- 2021-4-21
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こんにちは、中西です。
4月に入って新年度がスタートしていますが、この時期に
「勉強法の勉強」
をしておくのがオススメという話を最近よくしています(特に受験生や学生さん)。
今回は私が苦い経験から導き出した勉強法について。
と言っても勉強法の王道とも言えるやり方です。
ところがいろんな情報が錯綜して、この王道に気づけなくなる人も多いので、今回は新年度スタートにあたり改めてお伝えしておきます。
結論から言うと、勉強法の王道のやり方というのは、
【 1冊を完璧にやりきる 】
というものです。もちろん1冊というのは参考書や問題集のこと。
その1冊選んだ参考書や問題集を徹底的にやりきるのが、
王道にして最強の、最も効果の高い勉強法(の基本)になります。
実にシンプルな話なのですが、この「最も効果的なやり方」に気づかなくなることが少なくありません。
理由はいくつかあって、 例えば大学受験が典型例ですが、良いと言われている評判の良い人気の参考書や問題集があまりにもたくさん種類が出ているので、
一度何か参考書を購入しても、隣の芝生が青く見えて、
「あっちの参考書をやった方がいいかも」
と途中で思いやすくなるからです。友達がやっているのがよく見えることも多いです。
そしてつい「浮気」をしてしまう。
あるいは私自身も経験があるのですが、通信添削をとったり予備校などに通うと、
各科目ごとに「大量の薄いテキスト」が届きます。
薄いといっても内容が良いものも多いのですが、いかんせん「バラバラ」で手に入るわけです。
これは私の勝手な予想ですが、そうやってたくさんのテキストを配布する方が、「お金を払った甲斐がある」ように思わせる効果があるため、
特に業者系は必要以上にテキストを渡してくることがあります。
しかしその「たくさんのテキストをもらったヽ(´∀`*)ノ」という満足感は、無意味な自己満足で終わることも少なくありません。
結果としてやりきれないほどのバラバラの薄いテキストが、山ほど手元に残ってしまうような状態になったりするわけです。
これは私の考えですが、仮にそのたくさんもらったバラバラの薄いテキストをトータルでみたときに、分量やクオリティが1冊の参考書より少しくらい良かったとしても、
「この1冊をとにかく完璧に繰り返せばいいんだ!」
と言う参考書の「シンプルなわかりやすさ」の方がずっと重要だと、経験上強く感じています。
テキストをバラバラでもらっても「繰り返しやろう」と言う気持ちが起きないことが多く、
そのデメリットが結果として非常に大きなマイナス(参考書と比較したときのデメリット)になるのです。
勉強していく「モチベーション」と「効率」に大きく関わる問題なので、ここは慎重に判断したほうがいいと思います。
そういった理由で、勉強法というのは「1冊を完璧にやりきる」というシンプルな方法で乗り越えることができるのに、
やり方の種類や宣伝や情報量が多すぎて、何かいろんなやり方でやっていかなければならないような錯覚に陥りやすくなっています。
少し前にもお話しましたが、別に「授業」という形でどこかの塾に行って勉強しなければ身につかないというわけではありません。
必要なことが網羅されているわかりやすい参考書と問題集さえあれば、
後はそれを独学で「完璧になるまで何度も繰り返す」ことで、実力を身につけることが普通に可能なのです。
少し補足すると「完璧に」というのは最終目標なので、必ずしも「その1冊が完璧に終わるまで他の事を一切やってはいけない」というわけではないです。
例えばその1冊を数回繰り返し、7割・8割覚えたところで、一旦次のステップに進んだり、問題集をしたり、別の角度から勉強をして理解を深めたあと、残りの2割・3割をやって行く
・・・・という流れでも(そのやり方の方が良さそうなら)問題ありません。
というのも、どんな参考書でも基本的なところから7割位まで理解を深める事は比較的簡単にできますが、
最後の2割3割の理解を同じ参考書を繰り返して深めるのは、(覚えにくかったり難易度が高かったりして)労力がかかることが少なくないからです。
一度問題集なり別のことをして、その後再び元の参考書に戻って、残りの2割3割を埋めていく方が効率が良いこともよくあります
そんな感じで「1冊を完璧にやる」というのは最終目標であり、完璧に終わらないと他のことを一切やれないわけではないので、大筋の流れとして捉えてください。
人間心理として「他の参考書もやった方がいいかも」とつい思ってしまいがちなのですが、そこで安易に別のものに手を出す人は大概失敗します。
「よりベストな参考書探し」
に時間と労力を使いすぎると、結局いつまでたっても実力がつかない事になりかねないです。
(特に大学受験はどの科目も沢山良い参考書が発売されているので、そういう思考に陥りやすいので注意)
また人間心理で言うと、
「人は新規性を好みがち」
という傾向を大半の人が持っていて、その本能のようなものによって、同じことを繰り返すより新しいものに目が行きがちなのです。
世の中の最新ニュースはほとんどの人が気になりますし、
YouTubeでも内容に関係なく「数年前の過去動画」より「最近更新された新しい動画」の方が圧倒的に見られやすくなっています。
こういう本能のようなものが、つい同じことを何回も繰り返す勉強のやり方より、新しい良さそうな参考書に目がいく「浮気」を生み出し、
結果的に受験の失敗につながる人も少なくありません。
仮に今やっている参考書Aより、少し良さげな参考書 B を新たに見つけたとします。
参考書 B のクオリティ(網羅されている情報量含む)を100として、
今自分の手元にある参考書Aが80ぐらいだとします。
それで参考書Aを3~4割ぐらいすでに進めていたとします。
この状況でも参考書 B に浮気しない方がいい場合が大半です。
なぜかと言うと、参考書のクオリティ(情報量)が多少悪くても、その1冊を完璧に繰り返すことで、実力が十分身に付くからです。
確かに参考書のクオリティが2割ほど低かったとしても、参考書 B の8割レベルの参考書Aを完璧に繰り返すことで、
結果的に参考書 B の8割は理解できるようになります。
残り2割は他の問題集や過去問などで補うことも可能ですから、自分が今やっている参考書Aが参考書 B より2割劣ることを、あまり心配する必要はない場合が多いのです。
そもそも参考書Aの8割は、必要で重要な内容が8割ですから、参考書 B より2割劣ったとしても、その2割の重要度は低めになる場合も多くなります。
それ以上に心配しなければならないのは、「1冊を完璧に繰り返す」ことをやらないことです。あるいは中途半端にやってしまうこと。
そちらの方が余程心配すべきなのです。
ところが途中で参考書 B に移ってしまうと、せっかく参考書Aを3~4割までやったのに、まだ中途半端な理解なので、
結局1から参考書 Bを新たにやり出すのとほとんど変わらない状態になりがちです。
そうなると時間のロスも大きくなります。
したがって参考書のクオリティというのは、よほど今やっているものが悪くない限り(あるいはよほど今やっているものより桁違いに良い参考書を見つけた場合以外)は、あまり気にする必要がなく、
そんなわずかな参考書のクオリティの差より、どんな参考書でもいいので
「1冊を完璧に繰り返したかどうか」
の方が、よほど結果に大きく結びつくのです。
私が早稲田大学(併願の上智大学・同志社大学も)に合格できた理由は、
浪人して途中でようやくその重要性に気づいて、最小限の参考書を徹底的に繰り返したからです。
この方針を間違えていたら、確実に失敗していたと言い切っていいと思います。
というわけで勉強法というのは色々とあるわけですが、
最も王道で最も基本的なこととして、(途中プロセスは色々状況に合わせて工夫・アレンジしたらいいですが)最終的に
【 1冊を完璧に繰り返す 】
という方針を貫くことが、何よりも大切になります。
勉強法には細かいテクニックも沢山あるわけですが、この大筋の方針が間違っていたり、理解が出来ていなかったり、実践できていないと、
それ以外のどんなテクニックをいっぱい知ったところで、どんなに教え方がうまい優秀な先生に学んだところで、ほとんど意味がなくなるのです。
これから特に受験勉強における「勉強法」を調べる人は、
以上の「最も重要なポイント」をまず頭のど真ん中に入れて押さえた上で、勉強の効率を追求して行ってください。
それではまた。