- 2021-9-5
- 未分類
こんにちは、中西です。
私はこのメルマガで頻繁に経済の話をしています。
その理由は何度もお伝えしている通り、
【 国民の大半が経済に対する認識を間違えてしまっているせいで、日本だけが先進国で唯一30年も経済成長できず、 国民総貧困化に突き進んでいるから 】
です。
と言うか、もう総貧困化になっていて、このままだとさらに凄まじい総貧困化に突入します。
(以前は年収300万円時代が危惧されていましたが、今では年収200万円が当たり前、今後さらに酷くなります)
そもそもは、財務省が緊縮財政を主導していることが諸悪の根源ですが、これは経済学者や政治家も含め、ほぼすべての国民が経済に対する認識を間違えてしまっているため、
全てを正確に理解している財務省の役人たちにマスコミなどを通して都合よく洗脳され、プロパガンダに騙され続けてきた、というのが真実です。
その洗脳プロパガンダの典型的な例が、
「国の借金が1200兆円を超え、日本の財政は破綻寸前。赤ちゃんからお年寄りまで一人当たり900万円の借金を背負っている。この借金を返さなければ、日本は財政破綻する。」
という、100%完全な嘘のプロパガンダです。
マスコミと政治家に情報を提供している財務省がこの嘘を広めてきたのです。
財務省は税収が増えることによって各省庁や企業に絶大な権力を維持することができるため、
「税収を増やさないと日本は大変なことになる」
と全国民に思い込ませる必要があったということです。
私の故郷と同じ滋賀県の出身で、前は尊敬していた武村正義という政治家が、財務省に騙され、1995年に大蔵大臣として財政破綻宣言をしてしまいました。
そこから緊縮財政がスタートし、97年の3%から5%への消費増税によって日本が大没落の道を歩み出し、四半世紀も経過した結果、国民の誰もが貧困の国になりました。
他の先進国が経済成長していく中で、日本だけが成長できずあらゆる分野で没落し、欧米諸国のみならず、アジアの国よりも物価が安くなってしまい、
国民の誰もが未来に希望を持てない国になってしまったのです。
こんな状況下で勉強や仕事の集中力を高めたところで、その努力が全て無駄になりかねないわけです。
と言うか気づいていないだけで、「本来得られるべき豊かさ」の半分も日本国民は得られていないのです。
(例えば大卒の初任給はまだ30年前と変わらずに20万円ほどですが、こんな国は日本だけ。本来であれば今なら最低でも大卒ですぐに月収40万円ぐらいはもらえていないとおかしいのです)
財務省の緊縮財政が諸悪の根源ですが、狡猾な彼らに騙されてしまった日本国民の「経済(財政)に対する認識レベル」にも問題があった、という側面もあるのです。
(泥棒に家の物を全部盗まれたら、泥棒が一番悪いのは当然ですが、何も考えずに毎日鍵を開けぱなしにしていたなら、その防犯意識も問題だよね、という感じ)
私が今期待しているのは、この大半の日本国民が理解していない
「正しい経済・財政の認識(貨幣観)」
を、 今回の総裁選で一気に一般の日本国民にも知れ渡る可能性があることです。
どういうことかと言うと、 先日お話しした通り今回の総裁選に立候補している高市早苗議員が、日本の憲政史上、総理候補としては初めて
「ほぼ完璧に正しい貨幣観」
を持っている政治家だからです(「ほぼ」の理由は後述)。その詳細については以下の記事に書きました。
個人的に面白いと思うのは、今回の総裁選に立候補している人物の中に岸田文雄前政調会長がいることです。
それの何が面白いかというと、岸田前政調会長は
「財政出動の重要性を主張しているにも関わらず、貨幣観を完全に間違えている」
という点です。
▼ 岸田文雄氏 首相就任しても消費増税「当面考えない」財政出動の財源は「国債」
記事から一部引用しますと、
『岸田氏は、「財源は国債です。いまは国の危機です。家の大黒柱が病気になった状態なので、借金してでも病気を治さなければならない。
いま必要とされているものには思い切って財政出動しなければならない」と語った。』
・・・以前からの読者さんであればすぐにわかると思いますが、岸田氏は
「国債の発行=借金=悪」
だと考えていて、その借金が「政府にとって悪いこと」だと認識しているのです。
確かに国債を発行することで、政府の帳簿上では「債務」(一般的には借金)が増えるわけですが、
その「勘違い」こそがまさに財務省が 狡猾にでっち上げて、全国民を騙した嘘だったということです。つまりその嘘に岸田氏は騙されています。
国債の発行額というのはどれだけ増えたところで、政府の子会社である日銀が普通に買取る(日銀の買いオペ)ことができます。こんなのは世界中の先進国ならどこでも普通にやっていることです。
また、国債は10年債というのが多いのですが、10年が経過して国債を返還しなければならない期日が来たら、また新たな同じ額の国債を発行して返還すれば良いだけです。これを借換債(or国債の借り換え)と言います。
つまり政府は通貨発行権がある日銀を子会社にしているため、国債をどれだけ発行したところで何一つ問題など発生しないということです。
帳簿上で債務となっているからといって、実体として一般的に考えられる借金でもなんでもなく、日銀に買い取らせたり借り換えをすることで、何の問題も発生しません。
結果政府の累積債務残高は増えますし、それを
「国の借金が1200兆円を突破した!大変だー!」
とマスコミや無知な政治家が大騒ぎしているわけですが(岸田氏もその一人)、
その1200兆円が2000兆円になっても5000兆円になっても、
それは単なる国債発行の累計額であり、実質的に返済する必要がないわけですから何も問題が発生しません。
むしろその額が増える=政府の赤字が増える=民間(国民)の黒字が増える=国民が豊かになる、ということなので、
デフレで貧困化している日本では、その数字をどんどん増やして国民に回るお金を増やす必要があるわけです。
しかし財務省にとってはこれが都合の悪い「不都合な真実」なのです。
なぜなら「国民から税金を取る必要がない」ということがばれてしまうからです。
この事実が国民にバレてしまうと「税収が組織の権力」となっている財務省の役人にとっては死ぬほど都合が悪いわけです。だから25年にもわたり国民を騙し続けてきたのです。
したがって「財源としての税金」は本来不要です。にもかかわらず我々は税金を取られ続けている。
こういう話をすると「だったら無税国家が出来るのでは?」という疑問を持つ人もいると思いますが、残念ながら無税国家はできません。
この話をすると長いのでまた機会があれば詳しくお伝えします。といっても気になる人もいると思うのでポイントだけ言うと、
財源としての税金は不要ですが、税金という装置がないと通貨に対する国民の信用が徐々に落ちて通貨の流通に問題が発生したり、格差が拡大したり、インフレが発生した時に抑止できなくなるのです。
したがって無税国家にはできないのですが、税金を取るにしても「財源としての税金」は不要なのです。
話を戻すと、今回の総裁選が極めて大きな意味を持つ理由は、
「にわか勉強」で突然正しい貨幣観を身につけたけど、(おそらく「にわか勉強」のせいで一部理解不足があるため)消費税の撤廃を主張できない高市早苗議員と、
財政出動の重要性を理解しているのに、貨幣観を完全に間違えている岸田文雄前政調会長
・・・という、 2人ともが
【 あと一歩のところで(財政認識の点で)政治家として完全体になれる(!) 】
という状況で、選挙で戦うことになるからです。
つまりこの2人の議論が進むことで、一般の国民にも広く「正しい財政認識(貨幣観)」が一気に広まる可能性が高いです。
なにせ高市早苗議員の財政認識は、 100点とまでは言えませんが、少なくとも90点以上には来ているからです。
これまではその主張を経済学者や言論人がしてもなかなか広く一般の国民には情報が伝わりませんでしたが、
総裁選を通して高市早苗議員がこの主張をすることになるため、これまで考えられていたような
「日本が財政破綻する確率は0%などと言ってる連中は頭のおかしい人間」
「『国の借金問題が存在しない』などと言っている連中は、陰謀論を信じ込んでいるヤバい奴ら」
・・・と安易に思い込んでいた本物の無知な人達に、実は間違っていたのは自分達だったことを理解させるきっかけになる可能性が高いからです。
岸田前政調会長にしても、 貨幣観を根本的に間違えているだけで、財政出動をして国民を救わなければならないという気持ちは本物のようですので、
そうであれば後は岸田氏が自分の財政認識の間違いに気づき、正しい貨幣観を持つことができれば、
あっという間に彼も総理として大いに期待できる人物になります。
2人ともまるで「完全体直前のセル」を見ているようです(意味が分からない人はスルーで)。
というわけで、今回の総裁選は90点もの財政認識を持っている高市早苗議員と、
国民を救うために財政出動の重要性を認めているけど貨幣観は間違えている岸田政調会長が登場したことで、
この2人の議論を通して
【 ついに全国民に正しい財政認識が一気に広まる可能性が高まった 】
という点において、あるいは日本の歴史的な転換点になる可能性を秘めていると私は思います。
まあ財務省が正しい認識が広まらないように色々と工作をしてくる可能性は非常に高いですが、
さすがに総裁選の各候補者の主張をコントロールすることはできないでしょうから(どの程度マスコミをコントロールするかにもよりますが)、
いずれにしろ過去最高レベルで期待ができる「面白い展開」になってきていると私は思います。
それではまた。