- 2021-12-17
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こんにちは、中西です。
ここしばらく「幸せ論」の観点から、集中力について考察しています。
前回までのポイントだけまとめますと、
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「幸せな状態だと生産性が3割アップする」
「幸せな状態だと創造性が3倍アップする」
「75年に及ぶハーバード大学の研究で、トップ10%の最も幸せな人生を歩んだ人たちは、『温かな人間関係』を築いていた」
「結婚では『性格の不一致』は問題ではなく、『価値観の一致』が幸せな関係を決定づける」
「異性のパートナーとの関係で『収入格差』『社会的格差』は問題ではなく、『2人のパワーバランス(発言権・意思決定権)』の均衡が取れている方が重要」
「日中に『日光を浴びる時間』が長いほど『幸福感・睡眠の質』は高まる」
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…と言う感じでした。
今回は少し角度を変えて、「脳内ホルモン」の観点から考えてみます。
幸せな状態と言うのは、言うまでもなく「幸せを感じている状態」のことです。
つまり、幸せと言うのは、脳がそれを「感じる」ものだといえます。
近日18年ぶりに続編が公開される「マトリックス」と言う仮想現実の世界を描いた大ヒット映画がありますが、
あの映画のパート1の冒頭のシーンで、モーフィアスという男が、「現実とは何か?」と言う哲学的な話を展開しています。そこで彼が言ったのは、
「視覚も聴覚も味覚も嗅覚も触覚も、すべて脳内がキャッチした電気信号に過ぎない」
と言う話でした。
この観点で言うと、実のところ
「幸せ」
と言うのも結局同じで、脳がそう「感じる」から幸せなのであり、それはつまるところ脳が分泌する、
「脳内ホルモン」
で説明がつくのです。
では「幸せ」を感じているときの脳内ホルモンとは何かと言うと、端的にまとめると以下の通り。
1、セロトニンの幸せ
2、オキシトシンの幸せ
3、ドーパミンの幸せ
4、エンドルフィンの幸せ
こんな感じで、人が感じる「幸せ」にも種類があり、その種類ごとに脳内で分泌されるホルモンが違うわけです。
それぞれのホルモンがどういう時に分泌されるかを知っておくのは重要になります。
一つ一つ詳しく書いたら1回のメルマガではとても収まりませんが、ポイントだけ書いておくと、
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1、セロトニンの幸せ
→日光浴、ウォーキングなどのリズム運動で分泌。
2、オキシトシンの幸せ
→人やペットとの触れ合いなど愛情を感じるときに分泌。
3、ドーパミンの幸せ
→面白いことをしてワクワクしているときに分泌。
4、エンドルフィンの幸せ
→ ランナーズハイや入浴中、糖分や脂肪分の摂取時などに分泌。脳内麻薬とも言われる。
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…こんな感じなのですが、上記はポイントのみしか書いていないので、詳細を知りたい方はご自身で調べてみてください。
なぜそれぞれの「幸せホルモン」を分けて考える必要があるかと言うと、
上記の幸せの種類ごとに、幸せの感じ方が全く違うので、それぞれの特徴を理解していないと、
本当の意味での幸せが手に入らなくなるリスクがあるからです。
わかりやすい例で言うと、上記の「ドーパミンの幸せ」と言うのは、確かに幸せな感覚を手に入れられますが、本当の意味での幸せではないことが多く、
それを幸せだと勘違いしてしまうと、逆に不幸になりかねないのです。
具体的には「スマホ依存」でもドーパミンが脳内で分泌されています。
ほかにもパチンコ依存症などのギャンブル依存やゲーム依存症やセックス依存症など、
特定のことに溺れてしまって脳が壊れている状態の時に、ドーパミン(の幸せ)に支配されているわけです。
したがって「ドーパミンの幸せ」と言うのは、長期的に感じ続ける性質のものではなく、その幸せ感に溺れていると不幸になりかねないリスクがあるのです。
逆に「オキシトシンの幸せ」は人間関係など、特定の相手に対する愛情から生まれるホルモンですので、
「ドーパミンの幸せ」のような害がほとんどありません。
先日お話しした
「75年に及ぶ研究で、トップ10%の幸せを手に入れていた人は『温かな人間関係』を気づいていた」
と言うのがありましたが、これは「オキシトシンの幸せ」であり、
本当の意味での深いレベルの幸せにつながっているのが、別の研究からもわかるわけです。
余談ですが、祈りや感謝をしている時にもオキシトシンが分泌されています。
この点からしても人間以外の動物では無理な行為なので、かなり高度なレベルの幸せだと言えるわけです。
ちなみに「セロトニンの幸せ」は、前回お話しした日光浴やウォーキングなどで分泌されるもので、割と手軽に分泌させることが可能です。
その割には全くと言っていいほど害がありません。
それどころかうつ症状が軽減したり、気分が良くなったり、前向きになったり、睡眠の質の改善につながるなど、良いことだらけです。
従って全体の幸福感が低下しているときは、簡単に手っ取り早く分泌できて、害がほとんどない
「セロトニンの幸せ」からまず高めていく
ことを推奨している精神科医の方もおられる位です。
「オキシトシンの幸せ」は相手がいりますが、「セロトニンの幸せ」であれば1人でも手に入りますからね。
というわけで、「幸せ」というのは結局のところ脳が感じるものであり、
それはつまり「脳内ホルモン」=「幸せホルモン」と言うことになりますので、
それぞれの「幸せホルモン」の特徴を頭に入れた上で、
「自分が今どういう幸せの状態にあるのか」、あるいは、「どの幸せが足りていないのか」をセルフチェックしていくのが、
バランスよく、人生で幸せを手に入れていくポイントになります。
その幸せ感が、目の前のやるべきことに集中するパワーの源にもなるわけですね。
それではまた。