円を48ヶ月間(4年間)連続で全国民に給付し続けても、4年後のインフレ率は2%程度にしかならないことがわかっています。
「借金をしたら(国債を発行したら)、インフレになって大変なことになる」
などと言って、この国民が貧困で苦しんでいるデフレの状況で、インフレを過剰に心配して政府が財政出動をしないのが、
一体どれほどまでに愚かな考えか、もう本当にいい加減に、インフルエンサーの皆さんも気づくべきだと思いますね。
それはまるで、目の前に餓死寸前の人がいるのに、「このおにぎりをあげたら糖尿病になるかもしれないからやめとくね」とか言って、素通りしていくようなものです。
貧困の苦しみを知らない人は、過度にインフレを恐怖する。これは私の持論ですね。
余談ですが、このメルマガの読者さんが、非常に有名なある経営者・投資家さんのメルマガをとっておられて、その経営者さんもホリエモンと全く同じように、
「消費減税をしても、結局増税をしなければならない」
とメルマガで書いていたので、その人をどうやって説得すれば良いか、と言う相談をいただきました(解説だけして、説得は無駄と回答しましたが笑)。
著名な経営者さんらも結局みんな同じで、
「財源は限られている」
「税金は財源」
だと、いまだに本気で思い込んでいるのです。
少し前のメルマガでもいいましたが、日本は以下の3つの事実が国民に広まって初めて、衰退から脱却できます。
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1.財政破綻論は大ウソだった
(国の借金問題は存在しない)
2.財務省が諸悪の根源だった
3.税金は財源ではない
(国債発行ですべて賄える)
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…この3つを国民が理解するか、日本が終わるか。
我々は、もうこの2つに1つしかないんですよ。
2つ目までは、よく勉強している一般国民には広まってきたのですが、上記の通り、3つ目がなかなか広まりません。
3つ目まで理解して「完全コンプリート」なのです。
そのためには、まずは著名なインフルエンサーさんらが理解するしかないのかもしれませんが、
一体それがいつになるのか、私には全く判りません。
それではまた。