- 2013-7-8
- 元アメブロ記事(13年2月~14年5月、修正中), 夏休み・冬休み・春休みの勉強法
こんにちは!早稲田集中力研究会の中西です。
学生の方は今月後半から楽しい楽しい夏休みに入るわけですが、受験生の場合に注意しておかなければならないのは「夏期講習」です。
塾や予備校の広告を見れば、まさに夏期講習こそが夏休みを制する鍵だと言わんばかりに宣伝されますが、
実は半分くらいは正解かもしれませんが、必ずしもそうとは言えない側面があり、場合によっては逆効果すら招きかねないので注意が必要です。
「逆効果」というのはどういうことかと言うと、まさにそのままなのですが、夏期講習のせいで成績が下がってしまうことがあるのです。
厳密にいえば、実力そのものは多少上がるのですが、周りの効率的な勉強をしている受験生の成長度と比べたときに、相対的に実力の上昇率が非常に低いため、
クラスや学年の成績順位なり、模試の判定なりで、夏休み前と比べて成績が落ちてしまうことがあるということです。「夏期講習」を受けたにもかかわらず、です。
そうなる典型的な理由は、「夏期講習」の受けすぎです。
夏期講習といっても、つまりは「授業」のことであるわけですが、塾の宣伝文句を真に受けすぎて、
「夏休みは、夏期講習をミッチリ受けまくるぜー!」
と夏期講習を入れまくって喜んでいる人は要注意。
そうやって、毎日多くの時間を授業ばかり受ける夏休みを送っていると、限りなく高い確率で、成績の上昇率が落ちてしまいます。
実力の上昇とは、ひらたく言えば「同じことを何度も何度も繰り返す」ことがポイントになります。嫌になるほど、くどいくらいに、です。
授業をミッチリ受けまくってそれだけ何度も繰り返せるならいいのですが、
残念ながら、授業を受けた量に比例して、学んだことを「繰り返す」という受験勉強で一番重要なポイントが、見事におろそかになってしまう人が非常に多いのです。
塾の先生も、そこまでのことを話してくれないことが大半です。なぜなら、塾の先生の一番の仕事は「いい授業をすること」だからです。
極端な話でも何でもなく、塾でも学校でも、先生というのは「いい授業」さえしっかりできれば、
もうその後に生徒が各自どういう方法で勉強をしていようが、基本的にほとんど関知する必要性がなくなります。そこは職責とは関係ありませんから。
自分の授業を受けている生徒が、他にどれくらいの数の授業を受けているかなんて知るはずもないですし、そこは関係ないわけです。
先生の一番の仕事は、当然ですが「わかりやすい、魅力的な授業をする」ことですから。私自身が昔塾講師をしていたのでそのあたりは感覚的によくわかります。
だから、夏期講習をミッチリつめこむとどうなるかといえば、先生は真剣に授業をしてくれるので、それぞれの授業はわかりやすく、授業を受けている最中はとても充実している感じがするのですが、
最終的にふたを開けてみれば、夏休みの成果がほとんど出ていない秋を向かえることになりかねないのです。
理由は、何度もいいますが、授業を受けすぎると一番大事な「復習」がおろそかになるから。
こういう事態を避けるためには、「夏休みの実力アップを、夏期講習に一切依存しない」というマインドセットが重要になります。
「一切依存しない」というと大げさに聞こえるかもしれませんが、それくらいに思っておいて丁度なのです。
夏期講習をメインにして勉強計画を組み立てるのではなく、あくまで参考書をメインにして勉強計画を立て、
夏期講習は、自分一人の参考書学習では、どうしても補うのが難しい分野のみ受けるのがコツです。
そうすることで、あとになっても夏休みにやった勉強の復習をしやすくなりますし、
中途半端にやり残したテキストだらけになって、消化不良になることもありません。(これが本当に多いから)
とにかく受験勉強は「復習が命」です。
「夏期講習の復習が中途半端なまま、夏休みが終わる」ということは、「夏休みに夏期講習を全く受けなかったことと同じ」なのです。
つまりは「夏期講習を受けた膨大な時間が無駄になった」ことを意味します。実際、そういう受験生は毎年ものすごくたくさんいるのです。この点をよく覚えておいてください。
ここは夏休みに賭ける思いが強い人、夏休みに際してテンションが高くなっている人ほど陥りやすい落とし穴です。
ぜひこれから夏期講習を予約する人は、この点はくれぐれも注意しておいてください。