- 2022-10-23
- 働き方・キャリアの話
こんにちは、中西です。
「週休3日制(週4日勤務)」と「在宅ワーク」
が今後さらに普及していき、それが雇用者の希望になると言う話をしました。
さらに、これらとともに(ある意味でセットで)、普及していくのが
「ジョブ型雇用」
です。ただしこちらは上記の2つと違い、希望になるとは限りません。
希望にならない人もかなりいて、このジョブ型雇用に対応できない人は、生き残ることができなくなります。
特にこれから社会に出る若い人にとっては、非常にやばい状況だと個人的には思うのですが、例えば、そのやばい状況を学校(高校や大学など)で伝えてくれるでしょうか。
私の知る限り、それをまともに伝えられる学校はほとんどないと思います。塾も同じでしょう。
このジョブ型雇用が若い人に不利になる点や、その他諸々、これからの令和の時代に必要となるキャリアについて、私とほぼ全く同じ考えの方がいました。
▼「ジョブ型雇用で20代は不利になる」これから会社に頼らず生き残るための”3ステップ”(プレジデントオンライン)
この記事は、元Microsoftの役員で2017年に会社を設立し、従業員全員が週休3日制・リモートワーク・複業を実践しているクロスリバー代表の越川慎司さんによるものです。
今後の社会人、さらにその手前の学生にとって、必要となる考え方や、今後どういうキャリアが必要になってくるかなど、
越川さんの考えは、私の考えとほぼ一致しています。(これまでのメルマガを読んでくださっている方なら、上記の記事を読めばわかると思います。)
といっても記事を全部読むのは面倒だと思うので、簡単にポイントだけ箇条書きしますと、
—————————————–
・ジョブ型雇用で若者(20代)が大変になる
・仕事以外の時間に、いかにスキルを磨く自己投資や稼ぐ力を身に付けるかが重要になる
・どの会社・組織からも必要とされる力を身に付けた人(市場価値の高い人)にならないと、年齢が上がるにつれて、どこからも必要とされなくなる
・主体的に動かない人は確実にダメになる。最悪路頭に迷う。
—————————————–
…だいぶ省略してますし、私なりの解釈も若干入ってますので正確に詳しく知りたい人は記事を読んでみてください。
内容的には、このメルマガで何年も前からよく言っている話と、全く同じ話ばかりです。
世の中の状況を見れば論理的に事実だと思われることを私は伝えているので、普通に同じ結論にしかならないと言うことでしょう。
問題は、この変化で20代の若者がやばいリスクにさらされる事です。
昭和・平成と違い、ジョブ型雇用になると企業が若者を育てようとしなくなる可能性が高いです。
そもそも「育てる」と言う発想は、ジョブ型雇用の思想と矛盾しますから。平たく言えば、社会人になった途端に即戦力を求められると言うことです。
となると「社会に出る前の学生時代」が実は勝負になるのですが、
そのことを理解し、さらに戦略として何を学生時代にすべきかも理解し、さらに、それを実際に実践する必要があると言う事です。学生時代に、です。
ところが、学校側は資本主義社会の動きに疎いのと、変化にもほとんど対応しないor対応が超遅いので(変化に対応しなくても業界・組織が成立する土壌もあるため)、
ジョブ型雇用への変化に、学校側が何か対応してくれる可能性は非常に低いでしょう。
そもそも学校が何か対応してくれる前提で学生生活を送ろうとすること自体が、ジョブ型雇用で求められる人材と相入れないマインドだといえます。
ジョブ型雇用の大変化に合わせて、学校(文科省)が教育のあり方そのものを抜本的に大変化させるなら話は別ですが、個人的にはそれはありえないと思います。
するとどうなるかと言うと、若者は昭和・平成とあまり変わらない感じで、学校教育で受け身のまま時間が過ぎ、突然、社会人としてビジネスのジャングルに放り込まれる。
そしてそのジャングルでは、すぐに結果を出すように求められる。
結果が出せない若者が路頭に迷っても、誰も救ってくれません。学校も塾も政府も、誰も責任を取りません。
私たち超就職氷河期世代がそうだったように。
その地獄は、この氷河期世代の人間にしかわからないのですが、ジョブ型雇用が定着した後の若者たちは、一時的な氷河期ではなく、もはや「恒常的」に氷河期よりひどい20代を送る可能性があると私は思います。
総理大臣をはじめ自民党の政治家たちは、それを「自己責任」として切り捨てていくでしょう。我々がそうでしたから。
つまり、教育では「上から言われたことを言われた通りに、素直にちゃんと実行できる人間を優秀な人間として高評価し、そう言う人材を育てる」ことが、これまで同様に行われ、
社会人になると、いきなりそれを否定するような「主体的に自ら考え、自ら動く即戦力」を求められるわけです。
これでは、日本の景気が仮に良くなろうと(絶対に今のままでは良くなりませんが、あくまで仮に良くなったとしても)、ジョブ型雇用では、若者が相当大変な時代になるとしか思えません。
それに適応できる教育がしっかり行われれば別ですが、日本の教育がそんな大変化をするとは、個人的には思えません。理由は誰も望まないからです。政治家も官僚も学校も、親御さんも、若者本人すらも(その教育ではダメだと理解していないため)。
仮に変化するとしても、変化しない教育現場が適応するまで、必ず長いタイムラグが発生するので、その間の若者は切り捨てられます。私たちの世代のように。
まぁこれから大変になるのは、若者だけではなく、中高年も高齢者もそうなのですが、
これらが自民党と財務省のせいだと言う客観的事実だけは、改めて強調しておきたいと思います。
ただしその自民党を選んでいるのも国民自身なのと、政策の影響を思いっきり受ける若者自身がそもそも投票に行かないので、若者に都合の悪い政策も平気で行われていきます。
政治家たちは、自分が落選するリスクがない事は、あえてやろうとしませんから。若者が投票しないなら、若者に都合の良い事はしません。
社会が若者に投資できない国は終わりだと個人的には思います。政府がそれを民間企業に丸投げしているのも狂っています。
政府がそうする理由は、畢竟、財務省の役人が財政出動したくないためです。自分たちの権力・利権を守るために、とにかく国民にはお金を出したくない。(財務省は増税して自分たちが扱えるお金が多くなるほど、相対的に権力が高まり様々なおいしい思いができるため)
その財務省の小役人連中の傲慢さと強欲によって、国民がここまで苦しめられ、これほどまでに問題がこじれにこじれ、先進国で唯一の衰退途上国となったのが日本です。
もはやこの国はどうしようもないところまで来てしまっています。
令和はかつてないほど日本国民が苦しむ時代になるでしょうが、おそらくその被害を1番受けるのは、若者になる可能性が高いと私は思います。
その悪い意味での「先駆け」となったのが、われわれ超就職氷河期世代だったのかもしれません。
森永卓郎氏が令和恐慌が起こる可能性を指摘していますが、令和恐慌がこれから起きた場合(起きる可能性が高そうですが)、自民党の過去30年の経緯を見る限り、令和恐慌を日本が脱する理由がどこにもなく、その恐慌の中でのジョブ型雇用となってしまうのです。
結果、これからの若者に待ち受けるのは、超就職氷河期の時代の若者が歩んだ人生よりも、さらに悪くなる可能性も十分あるとしか、私には思えないです。
若者にとって唯一希望は「人手不足」ですが、恐慌(最低でも不景気)の中でジョブ型雇用が普及し、短期的に即戦力の人材が集まらないと倒産しかねない状況に置かれた企業が、
スキルも何もない若者をわざわざ雇用してあげて、数年かけて一人前に育ててあげる…なんて悠長なことをするでしょうか。
せっかく育てても、ジョブ型雇用の社会なら、なんとか一人前に育った途端、その若者は退職する可能性も十分あります。ジョブ型雇用の社会なのですから。
企業からすれば「育て損」といえます。そのリスクを負ってまで恐慌時に若者を育てる奇特な会社があるでしょうか。
そんな幸運な企業には巡り会わない前提で、「社会に出るまでの時間を超戦略的に過ごす」必要がある時代に突入したように思うのです。
それではまた。